Q&Aから -- 建物相談会のQ&A

次回の大規模修繕工事のために「竣工図書」を保管することが大切 (2005年6月号掲載)

Q.

築23年が経過して、第2回目の大規模修繕工事の実施について管理組合で検討しています。第1回目の大規模修繕工事をどのように行ったのかの資料が、管理組合に保管されていません。大規模修繕工事後の資料として、どのようなものがあるでしょうか。



A.

大規模修繕工事の資料は、どのようなプロセスで大規模修繕工事が企画実行されたのか、又、工事内容はどのようなものであったのかを「竣工図書」として記録を残すことにより、工事完了後の建物の維持管理に役立てることができます。「竣工図書」は紛失しないように、保管場所を確保して、管理組合での日常管理の資料とともに保存することが大切です。「竣工図書」として重要なものは、工事内容等により異なりますが、下記のものが挙げられます。

  1. 仕様書・設計図
    修繕工事では、すでに建築された建物各部をどのような工法・材料・品質のもので修繕するのか具体的に記載された仕様書が必要となります。新たに部材等を加えたり、形状を変更したりする場合には、設計図が必要となります。

  2. 工事費内訳及び工事費積算書
    工事項目毎のコストがどのようであったかわかるもの。

  3. 工事記録写真
    工事がどの場所でどのような作業手順で行われたか。

  4. 保証書
    工事完了後不具合が発生した場合に、不具合発生までの期間及び不具合の内容により、工事施工者が無償で補修を行うことを取り決めた書面。

  5. 工事材料リスト及び材料カタログ
    補修工事で使用された材料で、具体的にどのような会社のどのような材料が使用されたのか。その他、大規模修繕工事の竣工図書として、コンクリートのひび割れや錆鉄筋によるコンクリートの剥離等の実費精算工事各項目の数量がわかる躯体改修調査図、どのような色彩で外壁や鉄部が塗装されたのかの色彩計画書又は色彩サンプル版、工事中に品質等の確認のために実施した調査・試験等記録、施工会社・工事監理者・管理組合の検査記録等があります。

回答者:NPO日住協協力技術者 一級建築士 近藤武志
(2005年6月号掲載)