植栽&環境整備

みどりのある風景(13)<ナナカマド>

 ナナカマド(七竈)は、バラ科の落葉高木で深紅に染まる紅葉や果実が美しく、秋を象徴する樹木の一つです。本来は高山性の植物ですが、平地でも問題なく育ち、北海道や東北地方では街路樹としてよく植えられています。




 名前の由来ですが、木炭の原木としても活用されるくらい材質が硬く、「七度竈(かまど)にくべても燃え切らずに残る」「炭にするには七度焼かなければならない」等、諸説あります。
 高さは7〜10mほどにもなり、夏には白い花を咲かせ、秋頃に結実する実は鳥たちが喜んで啄むほか、果実酒にも利用されます。
 お手入れとしては、自然樹形が最も適しているので、できるだけ自然に近い樹形を維持できるように剪定して下さい。剪定は落葉してから行いますが、枝の傷口がふさがりにくい性質なので、太い枝を切った場合は切り口から病原菌が入らないよう、癒合剤などを塗って下さい。なお、比較的丈夫な樹木ですが、平地や暖地では病害虫がつく場合があるので、定期的に薬剤散布をして予防することをおすすめします。病気はうどんこ病、害虫はアブラムシやカミキリムシの幼虫などの発生が見られます。
 植栽適期は剪定と同じ落葉時期ですが、中高木になると活着が難しく、枯れる場合があるので、あまりおすすめできません。
 同じバラ科でニワナナカマドという落葉低木がありますが、近縁種でもなく、紅葉もきれいな実も付けません。


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 「みどりのある風景」を連載している(公財)都市緑化機構のマンションのみどり研究部会では、平成19年に発行した「マンションのみどりQ&A」の改訂版を作成しています。
 管理組合の皆様の緑の管理についての疑問や困っていることに専門家がお答えします。この機会を是非、活用ください。
質問はアメニティ編集部(FAX03−3667−1808又はe-mail : info@mansion.co.jp)で受付けています。

 (都市緑化機構・造園新領域開発共同研究会 マンションのみどり研究部会)



(2014年12月号掲載)

みどりのある風景(12)<クロガネモチ>

 クロガネモチは、関東より南の比較的温暖な地域に分布する常緑高木です。寒さには少し弱いですが、潮風や大気汚染に耐性があり、団地や公園、街路樹などに使われています。また、火災を防ぐために家の周りに植えた「火かぶせ木」のひとつでもあります。生長が遅いものの樹形は自然に整いやすく、樹高は10〜15m程になり、どっしりとした樹形は風格があります。葉は卵形で濃緑色、やや厚くて革のような質感があり、表面はツヤツヤとした光沢があります。




 名前は、葉の根元の葉柄と新しい幼枝が紫黒色を帯びること、葉が乾くと黒鉄(くろがね)色になるモチノキの仲間ということに由来します。また、名前に「カネモチ」という言葉が入っていることから、縁起木としても好まれています。  花は5月〜6月に淡い紫色がかった小さなものであまり目立ちませんが、花後に5ミリほどの果実をたくさん付け、秋になると真っ赤に熟します。たくさんの真っ赤な実をつけた姿は非常に美しく、冬までその姿を楽しむことができます。なお、クロガネモチはオスの木とメスの木があり、オスの木には花は咲いても実はならず、メスの木も近くにオスの木がないと結実しません。  秋も近づき、散歩するにもちょうど良い季節となりました。赤い実を鈴なりにつけたクロガネモチを探しに出かけてみませんか?


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(2014年10月号掲載)

みどりのある風景(11)<アメリカザイフリボク>

 「ジュン・ブライト」と言えば「6月の花嫁」、同じような響きを持つ名前の花木があります。「ジュン・ベリー」とも呼ばれるアメリカザイフリボクはバラ科、ザイフリボク属の落葉小高木広葉樹です。原産地は北アメリカ北東部、樹高は6〜7mに成長、我国でも庭園樹や街路樹、公園樹として植栽されています。ザイフリボクの名前の由来は、花が咲き風に吹かれる姿が、戦国武将の指揮官が戦の際に手に持ち振った「采配」に似ていることに由来します。




 春の3月下旬から4月上旬、新葉が出るか出ないかの時に5弁の白い細長い花を木全体に咲かせます。その後結実して6月頃に赤色から濃赤紫色に実が熟し、観賞だけでなく、甘酸っぱい実は食用にもなり、生食されたり果実酒、ジャムを作ったりもされます。
 ジュン・ベリー「6月の果実」の名前は、この6月に美しい実が熟し収穫できる事に由来しているのでしょう。秋の黄葉や紅葉も美しく、四季折々一年を通して楽しめる花木です。
 日本の本州・四国・九州の山地にも同科同属のシデザクラとも呼ばれるザイフリボクが自生しています。こちらはアメリカザイフリボクに比べて花も実も小さく、実は秋、9月から10月頃に熟しますが、特に食用にはなりません。

 (都市緑化機構・造園新領域開発共同研究会 マンションのみどり研究部会)



(2014年5月号掲載)

みどりのある風景(10)<ハナカイドウ>

 ハナカイドウはバラ科、リンゴ属の落葉樹で春にはリンゴ属特有のきれいな花を咲かせます。漢字では「海棠」と書き、別名は「睡花」と言います。これは、中国唐の玄宗皇帝が楊貴妃の酔後の姿を賞し「海棠の眠りまだ足らずか」といった故事により、佳人の容姿を例える時に使われるようになったということです。




 ハナカイドウの花は、長めの花柄を伸ばして紅色の花芽が樹木全体を覆い、垂れ下がるように咲きます。花芽が開くと薄紅色になり、ほとんどは八重咲きで一部に一重が混じり、半開きに咲く上品で可憐な花です。単木でも列植でも見栄えのする木ですが、日当たりを好み半日陰では花のつきが極端に悪くなります。剪定をしないでおくと花付きが悪くなり、剪定も切り方を間違えるとほとんど咲かなくなります。八重が多く、実はあまり成らないため、花の咲かないハナカイドウはあまりにもかわいそう、花だけが命です。
 日本には江戸時代に中国から入ってきており、今では北海道南部から九州の各地で栽培されております。明治以降はカイドウといえばハナカイドウを指すようになりましたが、江戸時代まではミ(実)カイドウを指したようです。ちなみに、八代将軍の吉宗が本所の羅漢寺に植えたものはミカイドウだったようです。
 ミカイドウの花は薄紅色の一重で平開します、10〜20mm位のしっかりした実をつけて熟すと緑から黄色に変わり食用に出来ます。あまり美味しいものではありませんが…。


 (都市緑化機構・造園新領域開発共同研究会 マンションのみどり研究部会)



(2014年4月号掲載)

みどりのある風景(9)<メタセコイア>

 メタセコイアはスギ科の落葉性の針葉樹で、秋には橙赤色に紅葉し、生長すると樹高が30mを超えるものもあります。和名ではアケボノスギと名付けられています。



 メタセコイアは新生代第三紀(6500万年前〜200万年前)に栄えていた植物で、日本でも300万年から100万年前頃まではたくさん自生していたようです。近年、化石しか発見されていなかったため、絶滅種とされていましたが、1946年に中国の四川省で現存種が発見され「生きた化石」として一躍有名になりました。
 そして、1949年に種子から育苗していたアメリカの博士から天皇に献呈されたものが日本に入ってメタセコイア第1号になり、その翌年には100本の苗木がアメリカから送られ、それらの木から挿し木された苗が日本各地に広がり、学校等に移植されて今日に至っています。
 また、樹勢が旺盛で耐寒性にも富んでおり、移植にも強く、生長が早いことから比較的育てやすく、手入れも殆ど必要ありません。空に向かって幹が真っすぐに生長し、美しい円錐形の樹形となる特性を活かしてランドマークやシンボル樹木として植栽されたり、並木状に列植されることが多い樹木です。
 今の季節は落葉した樹形が美しく、春にはやわらかな新緑、秋には紅葉も美しく、一年を通して四季折々の美しさを楽しめます。広い空間を確保することができるなら記念樹としてもお勧めの樹木です。

 (都市緑化機構・造園新領域開発共同研究会 マンションのみどり研究部会)



(2014年2月号掲載)

みどりのある風景(8)<ドイツトウヒ>

 ドイツトウヒはヨーロッパ原産のマツ科の常緑針葉樹で円錐形をした高木です。針葉樹はチクチクした葉が特徴的ですね。ドイツにある黒の森(シェバルツバルド)はドイツトウヒを植林してできた森です。



 中世以前から北ヨーロッパで冬に緑で茂っているドイツトウヒやモミの枝に造花やお菓子、小物、リンゴを飾りつけていました。農耕儀式の一つでしたが、キリスト教に取り込まれ、クリスマスツリーとして世界に広がったと言われています。寒い冬でも青々と茂っている枝葉は、生命力の現れとも言われています。日本には明治中期に伝来し、今ではクリスマスツリーとしてモミとともに人気があります。
 また、細長い球果(松ぼっくり)は世界のトウヒ属の中でもっとも長く、長さ10cmから20cmにもなります。ヨーロッパでは柱時計の錘に球果がモチーフとされるなど、生活に馴染み深い木として親しまれています。
 ドイツトウヒは成長が比較的早く、20mを超える大木になるため十分なスペースが必要です。大規模な団地、マンションでは広場などのシンボルツリーとしても人気があります。また、葉が密で丈夫なため、防風林や防雪林にも適しています。
 クリスマスもすぐそこ。これからの季節、イルミネーションで飾られたドイツトウヒやモミを楽しそうに眺める笑顔が町に溢れそうですね。

 (都市緑化機構・造園新領域開発共同研究会 マンションのみどり研究部会)



(2013年12月号掲載)

みどりのある風景(7)<イチョウ>

 イチョウは中国原産の落葉高木であり、雌雄異株(オスとメスがあり)で雌(メス)の木に銀杏(ぎんなん)がなります。名前の由来は、葉の形をアヒルの足に見立てた中国語「鴨脚(イアチァオ)」が転化したというのが通説になっています。日本語では「公孫樹」と表記しています。

イチョウ

 室町時代から日本各地で植えられるようになり、公園やお寺にも植えられている他、公害や病虫害にも強いことから街路樹としても多く利用され、日本で最も本数の多い樹種といわれています。
 団地の中では広場のシンボルツリーや並木状に植えられ、特徴的な風景を作りだしています。秋には黄色く黄葉して、団地の風景を彩ります。
 イチョウは長寿であり、成長するとかなりの大木となって陽当たりを妨げたり、強剪定によってせっかくの樹形が損なわることがあるので、建物との関係や樹形に注意しながら剪定することが、イチョウの美しい樹形を楽しむコツです。
 また、イチョウの葉や実には薬用効果のある成分が含まれる反面、アレルギー反応を引き起こす成分も含まれており、利用する際は十分な注意が必要です。また、イチョウの材は油分を含んでいるため水はけがよく、歪みが出にくいため、碁盤や将棋盤、カウンターの天板などに利用され、イチョウのまな板は高級品とされています。

 (都市緑化機構・造園新領域開発共同研究会 マンションのみどり研究部会)



(2013年10月号掲載)

みどりのある風景(6)<サルスベリ>

 サルスベリは名前の由来にもなっているスベスベとした幹肌が特徴的なミソハギ科の落葉中高木です。中国原産で江戸時代に日本に伝来したと言われています。実際には名前のように猿が滑り落ちるということはありませんが、その幹肌を見れば「なるほど」と思うほど、スベスベとしています。



 また百日紅(ヒャクジツコウ)という別名もあり、こちらは花が長く咲き続けることに由来し、暑さきびしい夏に約3ヶ月以上咲き続けます。
 サルスベリは植栽スペースが十分に確保されている大規模な団地では、クスノキやケヤキといった大型の樹木に比べると存在感が薄いかもしれません。しかし、狭い空間や大きくなる樹木を植えにくい場所では、幹肌に特徴あるサルスベリは十分な存在感があります。さらに花の少ない夏季に花を咲かせ、緑一色になりがちな団地やマンションに鮮やかな赤やピンク、白といった彩りを添えてくれます。
 梅雨が明け、暑さが本格的になる頃から花を咲かせるサルスベリは、暑さ厳しい夏に一服の清涼感を与えてくれます。緑陰を探す人の目にとまることは少ないかもしれませんが、暑さに負けず長い期間花を咲かせてくれるサルスベリの花を見つけてみませんか?


 (都市緑化機構・造園新領域開発共同研究会 マンションのみどり研究部会)



(2013年8月号掲載)

みどりのある風景(5)<ハナミズキ>

 ハナミズキは北アメリカ原産の落葉樹で、その名前はミズキの仲間で花が目立つことに由来します。  日本で広まったきっかけは、1912年に当時の東京市長であった尾崎行雄がワシントンDCへ6040本の桜(ソメイヨシノ)を贈ったことへのお礼として、1915年にハナミズキの白花種(原種)の苗木40本、1917年にはピンクの苗木12本が送られたことによります。

ピンクのハナミズキ

 第二次世界大戦中は、「敵国から贈られた木」として、そのほとんどが伐採されてしまいましたが、東京都立園芸高校や東京大学小石川植物園などに戦争の難を逃れた数本が、大木となって今でも生育しています。  アメリカから贈られたということで「アメリカハナミズキ」と呼ぶ人もいますが、日本に生育し花も似ている「ヤマボウシ」と近縁種なので別名は「アメリカヤマボウシ」が正解です。花が空に向かって咲くので、上から眺めるととてもきれいです。また、公園樹や街路樹として植栽されているように乾燥や寒さにも強く、非常に丈夫な樹種であり、樹形も比較的乱れません。秋には葉が紅葉するとともに赤い実をつけます。剪定を行う場合は花が終わり新しい花芽がつく前の7月位が良いでしょう。夏の高温時には「アメリカシロヒトリ」が発生する場合があるので、見つけたら被害が広がる前に除去して下さい。


白のハナミズキ

 (都市緑化機構・造園新領域開発共同研究会 マンションのみどり研究部会)



(2013年6月号掲載)

みどりのある風景(4)<サクラ>

 サクラといえば、ソメイヨシノ(染井吉野)を指すということが多いと思います。皆さんのお住まいの所や近所にも、必ずと言って良いほど、ソメイヨシノが植えられていると思います。  ソメイヨシノは栽培種であり、原種であるエドヒガンとオオシマザクラの交配種であることが知られています。最近では、DNAの解析が進み、交配種であることが遺伝子レベルでも確認されています。葉が出る前に花を咲かせるのはエドヒガン(江戸彼岸)の性質で、花が大きく立派なのはオオシマザクラ(大島桜)の性質を引き継いだものです。ソメイヨシノは接木(つぎき)で増殖され、全て兄弟(姉妹)のクローン(遺伝子組成を同じくする生物集団)です。いっせいに開花するので、気温の上昇に伴い桜前線にも利用されているという訳です。



 ちなみに、「ソメイヨシノ50年説」ということが俗説?として広がっています。確かに古いソメイヨシノは傷ついて可愛そうな状態のものが多くあります。のびのびと育っているのを見ることはまれではないでしょうか。「昔は花もたくさんつけてきれいだった」というお話を伺うこともありますが、本当に50年が「寿命」なのでしょうか?  具合の良くないサクラ(ソメイヨシノ)は、生育している場所が狭かったり、建物や隣の木と近すぎたりして、のびのびと育っていません。生長が早い木なので、大きくなって枝が邪魔になった結果、剪定をして大きな傷が残り、そこから腐朽が入り、具合が悪くなったりします。また、周辺の舗装をやり直したり、配管工事などで掘り返したりして根を傷めていることもあります。50年が寿命なのではなく、50年の間に傷めてきたことが原因であることが往々にしてあります。最近はソメイヨシノは生命力があり、再生能力が強い木なのではないかとも言われて来ています。  条件が許せば、サクラが健全に生育できる環境を整えることが、思い出の樹として将来に渡って次世代に引き継いで行くことにつながると思います。
 (都市緑化機構・造園新領域開発共同研究会 マンションのみどり研究部会)



(2013年4月号掲載)

みどりのある風景(3)<ツバキ>

 ツバキ(椿)は古くから庭木として親しまれてきた日本原産の常緑樹です。光沢のある濃い緑の葉をもち、花の少ないこの時期に大輪の花を咲かせ、人々の目を楽しませてくれます。日本では室町時代より茶室に生ける花(茶花)として鑑賞され、江戸時代には沢山の品種が作られました。皆さんの団地でもそろそろ咲き始めているのではないでしょうか?
 さてこのツバキ、昆虫の少ないこの時期に花を咲かせるので、鳥に受粉を担ってもらいます。『鳥媒花』といいます。ツバキを観察しているとメジロの番いが甘い蜜を求めてひょっこりやって来るかもしれません。

ツバキ

 ところでみなさん、同じツバキ科のサザンカとの違いはご存知でしょうか? ツバキとサザンカは兄弟みたいな関係でよく似ていますが、一般的にそれぞれ次のような判りやすい特徴があります。ツバキは花全体がポトリと落ちるのに対して、サザンカは花びらが一枚ずつバラバラに落ちます。この特徴ゆえにツバキは「花の落ち方が死を連想させるので見舞いの時には持っていかない」、「落馬のイメージがあるので競走馬や競技馬の名前にはツバキを避ける」等といわれています。
 このような負のイメージも持つツバキですが、一気にポトリと落ちるその散り際は昨今の世の中では珍しいほどの潔さを感じます。皆さんはどう思われますか?
 (都市緑化機構・造園新領域開発共同研究会 マンションのみどり研究部会)



(2013年2月号掲載)

みどりのある風景(2)<モミジ>

 モミジ「紅葉」はカエデ科カエデ属の落葉高木で、なかでもイロハモミジは秋の紅葉の代表種として知られています。春の新葉も明るくて美しいことでも知られ、300種以上の園芸品種を誇っています。植物分類上ではカエデとモミジの区別はしません。植物学的にはモミジもカエデも「カエデ」ですが、園芸上や盆栽の世界では葉の切れこみ数、切れこみ具合によって明確に区別しています。葉が五つ以上に切れ込んで掌状のものをモミジと呼び、それ以外の切れ込みが浅いものをカエデと呼んでいます。さてこのモミジ、皆さんの団地では傷んでいませんか?

モミジ

 落葉樹の大半は、葉を落としている間は休眠期間中です。この期間に剪定をしても木を傷めることはありませんが、カエデとモミジは例外です。
 カエデやモミジは「早寝早起きの木」といわれ、葉を落として眠りについても直ぐに目を覚まし、年を越すとすでに樹液の流動が始まります。このときに枝を切ると切り口から水を吹き出し、また切り口が腐りやすいので木が極端に衰弱してしまいます。ですから落葉直後が剪定適期で、この期を逃した場合は休眠期間があける春先まで待ちましょう。
 (都市緑化機構・造園新領域開発共同研究会 マンションのみどり研究部会)



(2012年11月号掲載)

みどりのある風景(1)<ケヤキ>

 ケヤキ「欅」はニレ科ケヤキ属の落葉高木で、扇状、放射状に枝が広がる美しい樹形が特徴で、その語源は「けやけき(美しい)木」に由来すると言われています。
 9月になっても強い日差しの日が続きますが、広場や通りなどに大きな木陰をつくったり、木立を抜ける爽やかな風を提供してくれるケヤキは、今の時期に無くてはならない樹木といえるでしょう。また、並木状に植栽して通りの美しい景観をつくったり、シンボルツリーや緑地を構成する樹木として植栽され、どこの団地でも目にすることができる親しみやすい樹木です。
 そして、冬になって落葉した後の樹形も美しく、イルミネーションを着けたケヤキの美しさも格別です。



 このように、どこの団地にも植栽され、一年を通して親しみやすく、美しいケヤキですが、建物に近すぎると住戸の日当たりや風通しを悪くして、快適で健康的な生活をおくることが難しくなってきます。上の階や離れた場所から眺めるには美しいですが、1階や2階にお住まいの方にとっては昼間でも電気をつけたり、洗濯物が乾かなかったりと切実な問題が発生します。
 大きく生長した樹木は、見栄えは良くても、生活に切実な問題を引き起こすことがあるので、困っている人の気持ちも理解して、剪定したり、時には間引いたりすることが重要です。(都市緑化機構・造園新領域開発共同研究会 マンションのみどり研究部会)



(2012年9月号掲載)