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行方不明の組合員への招集通知の発送は?共有名義の夫婦が離婚した場合は? (2008年11月号掲載)


管理組合の理事長をしています。総会の招集通知を送る準備をしていますが、201号室に住んでいたAさんが1年前から行方不明です。電気やガスも止められており、人が居住している形跡もありません。
 招集通知はどこに送れば良いのでしょうか?




区分所有法35条3項は「招集通知は、区分所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときはその場所に、これを通知しなかったときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所にあててすれば足りる」と規定しています。
本件では Aさんが従前に通知を受ける場所を届け出ていれば(住んでいた201号室を指定して届け出ていることが普通だと思いますが)、その場所に通知書を送れば良いことになります。
また、仮にAさんがこの届出をしていない場合は、Aさんが所有している専有部分に送付すれば足ります。本件では201号室に宛てて普通郵便で送れば良いことになります。では、通知が届かないで郵便局から差し戻されてしまっても通知は有効なのでしょうか。
この場合でも区分所有法35条3項は「通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす」と規定していますので、通知は有効となります。 Aさんがどこに住んでいるかについて調査する義務は理事長や管理組合にはありません。
301号室はBさんとCさんご夫婦の共有名義になっています。BさんとCさんは夫婦仲が悪くCさんは実家に戻ってしまったそうです。この場合は招集通知はBさんに出せば良いのですか。Cさんにも通知する必要がありますか?
区分所有法40条は「専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は議決権を行使すべき者1人を定めなければならない」と規定し、35条2項で「専有部分が数人の共有に属するときは、通知は第40条の規定により定められた議決権を行使すべき者(その者がいないときは、共有者の1人)にすれば足りる」と規定しています。総会の通知は議決権行使の前提となるものですから、法律は議決権者だけに通知すれば良いとしたものです。
本件ではBさんとCさんの間で議決権者を定めていれば、その者に通知を送ることになります。
BさんとCさんとの間で議決権行使者を定めていなければ、共有者のうちのどちらかに通知をすれば足ります。そしてこの場合はA1に記載したとおり、通知を受ける場所を届け出ていればその場所に、届出がなければ専有部分(本件では301号室)に宛てて送付すれば足ります。もし、議決権行使者がCと定められており、更にCさんから届出場所を実家に変更するように届出がされていればCさんの実家に送付する必要があります。他方で議決権行使者がBさんと定められているときに、Cさんから通知をCの実家に変更して欲しいとの届出があっても、招集通知は議決権行使者であるBさん宛てに送付しなければなりません。



回答者:法律相談会 専門相談員 弁護士・石川貴康
(2008年11月号掲載)