過去事例(外壁等)

80年マンションを見据え快適な住環境を維持する大規模修繕を実施

 平成28年1月、築48年を迎えた千葉市「I団地(27棟、768戸 25,400坪)管理組合の臨時総会が開催され、築80年マンションを目標に、緑豊かで広々とした住環境の団地を終の棲家とするために、窓サッシ・玄関扉も最新機能を備えたもので更新する大規模修繕工事の実施が決議されました。
 この工事は、工期を平成28年3月から12月迄の10ヶ月間、工事費総額は約11億円。ただし、6億円を住宅金融支援機構から借入れる資金計画案と同時に
〇借入金の完済まで毎月の修繕積立金の値上げ、一時金の徴収はしない。
〇次の大規模修繕工事まで、予定の修繕工事は計画通り実施し、必要な臨時の支出に備え、最低1億円以上の手元資金を確保する。
〇本工事は専有部分への立ち入りが多い。独居高齢者や高齢者だけの世帯が100世帯を超える当団地では、工事を円滑に進め完遂するには、これ等世帯の方々のベランダや室内の整理、工事の障害となる物品の移動時に手助けが必要と考え、支援隊(ボランティア組織)を編成して支援を行う。
 ことを提案し承認されました。
 これにより、適時適切な修繕と改修で快適な住環境を永く維持し、次の世代に引き継いで行くことになりました。

【夢見た建替え計画の取組】

 団地再生へ舵を切るまでには、建替えに挑戦した幾多の経験があります。
 昭和43年5月誕生から僅か20年で壊して、超高層マンションに再建する建替え問題が浮上し、以来12年の歳月をかけて建替え問題に取組み、その合意形成に苦闘した歴史を振り返ってみたい。

(第一ステージ)
●平成2年5月通常総会で 768戸全員合意による任意建替えを目指し、専有面積の1.5倍を無償で等価交換する「建替え推進決議」案が提示され、93%の賛成で採択された。
〇建替え問題推進委員会が発足し、大手ゼネコン・不動産会社・設計事務所の3社をアドバイザーとして「基本計画素案」が作成された。このころから株価暴落、地価が下降、バブルは終焉に向かう。
●平成7年8月臨時総会で「建替え事業基本計画」(無償で等価交換する専有面積を1.5倍から1.2倍に下方修正した)を賛成96%で承認する。
〇ところが、計画を提示したデベロッパーがわずか3ヵ月後にバブル崩壊による事業の激変で一時中断の申入れをして来た。住民は、これを11月の臨時総会で撤退と判断し、拒否した。これをもって土地神話に寄り掛かった建替え計画は白紙となった。

(第二ステージ)
 本来であれば、この頃には第2回目の大規模修繕工事が実施されていなければならなかったが、ここで本格的な工事に踏み切れば、建替えは確実に遠ざかってしまう恐れから、修繕には手がつけられなかった。
 そこで全員合意の建替えから区分所有法第62条による「法定建替え」(全体及び棟毎に80%以上)方式に変えて再び挑戦することになった、
平成12年「建替え決議集会」に平均250万円負担で同等の専有面積が確保できる案が上程された。結果全体では賛成82%であったが、棟別では27棟の内8棟が80%に届かず不成立となった。
 これにより、足掛け12年に亘る建替え計画への挑戦は終止符が打たれた。
(管理組合理事長 久保田 博)(つづく)




                  



                  

設計・監理=NPO法人住管センター
窓サッシ・玄関扉更新工事=YKK AP(株)
大規模修繕工事=(株)ラクシー


(2017年1月号掲載)