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施工会社選定ヒアリングのポイントは?(2016年12月号掲載)


 大規模修繕工事で複数社から工事見積書を提出してもらい、その中から3社ほど選定し、委員会及び担当理事でヒアリングをすることになりました。
 見積金額のみで施工会社を決めては組合員への選定理由の説明にならないので、ヒアリング内容も加味したいと考えています。ヒアリングでの選定ポイントはどのようなところにあるのでしょうか?



 施工会社選定のためのヒアリングには、以下の準備が必要です。
(1)管理組合側の出席者を決める(理事長・大規模修繕担当理事・修繕委員・設計コンサルタント)
(2)施工会社からはヒアリングに見積担当者・現場代理人予定者・営業担当者・最終金額決定権者の出席を依頼する。
(3)ヒアリング時に「改修工事の実績・仮設・品質・安全・防犯・アフターサービス計画」を盛り込んだプレゼン資料を用意してもらいプレゼンしてもらう。
(4)1社60〜75分位のヒアリング時間を見込み、出席者紹介・会社のPR・プレゼンテーション・プレゼンへの質疑回答・現場代理人予定者への質疑回答・最終金額の交渉までの時間割を決める。また、前後の施工会社の入替に15〜20分の入替・小休憩時間を確保する。
 プレゼン内容は各社似かよった内容だが、「設計仕様書の記載内容が反映されているか」「監督員の仮設・品質・安全・防犯管理の役割分担や管理方法が明確か」「品質検査は現場監督員以外に会社の品質管理課の担当者がどの程度行うか」「居住者の生活を配慮した仮設計画か」などの確認が必要です。
 プレゼン内容は机上で知恵を出し合い作成するのでそつが無く差異は少ないのですが、最も重要なのは現場代理人予定者の資質です。
 現場代理人の工事実績(分譲マンションの元請工事での現場代理人の経験数・年数)、コミュニケーション力(居住者と一番接触が多く工事推進役ですので、居住者とのコミュニケーションはもとより職人への指示が明確に出来る事が必要)、建築及び修繕の知識(修繕の技術は新築では馴染みの少ない技術が多く新築現場しか経験が無いと職人へお任せになってしまう)、人柄(饒舌でてきぱきしていても、居住者のための対応や良い工事をしようする姿勢を決定づけるのは人柄です)を確認する事が大切です。
 これらを確認するには設計コンサルタントの助力は欠かせませんが、建築や修繕に門外漢の理事・委員でも多くの人生経験から人を見る目は育っていますので、それを生かすことも重要です。

回答者:NPO日住協協力技術者 一級建築士 山田 俊二
(集合住宅管理新聞「アメニティ」2016年12月号掲載)