改修工事情報

古くなった排水管を取り替えずに再生できる/マルライナー工法/株式会社マルナカ(神奈川県・茅ヶ崎市)

集合住宅の修繕工事の中でも特に大変な工事といわれる排水管改修工事。高経年の集合住宅の場合、更新か更生か、又その工法の選択など費用面も含め判断を下すのは容易ではない。

劣化により腐食や孔が開いてしまった配管は更新工事により配管を交換し、漏水の解消やその後の耐久性などが得られるが、費用や工期、騒音、建物の一部解体など居住者にかなりの負担も発生する。一方更生工事の場合、既設配管内を洗浄、研磨し樹脂系塗装を行うライニング工法が一般的で工法も様々だ。
更新工事に比べ費用や工期など居住者の負担を軽減し配管の延命を図るが既設配管の残存肉厚や腐食状況などによっては施工が難しい場合もある。また洗浄方法や塗料の吹付け技術等によっては塗り残しや施工後の剥離などが生ずる場合もあり、工法選択には保証内容や審査証明の有無などを確認することが重要だ。



より更新に近いもう一つの更生工法「マルライナー工法」

多くの工法が開発されているライニング工法だが管内に直接塗布する場合、孔があいた配管には対応が厳しいことや管の形状によって均一なコーティングが難しい場合もあり改善に向け様々な開発が進められている。
そのなかで配管を新しく交換する更新工事に、より近い工法として注目される、既設配管の中に新たな配管を形成する「マルライナー工法」がある。開発元は(株)マルナカ(神奈川県・茅ヶ崎市)で同工法により特許も取得している。
同工法は劣化した既設配管内にエポキシ樹脂を含浸させた芯材(クロスチューブ)を空気圧で挿入し管内で反転させ、管の中に均質で厚い継ぎ目の無いパイプが形成されるというもの。新開発された芯材は三層で構成されその柔軟性により異なる径の管が接続された配管、曲がり管、孔のあいた管などにも適用できる。また管体に柔軟性があるため建物の変動に追従し高い耐久性を持つ。

管内に新たな管を形成   
管内に新たな管を形成

マルライナーの作業工程

基本的な作業工程は1日目に高圧洗浄で排水立て管内の汚れやサビを取り除き一部開口作業を行い、2日目に樹脂を含浸させた芯材を圧縮空気にて反転挿入。加温と加圧を維持しつつ約3時間で硬化させる。3日目に開口部の修復作業を行い1系統の作業が終了。
居住者が排水規制されるのは2日目の午前9時から午後4時頃までだけになる。これまで更新までの延命措置的なライニング更生がこの工法により更新工事で想定された長い工期、騒音、費用等の負担を低減し、更にパイプの中に新たなパイプを形成することで更新と同等の25年から30年という耐用年数を得る配管再生が可能になった。
施工は自社教育の技術者が行い、日本総合住生活が管理する集合住宅や国の歴史的建造物、商業施設等に施工実績があり、いずれも高い評価を得ているという。工法技術に対して建設技術審査証明も取得している。



異径管もなめらかな仕上がり

防水層を壊さず更生ショートマルライナー工法

同社は同工法を応用した浴室の排水口再生工法「ショートマルライナー工法」も開発している。
在来工法の浴室は床排水金物(トラップ)が床スラブを貫通して埋め込まれているため経年劣化したトラップの更新工事は床防水自体も含めた大掛かりな工事が必要だった。この新工法では複雑な形状の排水トラップにも樹脂を含浸させた芯材を使い一体化した更生ができる。これによって防水層に手を付けずトラップ部分のみの更生工事が可能になった。問合せ先 (株)マルナカ(電話0467・59・0766)


排水トラップも一体化

排水トラップも一体化


(2009年4月号掲載)