改修工事情報

マンションを知ろう

 現在お住まいのマンション、永く住まうためにはメンテナンスが必要だということは理解されているでしょう。色々なメディアから色々な情報が入る時代ですが、単純にマンションを知ってみようと企画してみました。下記の内容で順次掲載していきたいと思っています。

1 マンションの構造
構造の種類、鉄筋コンクリートの性質、耐久性、遮音性、断熱性、その他
2  マンションの設備
仕様、更新性、消防、防災、新メディアへの対応
3  工事の品質管理
仕様、監理、ISO、住宅品質確保促進法
4  劣化と寿命
種類と原因、程度と影響
5  建物診断
診断と評価、改修方針、概算費用
6  改修設計
改修目的、設計、数量積算、工事契約
7  長期修繕計画
長期修繕計画、管理費、維持保全計画


7 長期修繕計画

 マンションでは住民の皆さんで建物を共同使用しています。自分たちの建物を長期間快適に使用する為には、維持管理が必要です。その為には費用が発生し、修繕内容によっては莫大な費用となることもあります。
 効率よく建物の老朽化、機能低下を防ぐ為に、何時頃、どんな改修を行いその費用はどのくらいか、将来を見通し、修繕積立金を決定する必要があります。

1 計画の目的

  1. 建物の共有意識の確認
  2. 計画的な修繕積立金の確保
  3. 建物の効率的な維持管理

2 計画内容

  1. 修繕項目の確認
  2. 修繕方法、仕様の検討
  3. 修繕サイクルの検討
  4. 修繕コストの策定
*修繕項目の見落としがないよう充分検討する
*修繕サイクルは環境、修繕仕様等に影響される
*修繕サイクルの違う工事も、足場を組む時期に合わせるとコストダウンになる

3 運用方法

  1. 長期修繕計画は目安であり、実施の際には調整が必要
  2. 経年による劣化は予測であり、変動に対応する必要がある
  3. 社会状況、科学・技術の進歩、経済変動等に順応する
*以上の事から概ね5年毎に見直しが必要です

4 その他

 世間一般的に、各部位の劣化の目安は有りますが、建物によって違いが有ります。(立地条件、仕様、日常の維持管理の違いによる)
 実際にその部位に問題が無ければ、修繕する必要はありません。
 アスファルト本防水の押さえコンクリート仕様の場合は、劣化の進行は遅く15年〜20年経っても問題の無い場合もあります。但し、笠木や立ち上がり部分の納まりに、早期に不具合が生じる場合がある為その部分については修繕が必要です。
 つまり長期修繕計画に則り、修繕時期が近づいたら調査を行い修繕内容を調整することとなります。


6 改修設計

 建物診断の結果から改修の必要性が認められた場合には、建物所有者、管理者は改修の基本計画を立てる事となります。改修に至るまでの建物使用状況、その間の各種情報等を盛り込んで改修目標を定め、目標の達成と原因の解消が目的となります。改修の場合新築と違って色々な制約条件があります。建物所有者、管理者は適切な設計者を選定し、改修設計を委託することが肝要だと考えられます。

1 基本計画

 基本計画では、改修の目的、範囲、耐用年数、資金計画、時期、工期等検討します。

○ 改修目的

  1. 劣化の回復・・・・当面の劣化状況を回復する(ひび割れ、仕上げ材改修等)
  2. 機能性能の向上・・現状の性能より良くする(断熱性能、インターネット対応、等)
  3. 初期性能への復元・新築時の性能まで復元する

○ 改修範囲(改修目的により範囲は変わります)

  1. 外壁関係(塗装、シール含む)
  2. 屋根・防水
  3. 設備配管・機器

○ 耐用年数(改修目的により年数は変わります)

 長期修繕計画に係わります。
  1. 使用材料による違い(吹付けタイルとタイル・モルタルと塩ビシート・アルミと鉄等)
  2. 仕様による違い(露出防水と保護防水・ウレタン防水の仕様・吹付けタイルの仕様等)
  3. 耐震補強
  4. 設備機器等の更新

○ 資金計画

  1. 改修工事費用概算
  2. 修繕積立金(積み立て額、一時金の徴収の可能性)
  3. 改修資金融資(公庫、銀行)

○ 工事時期・工期

  1. 修繕積立金の額により工事時期を遅らせたり、部分工事とする可能性の検討
  2. 防水工事等ある場合、梅雨前に終わらせるのは工程管理上良い方法です
  3. 生活しながらの工事となる為、工期や各工程毎の工事内容は周知する

2 改修設計

 改修基本計画に基づき改修範囲や仕様を決めて、設計図書を作成し、数量積算をする事により、施工品質の確保が可能になります。勿論監理者による監理も必要です。

○ 改修設計図書

  1. 特記仕様書
  2. 仕上げ表
  3. 平面図・立面図・詳細図・劣化損傷図・その他関係図面
  4. 建築改修工事共通仕様書(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修)

○ 数量積算

  1. 過去の修繕工事の見積書数量を利用可(無い場合もあります)
  2. 改修設計図書から数量積算を行う

○ 工事契約

  1. 相見積り業者の選定(公募もあります)
  2. 相見積り(改修設計図書及び数量積算の金額を抜いたものにより見積りする)
  3. 質疑応答(内容の不明な点についての質疑応答)
  4. 見積書の精査
  5. 業者の決定(条件等再確認)
  6. 工事契約

3 改修設計監理

 改修設計図書の通りに施工されるように監理するもので、発注者と施工者のあいだに立って設計変更等の調整も行います。必ず監理契約をする事をお勧めします。

4 長期修繕計画

 改修工事完了後、引渡し書類の中の保証書等を考慮して、長期修繕計画の改定を行います。


5 建物診断

 建物の運用は安全性、衛生性、機能性等について、建築基準法、消防法、ビル管法、労働基準法、水道法等の法律で、幾つかの技術的最低基準を設けています。
 マンションの場合、区分所有者が組合を組織し、これが建物共用部の運営管理を行ないます。定期的な保守、点検の費用は積算し易いのですが、大規模修繕の費用についてはなかなか難しいところがあります。この為に長期修繕計画が必要で、その為には普段からの維持保全と、建物診断が欠かせません。

維持保全・・・竣工当時の機能、性能を保持する

1 維持保全の種類

2 維持保全の方法・・・予防保全の方が耐用年数が長くなる

3 維持保全の効果

建物診断

1 診断の目的(改修方針、改修目的)

2 診断を行なう動機

3 診断の手順

1)予備調査・・・・・設計図書、修繕記録、建物状態、保守・点検記録等調査
2)本調査

3)診断結果報告書

4)長期修繕計画
 調査項目は「4劣化と寿命」の項目の劣化の種類に対応する。

4 評価

1) 評価の度合い
A:やや劣化は始まっているが、殆ど問題がない(健全)
B:劣化があきらかであるが、まだ健全である(軽度)
C:かなり劣化が進行しており、1〜2年の内に問題が発生する(中度)
D:安全上問題が発生しており、早急の修繕が必要である(重度)

■ 評価は部位毎に行なわれ、表現方法が違う場合があります。

長期修繕計画

 上記の建物診断、評価、改修案に則り、改修時期、内容を想定して工事費用を概算し、修繕積立金の計画を行なう。


4 建物の劣化現象

 鉄筋コンクリートには各種の劣化現象が見受けられます。それらの症状が発生すると直ちに建物が危険になる訳ではありません。劣化の過程があり、最終的に構造体力限界に達して危険状態になる訳です。当然その途中で改修を行ない、劣化の進行を遅らせたり、初期性能に回復させたり、新たな性能を付加させることにより、建物の寿命を延ばし、建物の価値を高める事が可能です。

主な劣化現象

ひび割れ
仕上げ材、コンクリート本体に入るひび割れ
浮き
仕上材(タイル、吹き付けタイル)の浮き、ふくれ
エフロレッセンス
ひび割れ等に雨水が浸透して発生した白色の遊離石灰
鉄筋腐食
ひび割れ、中性化、かぶり不足により鉄筋が錆びる
中性化
コンクリートが空気中の二酸化炭素と反応して中性化していく
シール材劣化
シール材硬化、ひび割れ、隙間等劣化
漏水
防水不良、ひび割れ、シール不良、ジャンカ等からの漏水

劣化の過程

ひび割れ
 ↓ 
中性化
 ↓ 
鉄筋腐食
 ↓ 
爆裂
 ↓ 
耐力低下


劣化度

構造体非構造体
グレード内容グレード内容
改修の必要はない改修の必要はない
部分改修のみで対応部分的に劣化現象が見られる
改修必要広範囲に劣化現象が見られる
改修により回復が可能であるひび割れ幅が0.2mmより大きい
躯体に構造耐力上の問題有り浮き、剥落が見られる

劣化とその影響

中性化

 コンクリートはアルカリ性で鉄筋はその中では錆びません。但し炭酸ガスと反応して、中性化していき、概ね65年で30mmの深さまで中性化します。
(厳密にはコンクリート強度、水セメント比等の要素で変わってくる)
 中性化すると鉄筋は錆び易くなり、爆裂等コンクリートを破壊するようになり結果として構造耐力を弱めることとなります。
 因みにコンクリート内での鉄筋のかぶり厚さは30mm以上とされており、中性化がかぶり厚さだけ進行した時を物理的寿命とする例が多いようです。

ひび割れ

 ひび割れの原因は以下によります。

1 材料、調合に起因するひび割れ
収縮、温度、アルカリ骨材反応、
2 施工に起因するひび割れ
打ち込み、養生、型枠、支柱の存置期間
3 構造(荷重)に起因するひび割れ
地震、長期荷重(たわみ)、不同沈下
4 環境条件に起因するひび割れ
温度環境、中性化、塩害、凍害

 ひび割れからの雨水の浸入により鉄筋を錆びさせたり、中性化を促進させることにより、構造耐力を低下させます。乾燥収縮は概ねコンクリート打設後2年程度で収まります。エフロを伴う物や雨水の浸入の可能性の高い物は早い時期に注入等で補修をする事が必要です。
(一般的に0.2mm以下のひび割れ幅のものは補修しない)

浮き

 タイル、モルタル等仕上材は、接着不良や温度膨張、ひび割れ、地震等の外力の影響を受け、躯体と剥離をする経年劣化が進行します。特にひび割れを伴う浮きは雨水の浸入を含め進行が早くなり、剥落する危険も出てきます。状況により今すぐに危険なものと、そうでない物を判定する為に、定期的な調査を行い、張替え、注入等の補修の計画を立てる必要があるでしょう。  因みに、タイルの付着力は「建築工事標準仕様書」日本建築学会編集によれば4N/平方mm以上で合格とされています。

漏水

 庇、バルコニーのスラブのひび割れは雨水の浸入を招き、躯体内の隙間を通って室内への漏水の原因となります。その位置は必ずしもひび割れ箇所の近くとは限りません。バルコニーの排水溝のひび割れも含め、普段からの観察が必要です。
 庇、バルコニーのスラブのひび割れは、乾燥収縮、温度収縮によるものが殆どで軒裏にエフロを伴って見受けられます。


3 工事の品質管理

建物の品質について

 建物の性能、品質は設計図書に記載されて決まります。施工者はその内容を充分検討して施工しますが、監理者が材質、工法等についてチェックします。その基本になるのが工事共通仕様書(建築、設備、電気)で、内容の一部を特記仕様書で特記しています。又、関係官庁(役所建築課、消防署、水道局、東電)が必要な時期に検査を行い、確認申請書等に照らし合わせて問題が無ければ、検査済証を発行します。

1 仕様書

 建物は設計図書を基に施工されます。設計図書の中に特記仕様書があり、そこには 各工事項目毎に仕様が記載されています。
 例えば、アルミサッシの耐風圧性能、遮音性能、水密性能とか、屋上の防水の性能、 難しいところではコンクリートの強度、セメントの種類、鉄筋の強度、種類、配筋方法等等 建物を建てるのに必要な工事について、使う材料や、工法が記載されています。
 施工者は特記仕様書の記載内容通りに施工し建物を完成する事となります。

工事項目(建築)
  1. 一般共通事項           
  2. 仮設工事           
  3. 土工事          
  4. 地業工事            
  5. 鉄筋工事         
  6. コンクリート工事        
  7. 鉄骨工事
  8. 防水工事
  9. 組石工事
  10. 石工事
  11. タイル工事
  12. 木工事
  13. 屋根工事
  14. 金属工事
  15. 左官工事
  16. 建具工事
  17. 塗装工事
  18. 内装工事
  19. 雑工事
  20. 外構工事
  21. その他工事

工事項目(設備)
  1. 一般共通事項       
  2. 共通工事            
  3. 給水設備         
  4. 給湯設備      
  5. 排水・通気設備
  6. ガス設備
  7. 空調・換気設備
  8. 排水処理設備
  9. 消防設備
  10. 衛生器具設備
  11. 昇降設備

工事項目(電気)
  1. 一般共通事項           
  2. 共通工事            
  3. 幹線、動力設備   
  4. 電灯、コンセント設備
  5. 受変電設備
  6. 消防設備
  7. 避雷針設備
  8. その他工事
  9. 弱電設備(電話、TV、インターホン、有線放送)

2 監理

 建物は規模に応じ規定された資格の建築士により、設計、監理される事となります。設計監理者は、設計図書の通りに施工されるよう指示、助言をし、予定の性能を持った建物が完成するよう、監理します。


住宅の品質確保の促進に関する法律
(鉄筋コンクリート造の共同住宅に関する部分について記す)


 住宅購入者は素人で、住宅の品質について説明を受けてもよく理解できず、実際住んでから問題が発生し気付く事があります。又、問題が発生した時に何処に相談したらよいか、それが瑕疵の場合保証期間が短く無償修繕が出来ない等問題が多く、その為、住宅の性能確保の促進、住宅購入者の利益の保護、住宅に係わる紛争の解決について制定された法律です。

  1. 瑕疵担保責任10年の義務付け(アフターサービスの充実)
  2. 住宅性能表示基準及び評価方法基準(強制ではない)
  3. 住宅紛争処理体制(住宅性能評価が交付された住宅に関する紛争)


● 瑕疵担保責任
 従来1〜2年であった瑕疵担保期間を10年に延ばしました。
(構造、雨水の浸入の防止、地盤等10年間保障期間となります)

● 住宅性能表示項目
 住宅の性能について以下のような項目を設け、等級をつけています。

  1. 構造の安定(地震、風、雪に対する構造躯体の安全性・修復性の程度)
    上記の力に対して、構造計算上の安全性に対する等級
  2. 火災時の安全性(火災時の避難の容易性、延焼の受けにくさの程度)
    火災報知機の設置、耐火性能、プラン上の避難のしやすさに対する等級
  3. 構造体の劣化の軽減(構造躯体の劣化対策の程度)
    コンクリートの性能(水セメント比、スランプ、単位水量、)鉄筋のかぶり厚さの規定
  4. 維持管理への配慮(配管の維持管理への配慮の程度)
    躯体、仕上材に影響を及ぼさずに配管の点検、清掃が出来るか
  5. 温熱環境(断熱、気密による冷暖房負荷の少なさ)
    断熱材の仕様、建具等の気密性能による等級
  6. 空気環境(内装材のホルムアルデヒド放散量の少なさ、換気方法)
    内装材に使用する木質形建材のホルムアルデヒドの放出量に応じた等級
  7. 光、視環境(開口面積の大きさ等)
    住宅の居室における床面積に対する開口面積の割合
  8. 音環境(界床、界壁の遮音対策の程度)・・・強制ではない
    上下階、隣戸間の躯体の厚さによる遮音等級
  9. 高齢者への配慮(バリアフリーに対する配慮)
    部屋の配置、段差、手摺、部屋の大きさ、通路の幅、ELV等による等級

*住宅性能表示そのものは強制ではない。必用に応じて取得すれば良いが、建築コストに 反映される。但し本来の目的である住宅の性能は確保され、問題になった時も処理機構 が調整をしてくれるので安心である。
 最近は住宅性能表示取得して、共同住宅を販売するディベロッパーが有ります。


ISO(国際標準化機構)
 ISO9000シリーズとは、ISOによって1987年に制定された品質管理 及び、品質保証の規格で、製品そのものでなく、組織の品質保証のしくみについて の要求事項を規定した国際規格のことです。他に14000シリーズが有りますが 環境についての規格です。
 ISOの大体の内容は下記のとおりです

  1. 経営の理念を明確にする
  2. 理念に従って品質の方針を決める
  3. 方針実現のための品質マニュアルを作成する
  4. 検査手順や是正手順、品質確認の方法を定める
  5. これらの事を全て文章化して記録する

 ISOのシステムによって出来た製品は(建築物)生産の過程での品質規準や 検査結果など全ての情報が記録される事になり、消費者の側からは一定の品質が 保たれた物であると考える事が出来ます。但し、品質は必ずしも高品質を約束 している物ではない事を頭に入れておいて下さい。
 ISOのシステムは絶えず見直し、外部審査を継続的に行なう事を条件として 国際認証機関の認証を受ける事が出来ます。一度合格すると永久免許になる訳では なく、継続的に更新していくシステムです。又、規格そのものも6年毎に見直しが あり、2000年版が最新のもので94年版に比べて大きく変わりました。主として 製造業を対象とした規格であったものを、金融や医療などサービス業までを視野に 入れた規格に変わりました。もう一つの特徴としては、顧客満足の測定が盛り込まれ ました。つまり不適合が無いというだけではなく、顧客が満足しているかどうかを 測定しなければならなくなったのです。


2 マンションの設備

設備の種類

専有部

 名  称使用箇所機器等
給水設備キッチン、浴室、洗面、便所、洗濯機、散水栓給水管、サヤ管工法
給湯設備キッチン、浴室、洗面、(洗濯機)給湯器、給湯管、サヤ管工法
排水設備キッチン、浴室、洗面、便所、洗濯機ディスポーザー、配水管
換気設備キッチン、浴室、洗面、便所、洗濯機換気扇、乾燥換気扇、24時間換気
ガス設備給湯器、キッチン、ガスコック給湯器、床暖房、追い炊き
電灯、コンセント設備各室100V,200V、契約容量
電話居間、寝室、その他インターネット、CATV
テレビ居間、寝室、その他U,VHF,BS,CS,CATV
インターホン居間TVモニター付、セキュリティー
10温水器電気温水器室、バルコニー設置サーモスタット、深夜電力
11消防設備必用室自動火災報知機、スプリンクラー
  必用バルコニー避難ハッチ、避難ハシゴ、緩降機
  必用室消火器

共用部

 名  称使用箇所機器等
給水設備集会室、管理室、散水栓揚水ポンプ、受水槽、高架水槽
給湯設備集会室、管理室給湯器
排水設備集会室、管理室、ピット各排水ポンプ、浄化槽、各排水槽、舛、配水管
換気設備集会室、管理室、駐車場換気扇、ダクト
空調設備集会室、管理室エアコン
ガス設備集会室、管理室給湯器
電気設備各所照明、その他共用電灯、動力、消防設備、非常用照明
駐車設備タワーパーキング、機械式駐車場モーターその他
昇降機設備エレベーター機械室、昇降路巻き上げ式、油圧式、リニア式
10排煙設備必用室排煙窓、機械排煙
11消防設備建物規模対応屋内消火栓、連結送水管、スプリンクラー
  建物規模対応非常放送、自動火災報知機
  タワーパーキング、機械式駐車場泡消火、二酸化炭素消火、ハロンガス消火
  各消防設備付属消防水槽、補給水槽、各種ポンプ


設備の概要

●給水設備


給水方式

1 高架水槽方式 :
受水槽よりポンプアップして屋上の高架水槽に送り、重力にて給水
高架水槽との高さの差が水圧となる(10Mで1kg/平方cm)
2 加圧給水方式 :
受水槽より加圧ポンプにて加圧給水(戸数に応じ台数制御、インバーター制御)
3 蓄圧給水方式 :
受水槽よりポンプアップして屋上の蓄圧タンクに送り、蓄圧にて給水
高架水槽が設置出来ない場合に使用、耐久性に問題有り
4 増圧給水方式 :
給水本管の圧力をポンプにて増圧して給水(受水槽不要)
一部地域のみ可能、50戸/一棟程度の規模まで

*いずれの場合も水圧調整には、減圧弁を使用し、2kg/平方cm程度にしている。


配管材料

1 鋼管    
SGP
水道用亜鉛メッキ鋼管・・・内面に錆びが付着し易い(古い建物)
SGP-VA
塩ビライニング鋼管(黒管)・・・外面がやや弱い
SGP-VB
塩ビライニング鋼管(亜鉛メッキ鋼管)・・・屋内では良い
SGP-VD
両面塩ビライニング鋼管(黒管)土中、湿気の多い場所に使用
SUS
ステンレス鋼管・・・ジョイント部分の信頼性に問題有り

2 非金属管(サヤ管)
ポリブデン管・・・・耐久性良、管の更新が簡単
架橋ポリエチレン管・・同上

●給湯設備

給湯方式
電気温水器  
高温供給(80度)混合水洗又はサーモスタット使用が良い。圧力弱い
給湯量はタンクの大きさで決まる(360リットル)追い炊き無し
ガス供給地域外。オール電化住宅可
ガス給湯器  
すぐに給湯温度が上がらない。同時使用による圧力低下
給湯量に制限無し。追い炊き可。床暖房可。乾燥換気扇可

配管材料
  1. 被覆銅管
  2. ポリブデン管、架橋ポリエチレン管

●排水設備
排水方式
分流方式   
汚水、雑排水を分けて排水する
合流方式   
汚水、雑排水を縦管にて合流させて排水する


配管材料
VP管      
室内転がし配管、ピット内配管、土中配管
耐火二層管(VP)
室内転がし配管
塩ビライニング鋼管
縦管、ピット内配管
鋳鉄管      
縦管、ピット内配管


排水処理設備
  
浄化槽   
生放流不可の地域は浄化槽を通して排水する
汚水槽   
排水制限、レベル差が有る場合必要
雑排水槽  
排水制限、レベル差が有る場合必要。
ディスポーザー用分解槽
ディスポーザー利用の場合必用
雨水排水槽     
雨水排水制限のある場合

●換気設備

換気方式
第一種換気  
給気、排気とも換気扇で行なう
第二種換気  
給気は換気扇で行い、排気は自然排出させる
第三種換気  
排気は換気扇で行い、給気は自然に流入させる

*マンションでは室の換気は自然換気で窓を開けることによる。但し、浴室、洗面所、便所、キッチン(火気使用室)は換気扇による強制排気となる(第三種換気)
*マンションの共用部では(電気室、ポンプ室、駐車場、集会室、ELV機械室等)夫々の室に応じた換気方式となる。

●消防設備
*消防設備は建物の規模、構造、形態によって設置する種類が決まる。
一般的には、避難ハッチ、屋内消火栓、連結送水管、自動火災報知機、非常用放送防火水槽、である。



1 マンションの構造

構造体の種類

●鉄筋コンクリート造(RC造)
壁式構造壁 
床等板状の面で空間を構成する。単位空間は狭い。低層建物。
純ラーメン構造 
柱、梁のフレームだけで空間を構成する。単位空間は広い。中高層建物。
壁式ラーメン構造 
壁式とラーメンの組み合わせ。単位空間は広い。中高層建物
ハイRC 
高強度コンクリート使用のRCラーメン造。超高層。

●鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
純ラーメン構造  
高層建物
鋼管コンクリート造(CFT構造)
超高層建物


● プレキャストコンクリート造 (PC)
 工場で制作した壁、床、屋根等の鉄筋コンクリートパネルを組み立てて構成する。柱、梁はRC。


建物基礎の種類

●直接基礎
 固い地盤が浅い場合は基礎を直接載せる工法となる。
●杭基礎
 硬い地盤が深い場合は杭基礎にて支持層まで打ち込む。


床板の種類

●一般スラブ
 RC床で一定の大きさに小梁で分割される。15p以上。
●アンボンドスラブ
 鉄筋の他ピアノ線で引っ張って広い床面を小梁無しでささえる。20p以上。
●ボイドスラブ
 広い床面を小梁無しで支える為スラブを厚くし、中空とした。25p以上。
 

鉄筋コンクリートの性質

 コンクリート(セメント、砂、砂利を水で練ったもの)の性質は圧縮には強いが引っ張りに弱い。一方鉄筋は引っ張りに強い。この二つを組み合わせる事により引っ張りにも圧縮にも強い構造体が出来ます。多くのマンションはこの構造体で出来ています。マンションの耐用年数は、この鉄筋コンクリートの耐用年数で見られることが多いのです。
 鉄筋は水や空気に触れると錆び易いのですが、コンクリートのアルカリ性によってその酸化から保護されています。ところが、このアルカリ性は空気中の炭酸ガスにより中性化されてしまいます。その早さは、50年〜60年で3p程度とされています。(水セメント比に影響される) 中性化が進むと鉄筋が錆び易くなり、構造に影響が出てきます。
 構造設計標準仕様書では、主要構造部の鉄筋のかぶり厚さを3p以上と定めています。又住宅金融公庫の融資基準のなかの、耐久性の項目でかぶり厚さをさらに1p増やしています。中性化が進んだからといって、ただちに建物が崩壊する訳ではないのですが、それを防ぐ対策は必要です。外壁の保護を担っているタイルや吹きつけ材等、重要な仕上げ材です。


鉄筋コンクリートの遮音性能

 マンション生活にとって音の問題はデリケートなものです。それは、個人の感覚の問題ととられる場合があるからです。
 音の問題としては大きくは二つです。

1 空間音圧レベル差 
外部騒音、隣戸生活音等の空気伝搬音の遮音
2 床衝撃音レベル 
床、壁を歩いたり、叩いたりした時の伝搬音の遮音
 コンクリートは、単体その物は質量が有る為遮音性能は高いのですが、共振、振動等の要素でその性能が落ちます。例えば、広すぎるスラブ、戸境壁の乾式二重壁です。もし模様替えをする時は、戸境壁を二重壁にするのはやめましょう。
 日本建築技術学会では遮音性能基準を定めています。参考にして下さい。



(文責 共同エンジニアリング(株) 一級建築士 田中達雄)