1年で理事全員交代という状況で修繕担当理事になりました。修繕工事をどのように進めたら…? (2007年4月号掲載)

Q.

私たちのマンションの理事は1年毎交代・輪番で理事全員が交代します。私は築6年目のこのマンションで、修繕担当理事になりました。

建物の現状は、開放廊下天井面からの漏水、機械式駐車場等鉄部の錆があり、前期の理事会からの引き継ぎ事項として鉄部塗装工事の実施があります。管理会社からは修繕工事の提案はなく、理事会も2ヶ月に1回で、どのように進めたらよいか困っています。

A.

1年交替の理事会で2ヶ月に1回の理事会開催では、管理組合活動の重要な業務である適切に建物を維持管理することが困難であると推察されます。

建物の修繕工事については、ある程度の知識と経験が求められます。このため、管理組合・理事会の諮問機関として委員会を設け、長期にわたって修繕工事の情報集めや経験を積むことにより、委員会が理事会を補佐している管理組合が多くなってきました。貴管理組合においても、まず委員会を設置し、修繕工事を検討することをお勧めします。

委員会のメンバーは、現在の理事や公募等によって構成されます。公募による委員の希望者がいない場合は、管理組合活動に熱心な人に依頼します。建築の専門的知識は必要ありません。  委員会は管理組合での位置付けを明確にしておきます。委員会の規則を作成し、総会で委員会設置の承認を得ることが必要です。

規則には、委員会の
1.目的と任務(修繕計画の立案、管理組合への報告・提案等)
2.構成と運営(委員の選出方法、委員会の役員・委員会の開催方法、決定方法―出席者の過半数等)
3.理事会からの委託事項
4.委員の任期、その他必要な事項(委員会費用etc)
を決めておくことが良いと思われます。

尚、大規模修繕工事の際には、マンションの修繕工事に詳しい専門家と協働することも必要です。

回答者:NPO日住協協力技術者
一級建築士 近藤武志
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2007年4月号掲載)