Q&Aから -- 建物相談会のQ&A

使用しなくなった地上置きのコンクリート受水槽の再利用(2014年12月号掲載)


 昨年給水管を直結化し、従前のポンプ圧送方式の際使用していたコンクリート製の受水槽(地上置き型)を再利用しようと管理組合で検討しています。解体撤去し駐車場にする案やドアや窓を設けトランクルームや集会室にする案など様々な意見が出ております。他の事例や再利用の際に考慮することがありましたらお教え下さい。



 鉄筋コンクリート地上型受水槽やポンプ室が給水直結化に伴い不要となり、再利用を計画している管理組合が徐々に増えています。
 ご相談の受水槽の場合ですが、再利用計画事例として集会所・多目的ルーム・防災倉庫・トランクルームなどが上げられています。
 これらの用途に再利用する場合は、建築基準法上、用途変更と増築と言う扱いになります。受水槽を他の用途に変更するため用途変更となり、変更用途が100m以上の集会場や倉庫など建築基準法で規定された用途に変更する場合は用途変更の確認申請が必要です。
 又、受水槽は「工作物」ですので集会所や倉庫等に利用すると「建築物」となり、建ぺい率や容積率上別扱いとなっていた工作物が建築物になる事により、建ぺい率や容積率対象面積に加算され、増築扱いとなります。新たに建ててはいないのですが建築物が増えることにより増築の確認申請手続きが必要になり、団地型マンションの場合は一団地認定の変更申請も必要になる場合が有ります。又、固定資産税の対象ともなってきます。尚、法令上の手続きについては、行政庁の判断で簡略化してくれる場合もありますので、専門家に依頼し行政庁との事前相談が必要です。
 構造上の問題としては、開口部のない受水槽に出入口や窓等の開口を設けるため、構造計算を行い構造補強が必要になります。又、受水槽の床は地面から高い位置に有り勾配や凹凸があります。利用するには階段やスロープを設けたり、中の床を平らに改造しなければなりません。
 管理上の問題として、受水槽は人目に付かない場所に設置されていることが多く、用途を変更することにより防犯体制を強化する必要が出て来ます。

回答者:NPO日住協協力技術者 一級建築士 山田 俊二
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2014年12月号掲載)