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大規模修繕工事3年後の点検 北側洗面所の壁の漏水は結露か?施工会社は瑕疵対象外というが…(2008年10月号掲載)


 3年前に大規模修繕工事を設計・監理方式で行いました。竣工後3年目になり、施工会社が瑕疵保証項目についての居住者へのアンケート及び共用部点検を実施しました。点検結果の報告会で、施工会社から補修対象と補修対象外が発表されましたが、居住者からの、北側角の洗面所の壁に漏水があるとの指摘については、結露であり、瑕疵対象外とのことでした。この部屋の上部はルーフバルコニーで、大規模修繕工事の際に防水工事を実施しました。また、鉄部塗装の一部(鉄骨造のゴミ置場)にカスレが見られ、これも補修対象外でした。施工会社による点検結果と瑕疵の有無について、管理組合として、どの様に判断したらよいのでしょうか。また、大規模修繕工事の際に、適切な品質管理がされていなかったのではないかと思われますが。



 漏水の有無の調査は、目視の他、防水層等に水をかけて漏水が発生するかや、洗面所の天井や壁の仕上材を一部撤去しコンクリート躯体が観察できるようにして、雨天日に漏水がないか等の調査を行い、漏水か結露かの判断を行う詳細調査を実施することがあります。このケースでは、洗面所には換気口がなく、また、外部に面する壁には断熱材が施されていないことから、結露の可能性が高いと思われますが、漏水であると指摘した居住者には、これらの詳細調査を行い調査結果を説明し、納得してもらうことが必要です。
 鉄部塗装のスケが見られることから、大規模修繕工事の際の品質管理が適切に行われたのかとの懸念がありますが、建築工事での品質の確認は、以下の考え方で行われています。
 管理組合に代わって、コンサルタント(工事監理者)が建築工事の全数検査を行い、品質を確認することは、膨大な検査作業が必要で費用もかかかることから、現実的ではありません。このため、一定のプロセス(作業方法・手順・設備・工具・材料・検査方法等)によって作業を行えば、完全ではないが一定の品質が得られることから、施工会社に適切なプロセスの管理を求め、工事監理者は抜き取り検査を行うことにより、品質を確保することが行われています。これらの品質管理が実施されても工事に不具合が発生した場合の担保として、瑕疵保証が行われ、一定の時期に不具合が発生していないか点検し、瑕疵保証項目に不具合があれば施工会社に補修を求めています。
 このようなことから、鉄部の一部にカスレがみられたからといって、大規模修繕工事全体の品質に不安を持つ必要はないと思われます。尚、点検時には、コンサルタントの立合いが望まれます。

回答者:NPO日住協協力技術者 一級建築士 近藤武志
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2008年10月号掲載)