植栽&環境整備

誰にでもわかる緑のQ&A(11)


Q.「雪による被害を防ぐには?」








 暖冬と言いながらも、都市部では一度雪が降ると電車や道路等の交通網をはじめ、日常生活にも多くの支障や被害が発生します。1月の降雪では、降雪時間が短かったものの、湿った雪に強い風が加わり、集合住宅や公園の樹木にも大きな被害が発生しました。
 樹木の枝や葉に雪が積もると、その重さを支えきれず幹が割けたり、枝が折れたりします。最悪の場合、根こそぎ倒れることもあります。折れた枝や倒れた樹木の下に通行人がいたり、自動車があると二次被害が拡大・深刻化します。境界沿いの樹木に被害が発生した場合は、電線を切ったり、道路を塞いでしまうこともあります。
 これらの被害を発生する樹木は、クスノキなど冬でも葉をつけている常緑樹や大木化したり老木化したサクラやケヤキ等に発生することが多いようです。集合住宅の樹木や街路樹などは、狭い植栽桝の中で十分に根を張ることができず健全育成が阻害されたり、管理費が追いつかずに大木化した結果、被害が発生することも多いようです。
 では、このような被害を少しでも抑えるにはどうしたらよいでしょうか?代表的な対応の一つ目として、春から夏にかけて、葉の付きが悪い枝を探して取り除くことが考えられます。夏に葉をつけていない枝は枯れている可能性が高く、雪の重さだけでなく強風で折れる可能性もあります。二つ目は、樹冠を大きくしないよう剪定したり、枝を透かして雪の重みを軽減することです。既に大きくなった樹木が沢山ある場合は、敷地境界から張出した枝や通行の多い場所、駐車場周りの樹木を剪定したり、撤去することでリスクを軽減します。三つ目は、植栽管理会社や樹木医に依頼して、大木化した樹木の根の腐朽や幹の空洞化を早期に発見し、倒木防止の対応を図ることです。
 これらは、雪の降る前だけでなく、日頃の点検や管理を通して対応することが可能なものばかりです。計画的に行うことで費用や被害の軽減を図り、雪による樹木のリスクを軽減することに繋がります。


(都市緑化機構 造園新領域開発共同研究会 マンションみどりの研究部会)

(2016年2月号掲載)

誰にでもわかる緑のQ&A(10)


Q.「落ち葉を有効活用するには」








 秋も深まり、紅葉がひと段落して落ち葉が増える時期となりました。今の時期の落ち葉と言えばケヤキやサクラ、イチョウにモミジなど、春から秋にかけて新緑や花、紅葉を楽しませてくれた落葉樹木の葉がメインです。
 しかし、落ち葉のシーズンになると毎日の落ち葉掃きに追われ、日常の清掃まで手が回らなくなるなど、落ち葉対策に頭を悩ませ、いっそのこと落ち葉の原因となる樹木を切ってしまおうか?と考える方もいらっしゃるかもしれません。
 ケヤキなどの大木は、真夏の強い日差しを遮って木陰を作ったり、地表面の温度上昇を抑えると共に、冬には葉っぱを落として住戸や地上に光が入るようにするなど、天然の環境調整装置として重要な働きをしてくれます。一年を通して、私たちの生活にかかすことのできない樹木たちを迷惑がらず、また落ち葉を掃いて捨てるだけでなく、花壇の土づくりや樹木の養分補充のために「落ち葉堆肥」を作って活用してはいかがでしょうか?今回は、落ち葉堆肥の簡単な作り方の一例をご紹介します。


■落ち葉堆肥の作り方

 なるべく丈夫なビニール袋やポリ袋に、落ち葉を足で踏み締めながら、ぎゅうぎゅうに詰め込んでください。足を使って袋いっぱいに詰め込むことで袋内の保温性が良くなると同時に、葉に傷がつくことで堆肥化が進みやすくなります。袋が葉っぱでいっぱいになったら、発酵を促進する米ぬかを混ぜ、水をたっぷりとかけて、落ち葉に水を吸わせた後、袋を逆さまにして余計な水分を抜いて軽く口を縛ってください。その後2〜3か月ごとに袋内の葉を上下入れ替えてください。1年程で堆肥ができあがります。なお、ケヤキやクヌギ等は落ち葉堆肥として適していますが、もともと水分が多かったり、樹脂分が多く含まれていて腐りにくいイチョウやサクラ、カキなどは落ち葉堆肥としては適していないようです。落ち葉堆肥を土壌に混ぜることで、通気性や保水性が改善され、植物の根の成長が良くなり、生育が活発になります。来年も新緑や花を一層楽しめるよう、手作りの落ち葉堆肥づくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

(都市緑化機構 造園新領域開発共同研究会 マンションみどりの研究部会)

(2015年12月号掲載)

誰にでもわかる緑のQ&A(9)


Q.「樹木による事故やトラブルを防ぐには?」








 樹木は新緑や開花、秋の紅葉など、日々の生活に季節の変化を感じさせてくれる一方、樹木が原因の事故やトラブルも引き起こします。例えば、枯枝の落下や倒木、下枝との接触による事故、虫害による健康被害、根上りによる舗装の凸凹発生などです。
 枯れ枝の落下による事故では枝下を歩いていた人が大けがをしたり、時には命を落とすことがあります。枯れ枝の落下は元気な樹木でも発生しますので、定期的な枯れ枝の調査や除去が必要です。倒木は根の切断や腐朽(きのこの発生など)によるものと、幹の空洞化により強風などで折れてしまうものがあります。これらを発見次第、早期の樹木医などによる診断と適切な対応が事故を未然に防ぐことに繋がります。
 自転車に乗った人やトラック、歩行者の顔や肩が下枝にぶつかって事故や怪我を引き起こすことがあります。一般道と違い大事故になることは少ないですが、適宜、支障枝の剪定が重要です。虫害はチャドクガやイラガのようにかぶれや痛みを伴って人体に被害を与えるものや、モンクロシャシホコなどのように葉の食害や糞による被害などがあります。これら虫害の発生や被害に気づいたら造園会社などに連絡して早期の薬剤散布や害虫の除去といった対応が重要となります。また、樹木の成長とともに根も成長して舗装を下から押し上げることがあります。この押上げによる凸凹で歩行者や自転車がつまづき、転倒する事故も発生します。舗装の補修が必要となりますが、問題を起こしている根を切除するか否かについては、枯損や倒木に繋がることがあるので、専門家の意見を聞いて対応するようにしてください。
 これらの事故やトラブルは、適期の手入れや巡回、居住者からの情報提供などでかなり回避することができます。緑の管理は人任せでなく、居住者の皆様と造園会社の連携が何よりも大切になると思います。


(都市緑化機構 造園新領域開発共同研究会 マンションみどりの研究部会)

(2015年11月号掲載)

誰にでもわかる緑のQ&A(8)


Q.「毎年紅葉の美しさが違うのはなぜ?」








 紅葉シーズンになると天気予報やニュース番組などで報じられる「紅葉前線」をご存知でしょうか。日本各地の紅葉が見頃を迎える時期を知らせてくれる紅葉前線は、南から北へ進む春のサクラ前線とは反対に、9月中旬頃に北海道の大雪山周辺から始まり、徐々に南下して進みます。最低気温8℃以下の日が続くと紅葉が始まり、通常20〜25日後に見頃を迎えます。


■紅葉し、落葉する原因

 モミジやイチョウなどの落葉樹は、厳しい冬を生き残るために、秋になって気温が下がると、葉への水分の供給や糖分の生産を停止させ、葉を緑色にしている葉緑素(クロロフィル)を壊します。これにより本来の緑色が失われ、黄色や赤色に色付きます。そして、気温が下がり、根から水分を吸い上げる力が弱くなった落葉樹は、冬期の水分蒸散を防ぐために、老化した葉を落として水分収支のバランスを図ります。


■色付きが違う理由

 同じ場所に植えられた同じ樹木でも、紅葉の色合いが美しい年もあれば、良くない年もあります。また、市街地と比べると、山間部や渓谷の方が圧倒的に美しく色付きます。なぜ、色合いが違ってくるのでしょうか。
 モミジなどが美しく紅葉するために主に3つ条件があります。昼と夜に十分な寒暖の差があること、天気が良く日光をよく受けること、適度な湿度があることです。つまり、紅葉の良し悪しはその年の天候に左右されるのです。特に重要な条件は寒暖の差で、これが山間部や渓谷に紅葉の美しい名所が多い主な理由です。逆に市街地では、寒暖の差が小さかったり、日当たりが悪かったりするので、名所と同様の美しい紅葉を見ることが難しくなります。  さて、今年は紅葉の『当たり年』となるのでしょうか?


(都市緑化機構 造園新領域開発共同研究会 マンションみどりの研究部会)

(2015年9月号掲載)

誰にでもわかる緑のQ&A(7)


Q.「台風による緑の事故や被害を防ぐには?」








 緑は日々の生活に安らぎや潤い・癒しを与え、良好な住環境の形成や美観の向上などに結びつく、かけがえのない財産です。
 その一方、台風などの大風による倒木や幹折れ、枝折れは、大きな事故や被害を引き起こすことがあります。緑の健全性を維持したり、台風来襲前の応急対応や通過後の適切な処置によって、これらを未然に防いだり、軽減をはかることができます。


■定期的な管理による対応

 緑の定期的な管理の中で、生育状況や枯れ・腐朽・食害孔などの健全度の状況、支柱などの保護材の異常や不具合の情報を把握し、適切な判断・処置をとることによって、事故や被害発生の予防につなげます。
 台風シーズン前に、春からの成長で混み合った枝を整理したり、他の樹木を被圧する枝を透かして、樹冠を軽くする夏期剪定も重要な予防管理となります。造園会社などの専門家による適切な点検と対応がポイントとなります。


■台風来襲前

 台風の規模やコースなどの情報を収集すると共に巡回点検を行い、これまでの管理情報と合わせて、加害性のある樹木や被害を受けやすい樹木への支柱設置や補強など、必要な応急対応を実施したり、造園会社などと連携を図って待機体制を構築することも重要です。


■台風来襲時から通過後

 台風来襲時の作業は極力避け、二次災害に作業者や関係者が巻き込まれないよう、十分に安全に配慮した行動をとることも忘れてはなりません。台風が通過して危険が回避されたら、倒木や傾木・枝折れ・幹折れ・枝葉の飛散などの状況を確認し、日常生活への危険度や影響度から優先順位を決めて、適切な判断のもと作業を進めます。また、海に近い地域は塩分を含んだ風による塩害を防ぐため、早々に塩分除去の水洗いを実施することも必要です。
(都市緑化機構 造園新領域開発共同研究会 マンションみどりの研究部会)

(2015年8月号掲載)

誰にでもわかる緑のQ&A(6)


Q.「水やりのコツは?」








 「水やり3年」という言葉を聞いた事があるでしょうか?水やりは一見簡単そうに見えても、季節や天気、土、樹木の種類や大きさを考え、適切に行えるようになるには、3年はかかると言われます。しかしコツを覚えれば、かなり簡単に水やりをできるようになります。水やりのコツや注意点をお伝えしましょう。


■水はたっぷりとあげましょう

 毎日、水をあげているのに枯れてしまったという話を聞くことがあります。水のあげ過ぎで根腐れをおこす場合もありますが、多くの場合、水を少ししかあげていないため、根の先端まで水が到達していないことが原因です。地中深くまで水が届くように時間をかけて水やりをする必要があります。「あげすぎたかな?」と思うぐらいあげてください。


■「水やりを控えめに」の意味するところ

 夏が過ぎ、涼しくなってきたら水やりを控えめにするようにと言われます。普通に考えると水量を減らせばよいのかな?と思いますが、水やりの基本は「たっぷり」です。「控えめ」とは水やりの間隔を空けることを意味し、毎日の水やりを3日に1回とか1週間に1回にすることです。


■水切れのサインを覚えよう

 水が切れると葉が萎れて下を向いたり、丸まったりします。葉のハリも無くなってきます。そんな状態になったら、早めの水やりが必要です。慣れてくると水切れの初期サインに気づき、タイミング良く水やりをできるようになります。
 よほどの悪条件に植えられている場合は別ですが、毎日水をあげることは控えましょう。毎日水があるということは、根を伸ばさなくても水を得ることができるため、根が十分に広がらず、急激な乾燥や強風に耐える力が弱くなってしまいます。かわいがって水やりをして弱くするのではなく、根がしっかりと張った強い樹木となることを願って水やりをしてください。
(都市緑化機構 造園新領域開発共同研究会 マンションみどりの研究部会)

(2015年7月号掲載)

誰にでもわかる緑のQ&A(5)


Q.「樹木にキノコがついているのですが?」








 元気そうに見えていたケヤキやサクラが突然倒れて、危機一髪、大事故をまぬがれた、というニュースを見ることがあります。なぜ、元気そうに見えていた樹木が突然、倒れるのでしょうか?実は、これらの樹木の根元にはキノコが発生している場合が多くあります。なぜ、キノコが発生した樹木が倒れてしまうのでしょうか?


■キノコはなぜ発生するのか?

 「キノコ」は一般的に菌類が繁殖するための組織(胞子を生産して飛散させる生殖器官)のことをいい、植物でいえば花にあたります。樹木にキノコがついているということは、木材を腐らせる菌(木材腐朽菌)が既に樹木内部に侵入して腐らせていることを意味します。


■代表的なキノコ

 「コフキタケ」=サクラを始めとする多くの広葉樹に発生し、腐朽が進行すると幹が空洞化して、幹折れが発生しやすくなります。  「ベッコウタケ」=ケヤキやサクラ類等の広葉樹に発生し、腐朽が進行すると根株がスポンジ状になり、樹木が倒れたり、樹勢が衰えて枯死に至ることがあります。


■樹木にキノコがついていたら?

 キノコをそのまま放置しておくと倒木や幹折れ・落枝を引き起こす危険性があります。特にキノコがついた樹木が人通りの多い場所や遊び場、駐車場などに生育している場合、甚大な被害を及ぼす可能性があります。ケヤキやサクラをはじめ、大木にキノコが発生しているのを見つけたら、専門的な判断ができる造園業者や樹木医などに相談し、早期に対策を講じることをお勧めします。
(都市緑化機構 造園新領域開発共同研究会 マンションみどりの研究部会)


(2015年6月号掲載)

誰にでもわかる緑のQ&A(4)


Q.「樹木がべとべとしているのですが?」








 「新芽の季節になると、木の幹や枝、葉がべとべとして、地面も黒くなってしまいます…」という相談を受けることがあります。これは害虫による被害と思われます。害虫にはいろいろな種類がありますが、大きく分けて、植物の葉や茎、幹を食い荒す食害性の害虫と植物の汁を吸う吸汁性の害虫に分けられます。そして、べとべとの原因は吸汁性の害虫「アブラムシ」によるものが多いと思われます。


■アブラムシとは?

 アブラムシは体長2〜3mm位の小さな虫で、ケヤキやサクラ、バラ、ウメ等をはじめ、様々な樹木や草花等に群生し、新芽やつぼみ、葉の裏、茎、幹等から栄養分を吸ってしまいます。指でつぶすと名前の通り、油のようなねばねばした液体が出てきます。冒頭のべとべとは、アブラムシの甘い分泌物(排泄物)で、放っておくとカビが発生してスス病(葉が黒い粉を被ったようになる病気)やカビ系の病気を誘発し、植物を弱らせてしまいます。また繁殖力が旺盛なので、発見次第、早期に対応(駆除)することが樹木を健全に保つポイントとなります。また、アブラムシの甘い分泌物はアリの大好物です。木を登っていくアリがアブラムシ発生の目印にもなります。


■アブラムシの駆除

 何といっても、見つけたら即退治が一番です。身近な方法は牛乳を噴霧して、牛乳が乾いたときに出来る膜で窒息死させる方法があります。
 また、ホームセンター等で木酢や専用の薬剤を販売しているので、取扱い説明書に従い、人体に影響のないよう散布してください。
 大きな樹木や手の届かないところに発生した場合は、造園会社に連絡して駆除してもらうと良いでしょう。
 エンジン付きの噴霧機等で手早く、安全に駆除してもらえます。
(都市緑化機構 造園新領域開発共同研究会 マンションみどりの研究部会)


(2015年5月号掲載)

誰にでもわかる緑のQ&A(3)


Q.「彩りを楽しめるようにするには?」








 生活の中で新緑・開花・紅葉・結実といった木々の彩りを楽しむことは「季節を愛で、屋外に出る楽しみやきっかけが増える」ことにも繋がります。しかしながら、「花つきが悪い、花が咲かないのだが…」といった相談をうけることが多々あります。


■花つきが悪い、花が咲かない原因

 (1)土の力が落ちている…何年も肥料を与えていないため、蕾をつけたり、花を咲かせるための養分が足らず、土の力が落ちている場合があります。春の活動期前(休眠期)や開花後に肥料をあげてみましょう。
 (2)日当たりが悪い…高木の枝葉が生い茂って影をつくり、下にある樹木や草花を覆っている場合があります。影をつくっている高木の剪定をお勧めします。
 (3)間違った剪定をしている…花芽を持った枝を剪定してしまったり、ツツジ等の植え込みで花後の刈込み時に開花時期の遅いものも一緒に刈込んでしまい、せっかくの花芽を落としてしまうことがあります。
 (4)気候にあわない…もともと温暖な気候を好む種類の為、寒いところが苦手で花芽が越冬できない樹種があります。気候にあった樹種に植え替えることをお勧めします。
 また、問題を解決できない場合は専門家(造園会社や樹木医)に相談して、的確な判断をしてもらうこともお勧めいたします。


■彩りを楽しむコツ

 「今日、○○の花が咲いた」「今年は○○の花つきが良い(悪い)」などの木々の気づきや変化を管理組合でつけている日誌などにお書き添えいただくと良いでしょう。問題が発生した際の原因究明の一助となるとともに、記録をつけることで木々への関心や愛情も深まります。ひとしおの彩りを楽しむことに繋がることでしょう。
(都市緑化機構 造園新領域開発共同研究会 マンションみどりの研究部会)

(2015年4月号掲載)

誰にでもわかる緑のQ&A(2)


Q.「芝生を元気に育てるには?」








 芝生を元気に育てるには、経年変化による生育環境の改善を怠らないことが大事です。生育環境を改善することで、芝生は驚くほど元気になります。


■日照環境の改善

 大きく生長した高木の枝葉に、すっぽりと覆われた芝生地を見かけます。芝生を元気に育てる上で日照はとても重要です。枝葉に覆われて日当たりの悪くなった芝生は、徐々に衰退するとともに、日陰でも育つ雑草にも覆われてしまいます。  そこで、高木の枝葉を切詰めて、充分な日照を芝生に与えることが必要となりますが、切詰剪定は枝を途中で切り除くため、良好な樹形を損なう可能性があります。樹木を優先するのか芝生を優先するのかの判断が必要となります。


■目土入れ

 目土入れとは、春先の萌芽期に芝生地の表面に薄く土をかける作業のことをいいます。発芽や発根を促進するとともに、凸凹になってしまった地面に雨水が溜まることを防ぎます。  また、地面が平らになることで、芝刈りを容易にします。


■エアレーション

 エアレーションとは、年月を経て締固まってしまった土の通気性を改善するために、芝生地に穴を開ける作業です。土の通気性が衰えると土中の酸素が不足すると共に、根の促進を阻害します。また、雨水が土中に浸透せず、地表面に溜まってしまうため、芝生の生長にも良くありません。穴を開けることで、根に空気を与えて活性化させる効果もあります。  芝生地の用途に応じた目標を持ち、芝生の変化を気に掛けて、青々とした元気な芝生を育ててみて下さい。
(都市緑化機構 造園新領域開発共同研究会 マンションみどりの研究部会)


(2015年3月号掲載)

誰にでもわかる緑のQ&A(1)


Q.「樹木が枯れてしまうのですが…」








 「何回も樹木を植え替えているのですが、すぐに枯れてしまいます…」という相談を受けることがあります。樹木には、生育に必要な条件や生育に適していない環境があります。これらを忘れて樹木を植えてしまうと、何回植え替えても、枯れてしまうことになります。


■生育に必要な条件

 まず、「日当たりが良いこと」「雨がかりがあること」があげられます。樹木は生育するために太陽光をもとに光合成をします。しかし、建物の中庭や建物の北側など、昼間でも日光が当たらない場所では光合成をすることができないため、樹勢が衰え、枯れてしまいます。また、バルコニーの下や建物の間など、雨がかかりにくい場所では、よっぽどこまめに水やりをしない限り、土壌が乾燥して生育に必要な水分を得ることができず、枯れてしまいます。


■生育に適していない環境

 土壌が硬い場所があげられます。水はけが悪くなって根腐れをおこしたり、根を十分に張ることができない環境です。一見、問題がなさそうな植栽地でも、建物を建てる際に地盤を締固めてしまったため、水はけの悪い層(不透水層)ができて根が腐り、枯れてしまいます。また、土壌が硬かったり、根を張るスペースが小さいと、地中で十分に根を張ることができず、樹勢が弱って枯れてしまいます。雨後に水が溜まっていたり、根が地表面に出てきたりしている場合、土壌が硬くなっていることが考えられます。
 他にも、風の強い場所や風の通り道では、新芽が傷んだり、過度の水分蒸散、樹木が揺さぶられて細かい根が切れることで、樹勢が弱っていきます。
 言われてみれば、当たり前のような話ですが、実際にはこのような原因で樹木が枯れることが多くあります。まずは、樹木の植えてある場所を観察し、生育に必要な条件が揃っているか、生育に適さない環境に植えていないかを確認してみてください。
(都市緑化機構 造園新領域開発共同研究会 マンションみどりの研究部会)
 ※緑についての質問がありましたらアメニティ編集室(FAX03ー3667ー1808)までお寄せください。

(2015年2月号掲載)