過去事例(外壁等)

≪大規模修繕工事≫ウッドデッキを一時撤去して改修/Gティマンション(神奈川県)

(有)八生設計事務所 鈴木和弘


1.建物概要

 Gシティマンションは、湘南モノレールの富士見町駅から徒歩8分の住宅地に位置する分譲マンションです。
 建物は2005年竣工、鉄筋コンクリート造の9階建で、建物の形状はコの字形で開放廊下タイプです。外壁は、意匠性の高い塗装(マジックコート)とタイル張りを組み合わせた仕上げとなっており、デザイン性に優れた外観のマンションです。


2.大規模修繕工事実施までの経緯

 管理組合では理事会の諮問機関として修繕委員会を設け、大規模修繕工事の計画を進めました。設計事務所選定後は、理事会と修繕委員会のメンバーで計9回の打合せを行い、2017年の2月から建物調査、工事内容の検討、施工会社の選定と進めて行き、2017年12月の臨時総会で大規模修繕工事実施の承認を得ました。
 また、今回の工事はNPO日住協の大規模修繕工事支援制度サービスを利用しており、設計事務所の選定から工事の計画、工事の完了まで日住協の支援を受けながら進められました。


3.工事内容

 工事内容の検討では、長期的なメンテナンスコストを抑えるため、工事において足場が必要なく劣化も大きく進んでいなかった屋根防水、開放廊下床、屋外階段床は全面改修ではなく、部分補修としました。外壁については、タイル面は浮き・割れタイルの補修、塗装面はコンクリート躯体劣化部の補修後、意匠性(塗り壁調の仕上げ)を維持したまま汚れが付きにくい低汚染性能を付加した塗料による塗り替えを行いました。
 また、本マンションの特長として、1階テラス及び2階から上のバルコニーは、全ての住戸にウッドデッキが新築時から設置されています。2階から上のバルコニーのウッドデッキは、バルコニー床面の防滑塩ビシート張りの上に置かれているため、床面の防水改修時には、ウッドデッキの脱着が必要な状況でした。今回の工事では、ウッドデッキを一時撤去し、バルコニー床面の防水改修後にウッドデッキを復旧することにし、ウッドデッキ下のバルコニー床面は、防滑塩ビシートよりメンテナンスがしやすいウレタン塗膜防水に変更しました。ウッドデッキは、セランガンバツという耐久性の高いハードウッドで比較的良好な状態であったため、腐食・破損・変形が見られるもののみ取り替えた上で、全面を再塗装して復旧する仕様としました。ウッドデッキを一時撤去した際の保管場所については、当初敷地外の空地を借りる予定でしたが、施工会社から足場材で棚を作り一時保管するコスト削減の提案があり、採用しました。


4.工事中の対応

 工事は2018年の3月1日から約4ヶ月の工期で行われました。工事においては、外壁タイルのサンプル焼きによる色合わせを数回行ったことで、工事初期に遅れが発生しましたが、その後の下地補修・塗装・防水は比較的順調に工事を進める事が出来ました。工事終盤のウッドデッキの塗装においては、バルコニー内という限られたスペースの中で塗装・組み立てを行う必要があったため、想定以上に時間がかかってしまいましたが、当初の工期の約1ヶ月遅れで、一部工事を残して監理者の完了検査までたどり着くことができました。外壁タイル補修はサンプル焼きを数回行い色・模様を近づけることができたため、補修跡が余り目立たず、新築時のデザイン性に優れた外観を損なわない補修ができたと思います。
 最後に、工事中の様々な検討事項に対して理事会・修繕委員会のメンバーの方々に対応していただいたこと、タイル補修などによる騒音・振動の発生に対する居住者の工事への理解と協力のおかげで、無事に工事を進めることができ、感謝申し上げる次第です。また、残工事の対応や竣工図書の引渡しがまだ残っておりますので、最後まで気を引き締めて対応していく所存です。


ウッドデッキ
 ウッドデッキ
外観
 外観


設計・監理=(有)八生設計事務所
施工=建設塗装工業(株)


(2018年9月号掲載)