植栽&環境整備

みどりのある風景(2)<モミジ>

 モミジ「紅葉」はカエデ科カエデ属の落葉高木で、なかでもイロハモミジは秋の紅葉の代表種として知られています。春の新葉も明るくて美しいことでも知られ、300種以上の園芸品種を誇っています。植物分類上ではカエデとモミジの区別はしません。植物学的にはモミジもカエデも「カエデ」ですが、園芸上や盆栽の世界では葉の切れこみ数、切れこみ具合によって明確に区別しています。葉が五つ以上に切れ込んで掌状のものをモミジと呼び、それ以外の切れ込みが浅いものをカエデと呼んでいます。さてこのモミジ、皆さんの団地では傷んでいませんか?

モミジ

 落葉樹の大半は、葉を落としている間は休眠期間中です。この期間に剪定をしても木を傷めることはありませんが、カエデとモミジは例外です。
 カエデやモミジは「早寝早起きの木」といわれ、葉を落として眠りについても直ぐに目を覚まし、年を越すとすでに樹液の流動が始まります。このときに枝を切ると切り口から水を吹き出し、また切り口が腐りやすいので木が極端に衰弱してしまいます。ですから落葉直後が剪定適期で、この期を逃した場合は休眠期間があける春先まで待ちましょう。
 (都市緑化機構・造園新領域開発共同研究会 マンションのみどり研究部会)



(2012年11月号掲載)

みどりのある風景(1)<ケヤキ>

 ケヤキ「欅」はニレ科ケヤキ属の落葉高木で、扇状、放射状に枝が広がる美しい樹形が特徴で、その語源は「けやけき(美しい)木」に由来すると言われています。
 9月になっても強い日差しの日が続きますが、広場や通りなどに大きな木陰をつくったり、木立を抜ける爽やかな風を提供してくれるケヤキは、今の時期に無くてはならない樹木といえるでしょう。また、並木状に植栽して通りの美しい景観をつくったり、シンボルツリーや緑地を構成する樹木として植栽され、どこの団地でも目にすることができる親しみやすい樹木です。
 そして、冬になって落葉した後の樹形も美しく、イルミネーションを着けたケヤキの美しさも格別です。


 このように、どこの団地にも植栽され、一年を通して親しみやすく、美しいケヤキですが、建物に近すぎると住戸の日当たりや風通しを悪くして、快適で健康的な生活をおくることが難しくなってきます。上の階や離れた場所から眺めるには美しいですが、1階や2階にお住まいの方にとっては昼間でも電気をつけたり、洗濯物が乾かなかったりと切実な問題が発生します。
 大きく生長した樹木は、見栄えは良くても、生活に切実な問題を引き起こすことがあるので、困っている人の気持ちも理解して、剪定したり、時には間引いたりすることが重要です。(都市緑化機構・造園新領域開発共同研究会 マンションのみどり研究部会)



(2012年9月号掲載)