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修繕委員会の活用・必要性/継続を維持するための引き継ぎを(2015年10月号掲載)


 築35年目のマンションで、はじめて理事長を務めることとなりました。今まで管理組合のことにあまり関心が無いまま過ごしてきましたが、理事長になりマンション内外を点検して廻ってみたり、長期修繕計画に目を通してみたりしてみました。そうするといろいろ修繕をしなければならないと思われることや、長期修繕計画の内容にもよく判らないことがありました。前期の理事にこれらのことを問い合わせたところ、ほとんど状況を認識していなく、納得いく回答が得られませんでした。これらの問題をどのように対応すべきなのでしょうか?



 理事の交代の際には、新旧理事での引継ぎが行われますが、十分引き継がれないケースが多々見られます。
 理事は1〜2年交代のため自分が理事であった期間の事は良く把握していますが、前期理事からの引継ぎ事項は曖昧となり、更にそれ以前のことはほとんど把握されていないのが実情です。このため、引継ぐ毎に情報が希薄になっていくことになります。
 後は過去の議事録頼りとなります。議事録も文章から確認出来ることには限度があり、修繕歴・管理組合活動歴が混沌としてしまう事となってしまいます。
 この問題の解決策は修繕委員会の常設やコンサルタントへの年間コンサルティング依頼です。
 修繕委員会のメンバーはマンションの維持に関心の高い人が多く、ほぼ同じメンバーが招集の度に参加し、長期修繕計画作成や主立った修繕工事に関わっているケースがほとんどです。よって前期理事との引継ぎの際には修繕委員も招集し参加してもらう事が望まれます。修繕委員会は理事会の諮問機関であることから、時の理事会が招集をかけなければ発足できません。
 理事会の考えで修繕委員会を招集されない場合には、その年度の履歴が空白になってしまうことも散見されます。このような事を避けるため修繕委員会は常設(毎年度修繕委員を招集する事を規約化する)することも必要です。
 この修繕委員会が無い管理組合では、修繕設計の専門家に年間コンサルティングを依頼する方法もありますが、修繕委員会を発足する事がより継続性が保たれると思います。
 以上のことから、新理事になり、色々気になる点があっても、長期修繕計画で修繕時期や修繕内容を想定している可能性がありますので、修繕委員会を招集し確認することが必要です。

回答者:NPO日住協協力技術者 一級建築士 山田 俊二
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2015年10月号掲載)