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タイル張りのマンションの大規模修繕周期は何年?(2015年6月号掲載)


 私共のマンションは築12年目ですが、外壁仕上がタイル張りのため、汚れも目立たなく、ひび割れ等もあまり見られず、タイルの剥がれも見られません。大規模修繕工事は通常12年毎に行うのが一般的と耳にしますが、タイル張りマンションも同じなのでしょうか?



 大規模修繕工事の周期は、一般的に10〜15年とされ、12年周期で行っている事例が多いように思えます。
 ところで、マンションの外壁仕上は大きく分けると塗装仕上とタイル仕上に分かれます。塗装に比べタイルは磁器のため風雨や紫外線などによる表面の劣化は余り進行しません。そのため修繕周期を塗装仕上のマンションより長くて良いのではないかという考えを持ってしまいます。
 大規模修繕工事は外壁の劣化だけではなくバルコニーや開放廊下の床防水、屋根防水、鉄部の塗装、各種金物、シーリングなどの劣化を総合的に見て修繕時期を決める事が必要です。タイルの状態が良くてもシーリングや床防水が劣化していると雨漏りの危険性があります。また、タイルは外見上健全でも打検すると接着不良で浮きが見られることが多く、放置すると落下事故につながります。塗装仕上よりもタイル仕上の方が全体の劣化状況が判別しにくいため慎重な判断が必要です。
 また、3年毎に実施しなければならない特殊建築物定期調査報告(実施義務を付さない地方自治体もある)で、平成20年からタイル張り外壁は、新築又は外壁改修から10年を経て最初に行う特殊建築物定期調査の際には全面打検義務が付されています。
 3年毎の特殊建築物定期調査の実施年度は地方自治体により決められており、例えば東京都の場合は次回の定期調査実施年度は平成28年です。平成17年に外壁修繕を行ったマンションは10年を経た平成27年以降の最初の特殊建築物定期調査は平成28年となります。よって前回の外壁修繕から11年目に全面打検が必要になります。
 外壁タイルの全面打検には高額なゴンドラや足場が必要になるため、特殊建築物定期調査の際に大規模修繕を実施した方が費用的に得策という判断も考えられ、この場合には11年目に大規模修繕を行う事になります。
 これらの諸条件を考慮して大規模修繕時期を決めるには専門家に相談することが望まれます。

回答者:NPO日住協協力技術者 一級建築士 山田 俊二
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2015年6月号掲載)