マンション緑地の管理とリニューアル

8.管理の軽減を目的としたリニューアル

マンションの外部空間に植栽された樹木が健全に生育するためには、定期的な管理が必要となります。剪定・刈込、病害虫防除、除草といった年間を通しての管理を軽減するためにはどのようなリニューアルが必要なのか。管理の軽減を目的としたリニューアルのポイントをお話します。

◆間引き

枝が切り落とされて棒状となった樹木や、幹の上部がばっさり切断されて見るも無残な樹木を、築10〜15年を経過したマンションでよく見かけます。おそらく樹木が大きくなりすぎて、やむを得ず取った処置なのでしょう。このような場合には、思い切って既存の樹木の間引きを行うというのは如何でしょうか。  間引きとは、密生する部分の一部を引き抜いたり切ったりして、間隔をあけることをいいます。思い切った間引きをしても、新築当初より樹木も生長しているため、みどりのボリュームは変わらないのではないでしょうか。また、間引きを行うことにより、病気・害虫の発生を抑えることができます。病気・害虫は風通しの悪いところに発生しやすいためです。風通しを良くすることで、薬剤散布の頻度を抑えることが可能です。

◆樹形と植栽箇所

樹木は樹種毎に様々な特徴を持っています。その中でも樹形はリニューアル後の管理に大きな影響を及ぼします。比較的横方向に生長する樹種(例えばサクラ)を住棟脇に植栽すれば、枝はまもなく住棟に接してしまいます。また、比較的縦方向に生長する樹種(例えばスギ、ポプラ)を南側に植栽すれば、日照を妨げ、幹の上部を伐採という事態になりかねません。樹形を考慮し植栽箇所を決定すれば、このような無駄な剪定・枝下し作業はなくなります。


きれいな芝生地ですが管理は大変

◆裸地と除草

最も労力を要し費用の掛かる作業が抜根除草です。根から雑草を引き抜く作業は機械にはできません。この厄介な雑草を防ぐには、リニューアル時に裸地部分を作らず、最低30cm程度の高さのツツジ等の低木で植え潰す植栽計画をお勧めします(1u当り6本〜8本程度の植栽が適当でしょう)。これにより日照が地面まで届かなくなるため、雑草の生育を防ぎ、しかも手入れ(刈込み)は年1回程度で十分です。このことは芝生地にも言えることです。芝生の抜根除草に掛かる費用はかなりのものです。本当にその場所に芝生地が必要か、再考してみるのも良いでしょう。

◆植物は生長し続けます

管理費も年々上昇することでしょう。「リニューアル費用」と「リニューアル後の長期的な管理費用」を比較し、トータルの管理費の削減が見込めるのであれば、是非みどりのリニューアルについて検討してみて下さい。樹木のためにも伐る勇気と残す覚悟が大事です。  マンションの樹木はそこの住人の品格を示すものかもしれません。なぜなら、樹木は住人と暮らしてきた生き証人だからです。。


低木で植え潰せば雑草は生えない

((財)都市緑化技術開発機構造園新領域開発共同研究会ソフト技術研究部会)http://www.greentech.or.jp/

集合住宅管理新聞「アメニティ」299号(2007年8月)掲載