Q&Aから -- 建物相談会のQ&A

台風によるサッシから雨漏り(2013年12月号掲載)


 先の台風26号通過時、団地の住戸数戸で雨漏りが発生しました。雨漏りの発生は5階建の4階以下に多く見られました。大規模修繕終了後であったので、修繕をした施工会社に点検を依頼したところ、屋根防水・外壁・外壁目地やサッシ周囲のシールに異常は無く、アルミサッシ本体から漏水したものであろうとのことでした。サッシから入った雨水が内装仕上げ壁と躯体の間を通って下階に漏ったもので、そのサッシが戸建て住宅用サッシやジャロジーサッシの箇所であるとの説明でした。戸建て住宅用サッシとはどのようなサッシで、又そのサッシやジャロジーサッシは雨漏りしやすいのでしょうか?



 他の団地でも同様な事例がありましたが、管理組合で住戸のアルミサッシを各戸で取替える事を許可しているケースがあります。その場合、居住者がサッシ屋さんに安価なサッシを注文してしまいます。その安価なサッシの代表が戸建て住宅用(木造住宅用)サッシで既存サッシの枠に棧木等を取付け、それに戸建て住宅用サッシを固定しています。
 戸建て住宅用サッシは、2階建程度の高さに取り付ける性能で設計・作成されています。このため、鉄筋コンクリートの中・高層の建物には対応していません。サッシの性能の水密性(屋内への雨水浸入防止性能)は、住宅用サッシはW-2等級(圧力差150Pa)〜W-3等級(同250Pa)で、5階建の窓はW-4等級(同350Pa)からW-5等級(同500Pa)程度必要になります。又、耐風圧性(強風に耐える性能)は戸建て住宅用サッシはS-2等級(耐風圧力1200Pa)で、5階建の窓はS-4等級(耐風圧力2000Pa)程度の性能が必要になります。
 よって、4〜5階の住戸に設置された戸建て住宅用サッシは、水密性が低い上、耐風圧強度も低く、台風時には強風でサッシがしなり雨水が浸入する確率は非常に高くなります。又、ジャロジーサッシも水密性はW-2等級ですし、閉めたつもりでもガラスの重ね部に隙間があったりして雨水が吹き込む事故の多いサッシです。
 管理組合でサッシの取替を許可する場合は、立地や建物の高さに応じた性能を持ったビル用(マンション用)サッシを指定することが必要です。
 大型台風の際は、窓以外にも換気口や風呂釜の排気口などから雨水が吹き込む事があります。台風予報を確認し、事前に浸水対策(紙おむつを周囲に貼ったり雑巾を敷並べる等)を取ることが必要です。

回答者:NPO日住協協力技術者 一級建築士 山田 俊二
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2013年12月号掲載)