過去事例(外壁等)

改良工事も実施した1回目の大規模修繕工事/リーベスト東中山ステーションフロント(千葉・船橋市)

 本号で紹介するのは、築14年目の第1回目の大規模修繕工事において、幾つかの改良工事も併せて実施した事例です。


1、建物概要

 2000年に竣工した「リーベスト東中山ステーションフロント」は、5つの建物がエキスパンション・ジョイントで繋がった、総住戸数191戸のマンションである。過去には、鉄部塗装工事、屋上防水の保護塗装工事を実施している。


2、管理組合の取組み

 日住協の会員となっていた管理組合では、大規模修繕支援制度のサービスを活用し、大規模修繕工事の計画を進めていった。設計事務所の選定後、建築士による建物調査と平行し、全区分所有者へのアンケートを行い、不具合と改善要望箇所の把握に努めた。工事の範囲や予算を検討していく過程では、工事計画説明会を実施するとともに、多数の住戸を所有する法人オーナーがいることも考慮し、将来の長期修繕計画も検討していった。その後、公募方式により工事会社の選定を進め、昨年5月の通常総会で工事の実施が承認された。


3、工事概要

 今回の工事では、通常の1回目の大規模修繕工事で実施する工事項目(躯体改修、タイル不具合部補修、外壁・鉄部塗装、防水改修)の他、工事の費用と要望のバランスを考慮し、以下の改良工事も実施した。
 ○外部階段入口段差解消=4カ所ある外部階段1階入口部における床の段差をスロープ化で解消
 ○エントランスまわり改修=車椅子での通り抜けが困難だった出入口扉の交換、降雨時に滑りやすい御影石貼床面の防滑処理、段差のあったインターロッキング舗装路面の全面改修
 ○歩道舗装面の調査・改修=マンション北側の傾斜地に面した敷地内歩道の舗装部にひび割れが見られ、地滑りの疑いがあったことから、簡易のボーリング調査(写真)を行い、一部路盤を改良
 ○インターホン改修=故障が多発していたインターホン設備を、カラー液晶モニター及び録画機能の付いた親機と、画素数を増したカメラ付の玄関子機に全戸交換
 ○玄関扉改修工事(オプション工事)=一部住戸の玄関扉において、太陽光の熱等による扉本体の不具合(ハニカムコアによる扉芯材と表面板材の剥離=写真)が見られたことから、希望住戸のみ、カバー工法(ランバーコア、より厚い表面板を採用)による改修を実施
 ※なお玄関扉の改修にあたっては、共用部である扉の改修工事を使用者(所有者)個人の希望と負担にて実施可能とするため、管理規約の改正案を併せて総会へ上程し、承認を得ている。


   

 歩道路盤の簡易ボーリング調査            


4、工事期間中の検討・対応

 工事は2014年8月末に着工し、期間中は施工会社が3名の監督員を現場に常駐させ、工事の品質や工程の管理、居住者への対応にあたった。管理組合・日住協・施工会社・設計事務所の4者による打合せは、月2回の頻度で実施し、足場設置後に判明した不具合に対する協議や、仕様の変更や追加工事実施の可否、現場事務所に寄せられた問い合わせや要望の対応などを検討した。
 工事前の調査結果に基づいたタイル不具合部の補修想定数量に対し、実際の工事必要数量が少なかったことや、震災で破損したエキスパンション・ジョイント金物の取替工事において、施工会社によるVE案(同機能かつ安価な代替案)を採用したこと等から、予備費を支出せずに幾つかの追加工事を実施することができた。
 多種にわたる工事を実施した現場ではあったが、関係各位の協力により、工事は予定通り1月末に完了した。



   

 不具合のあった玄関扉内部(ハニカムコア)              



   

 リーベスト東中山ステーションフロント              


「設計・監理=一級建築士事務所水白建築設計室、施工=建装工業株式会社」


(2015年3月号掲載)