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タイル貼り外壁の補修工事 既存タイルと同じ色調にするには(2009年2月号掲載)


 14階建の外壁がタイル貼りマンションです。第1回目の大規模修繕工事でタイルの浮いている箇所を貼替えましたが、既存タイルと色調が異なり、美観を損ねています。タイルの浮き補修は、貼替えの他、タイルの色調が変わらない方法は無いのでしょうか?



 外装材としてのタイルは、塗装と異なり、タイル表面がガラス質で吸水が少なく、耐用年数が長い材料です。タイルはコンクリート外壁に接着剤で接着され、タイル間の目地にモルタルが詰められて外装材として機能します。 タイルは、経年と共にコンクリート・モルタル下地の乾燥収縮や湿潤膨張、熱膨張等により、浮き、剥離、ひび割れが発生し、放置すると通行人が落下したタイルで負傷することがあります。このため、第1回目の大規模修繕工事の際には、タイル補修が重要な工事の1つとなります。マンションでは、横95mm×縦45mmの大きさの磁器質タイルが使用されていることが多いようです。
 マンションの外壁に貼られたタイルと同じ色調のタイルは、第1回目の大規模修繕時には製造が中止されていることが多いため、既存タイルの色調と同様となるように、新たにタイル工場にタイルの製作を依頼することになります。タイルの色調はタイル表面に塗布されるうわぐすり(釉薬)の配合(アルミナ、二酸化珪素、過酸化ナトリウム等)や、窯により異なりますが、うわぐすりの配合データが分からない場合が多く、既存タイル表面の色調から配合を推定し、試し焼きを行います。かなり近づけることは出来ますが、ずばり色調が合うことは少ないようです。
 大規模修繕時のタイル補修では、美観を損ねないようにタイルを貼替えるために工夫を行っています。例えば新築時にストックしているタイルが有る場合、新規に制作したタイルと既存タイルをミックスして貼ります。同色で濃・淡が有るタイルは、ずばり色調が合わない場合でも、新規に製作するタイルを濃・淡があるタイルにすると色調の違いが目立たないようです。尚、濃・淡の無いタイルは、タイルの色調を合わせることが困難なので、貼替よりも、タイルの浮いている箇所にタイル目地等からドリルで穴を明け、エポキシ樹脂系の接着剤を注入して接着を行ったりします。大規模修繕工事でのコンサルタントとしても、工事監理ではタイルの浮き等補修に、かなり気配りが必要です。

回答者:NPO日住協協力技術者 一級建築士 近藤武志
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2009年2月号掲載)