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不公正・不誠実な設計コンサルタント(2014年8月号掲載)


 当方マンションの第1回の大規模修繕工事にあたり、設計コンサルタントに依頼し施工業者選定までに至りました。
 この間、見積参加業者を公募し見積依頼業者の選定まで、コンサルタント主導でバタバタと決まっていきました。修繕委員会も初めての経験でもあり、一応募集条件内である事から同意していました。その後各社に見積を依頼し見積が出て来た際、見積書は修繕委員全員立ち会いの元で開封する事としていたのですが、提出された見積書を管理会社がコンサルタントに渡し、コンサルタントが勝手に開封し見積一覧表を作成し提出してきて、一番安いのはA社ですのでA社にしましょうと言ってきました。
 この時点でコンサルタントへの不信感を抱き、このまま進めたくありません。今後どのような対応をしていけば良いでしょうか?



 不審の元は、提出された見積書が修繕委員の確認前にコンサルタントに開封されたことにあるのだと思います。コンサルタントが事前に開封し、仲間内の施工会社の見積が高い場合、見積額を下げた見積書をこっそりあたかも最初の見積の様に再提出させ有利に運ぼうとしたのではないか、という疑いがあるからだと思います。
 コンサルタントが管理組合と見積結果を検討するために、見積結果一覧表を作成しますが、その際は管理組合担当者立ち会いの元で見積書を開封し各社の見積額の控えを管理組合に残した後持ち帰り一覧表を作成するか、見積業者に同じ見積書を2部作成してもらい、管理組合とコンサルタントに同時に提出してもらい(郵便や宅配便など同日発送である事が分かる事が好ましい)、コンサルタントが作成した一覧表と管理組合に届いた見積書とに違いが無いかを確認するのが通常です。
 設計コンサルタントは、多くは建築士事務所が行っています。建築士事務所は一般的には、建築士が経営者(開設者)で(※注 非建築士でも建築士を雇い開設者になれる)発注者のため建築設計技術を発揮し、発注者の希望や諸条件を取り纏め、より良い工事をより適切な価格で実施される事を主眼として、公正かつ誠実(建築士法に定められた建築士の職責です)に業務が行われます。
 しかし建築士事務所の中には、単なる商売と考え、多くの仕事を受注し売上を上げる事に主眼を置くところが一部に見られます。建築士の職責を忘れたか職責すら知らない経営者が経営している設計事務所です。設計料を安くして受注し、受注後に仲間内の施工会社に工事が発注される様に導き、その施工会社からリベートをとり、コンサルティング料金の帳尻を合わすやり方をしています。この様なやり方で発注された工事に良質な工事は期待できません。
 ご相談の件も、この様な職責を無視した不法コンサルタントの様相が見られます。まずは、修繕委員会立ち会いの元で開封されなかった見積書に信憑性がない事から、この見積依頼は不調とし、別な見積業者を加え再見積依頼しては如何でしょうか。出来れば、現在のコンサルタントとは不公正・不誠実を理由に業務契約を解約し、新たなコンサルタントを選定する事をおすすめします。

回答者:NPO日住協協力技術者 一級建築士 山田 俊二
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2014年8月号掲載)