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コンクリートの中性化が進行、第2回目の大規模修繕工事での対策はどのように? (2006年6月号掲載)

Q.

第2回目の大規模修繕工事を計画し、建物劣化調査をしました。開放廊下天井面のコンクリート中性化深度試験を行いましたが、コンクリートの中性化が進行しているとの指摘がありました。大規模修繕工事の際に、どのようにすればよいのでしょうか。



A.

コンクリートは、新築時には高アルカリ性で、高アルカリ性の中にある鉄筋は、鉄筋を錆びさせる酸素や水分があったとしても、アルカリ性に守られて錆びることはありません。コンクリートは、経年とともに、空気中の二酸化炭素や車の排気ガスにより、コンクリート表面からアルカリ性が失われ中性化していきます。コンクリートの中性化が鉄筋の位置まで進むと、鉄筋は錆びやすくなります。鉄筋が錆びると、錆の膨張圧力でコンクリートのひび割れが発生し、ついにはコンクリートの落下につながります。このような状況になると、鉄筋コンクリート構造体の耐久性が低下します。経年したマンションでの大規模修繕工事の際には、コンクリートの中性化による耐久性低下を防ぐための対策が必要となります。開放廊下天井面の中性化対策として、通気性の大きい天井塗材を剥離し、コンクリート表面のアルカリ性を回復させるため、アルカリ性付与材を塗布し、バリヤー層としてポリマーセメントモルタル塗を行い、通気性の少ない塗装材で再塗装することが考えられます。尚、開放廊下床面からの漏水により通気性の少ない塗装材は剥離するので、床面からの漏水をを防ぐため、塩ビシート貼りやウレタン塗膜防水を施すことが必要です。

回答者:NPO日住協協力技術者 一級建築士 近藤武志
(2006年6月号掲載)