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外壁・鉄部塗装の劣化判断方法は? (2004年12月号掲載)

Q.

第3回目の大規模修繕工事の計画をしております。

外壁・鉄部塗装の劣化程度についての診断は、どのように行うのでしょうか



A.

塗装に必要な性能として、

  1. 意匠性
  2. 耐候性
  3. 付着性(下地コンクリート等)
  4. 保護性(鉄筋の腐蝕防止、コンクリートの中性化抑制等)

がありますが、これらの性能が低下することが、塗膜の劣化現象です。診断方法として多く行われているのは、目視調査、測定機器等を用いた調査として付着力試験(鉄部塗装−クロスカットテスト、外壁塗装−付着力強度試験)、中性化深度試験があります。

目視調査の項目として、汚れの付着(塵挨、藻・苔類の繁殖等)、光沢低下(塗膜表面が艶を失う)、変退色(塗膜の色調が変色・色あせ)、白亜化(チョーキング−塗膜表面が劣化して、白い粉末になる)、膨れ、割れ、剥がれ、下地スチールの錆等があります。

鉄部塗装のクロスカットテストは、既存の鉄部塗装の上に塗重ねが可能かの判断をする場合に行われます。塗装面を×印状にカッターで切れ目を入れ、この部分にセロハンテープを貼って引張り、どの程度セロハンテープに塗膜が付いた(剥がれ)かにより判断します。

外壁塗装の付着力強度試験は、鉄部塗装と同様に既存外壁塗装の上に、塗重ねが可能かの判断をする場合に行われます。塗装面に4cm角の鋼製プレートを接着剤で取付け、この鋼製プレートを油圧式の引張試験機(引張った力が表示される目盛りが付いている)で引張り、塗装面から鋼製プレートが剥がれた付着力の大きさで、塗重ねが可能かを判断します。

中性化深度試験は、コンクリートの中性化深度を測定し、外壁塗装材を選定する場合に塗装材に中性化抑制の性能が必要かの判断を行う場合に行われます。外壁塗装面を直径4cm、深さ3cm程度の円形のコアを電動ドリルで抜き取ります。この抜き取ったコンクリートコアにフェノールフタレイン溶液を塗りますと、赤紫色になる箇所はアルカリ性を維持し、赤紫色にならない箇所は、中性化が進行していると判定します。

以上の劣化診断調査を行い、外壁塗装の劣化状況を判断し、大規模修繕工事の時期の検討資料や外壁再塗装での仕様決定の資料とします。

回答者:NPO日住協協力技術者 一級建築士 近藤武志
(2004年12月号掲載)