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管理組合で修繕工事のチェックが出来るのか?(2011年2月号掲載)


 築13年、60戸マンションの修繕委員です。修繕委員の中に建築関係の組合員がいるので、委員会で大規模修繕工事の修繕設計を行い、工事をチェックできないかと、理事会から諮問がありました。このようなことが可能でしょうか?



 マンションの大規模修繕工事は、様々なステップを踏んで修繕工事が行われます。
修繕設計の書類を施工会社に示しただけでは不十分で、後述の様々なステップを踏んで工事を行う必要があります。これらを実施することにより、高品質で適切な修繕工事を行うことができます。
 大規模修繕工事の発注者側(管理組合・コンサルタント)からのステップ
 (1)どのような品質・機能・数量等を、発注者として意図しているかを表現した書類の作成(修繕設計)
 (2)施工会社・各社が、修繕設計の書類により工事費を積算(見積書)
 (3)施工会社・各社から提出された見積書等により、管理組合が検討し施工会社を決定(総会の承認等)
 (4)管理組合総会で承認を受け、施工会社と請負契約を締結後、発注者の意図・要請(修繕設計)をもとに、実際に施工するための必要事項を記した書類を作成(施工計画書)
 (5)施工計画書から、実際の工事施工の要領、具体的なやり方、作業手順(施工要領書)を施工会社が作成後、直接作業する職人・職長等が理解しているか等の確認のため、打合会開催
 (6)施工要領書に基づき、実物の施工を工事現場で行い、作業手順・品質・機能等を確認(テスト施工)
 (7)施工要領書に基づき工事した箇所を、施工会社・コンサルタントにより、ダブルチェック。また、実数精算工事項目のマーキング・竣工図も同様。(現場検査)
 (8)修繕設計で想定されていない新しい不具合が発見された場合は、コンサルタントが管理組合へ報告し、対処方法(工事費、修繕仕様等)を検討の上、管理組合・施工会社と協議し、対処します。
 (9)施工会社・コンサルタントが検査の上、不具合部を手直しして、管理組合による竣工検査(居住者アンケート調査とも)
 (10)工事の記録を整理し、今後のメンテナンスの必要となる情報を書類にして残します(竣工図書の作成)。
 このように、マンションの修繕工事のチェックは多くのステップと時間を要することから、管理組合の居住者が行うことは困難で、コンサルタントに依頼することが必要です。

回答者:NPO日住協協力技術者 一級建築士 近藤武志
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2011年2月号掲載)