改修工事情報

排水管更生工事が1日で完了!/3つの工法の長所を組み合わせた「モバイル・ハイブリッド工法」/いずみテクノス(株)

 普段は意識しないものの、漏水等の不具合が起きると日常生活に大きな支障をきたす排水管。マンションの竣工から10数年が過ぎ、不具合が出始めたり、心配になってきた管理組合では、排水管の更新か更生を考えているところもあるだろう。そんな管理組合にとって朗報ともいえる革新的な排水管の更生工法が開発された。
 それが、住宅設備機器の総合商社である(株)小泉の子会社、いずみテクノス株式会社(東京都杉並区)が開発したモバイル・ハイブリッド工法だ。  「ハイブリッド」とは、2つ以上のものを組み合わせて、目的を達成することだが、同工法では、施工箇所別(専有部・共用部立管・共用部横管)に最適化された3つの工法を組み合わせることで、雑排水管を取り替えることなく甦らせるという目的を達成した。
 また、財団法人建築保全センターより「技術審査証明」を取得した品質の確かな更生工法で、現在特許も出願中である。


主要な工程の概要


(1)事前診断・準備
 まずは、建物内部の雑排水管を調査し、同工法適用の可否を判定する。極端に肉厚の薄くなった管や、管の種類によっては同工法が適さない場合もあるからである。

(2)高圧洗浄・吸引研磨作業
 適用可能な排水管であれば、管の洗浄を行う。まず専有部・共用部立管の高圧洗浄を行い、その後研磨剤により研磨し、排水管内のサビや付着物を確実に除去する。研磨剤は、吸引気流により回収される。

(3)ライニング作業
 管の洗浄後は、サビの再発を防止するため、管内に樹脂を塗る作業になるが、施工箇所により適用される工法が異なる。
 ●専有部
 専有部は「吸引気流工法」で行う。各戸の排水口より塗料を投入し、吸引車で吸引することでライニングする。



 ●共用部立管
 共用部立管は「吸引ピグ工法」で行う。最上階より最下階へ塗料を投入した後、「ピグ」と呼ばれる球を投入し、吸引する。ピグを投入することで、塗りムラの出来やすい立管内を均一にライニングすることが可能となった。



 ●共用部横管
 共用部横管のライニングは「回転噴射工法」で行う。
 この工法で用いる「回転噴射装置(モバイルジェット)」は、いずみテクノス(株)が独自に開発したもので、装置先端の「コマ」と呼ばれる部分にはマイクロチップが内蔵されており、曲がりを感知すると、自動的に回転噴射装置を曲げながら進む。そのため、真っ直ぐな部分はもちろん、曲がり部分もスムーズかつ均一に塗装することができるのが特徴だ。



 従来の排水管更生工法では、共用部横管の天井部分や管の曲がった部分は、均一にライニングすることが難しく、塗りムラやライニングが不十分になる欠点があった。同装置の開発により、欠点を克服し、均一に塗料を塗ることが可能に。従来取り替えるしかなかった建物下部の共用部横管のライニング工事を可能とした画期的な開発である。

     

 作業の手順は、共用部横管を高圧洗浄、研磨後、地上から管の中に装置を挿入。装置にはワイヤーとホースが繋がっており、ワイヤーを巻上げて移動させると同時に、ホースに圧力をかけ、装置後部の回転部分から塗料を噴射し管内全体を塗装する。
 ライニングに使われる塗料も、同社が昭和電工(株)と共同で研究し、開発に成功したものである。 ビニルエステル樹脂(ガラスフレーク入り)は、従来の塗料よりも高い耐久性と耐熱性(90℃)をもつ一方、粘度が低く、作業性が高いため、従来は難しかった箇所でも均一な塗付が可能になったという。

 (4)復旧・通水作業
 ライニング終了後は、作業のために開けた開口部を復旧し、通水検査を行い、排水性能に問題が無いことを確認して、完成・引渡しとなり、全工程が終了する。


工事期間が短くて経済的

 ここまでの全工程が1日で終了する。(※階高によっては2日間)
 工事期間が短く、作業員の入室作業や排水制限も少なくて済むため、居住者への負担が少なくて済むことも特徴である。
 また、工事費用も戸当り30〜45万円程度(概算)で、更新工事の費用の約50%(同社比)と経済的。
 工事後の保証期間は5年間。年1回の高圧洗浄を行うメンテナンス付きであれば、保証期間は10年間となる。
 モバイル・ハイブリッド工法についてのお問合せは、いずみテクノス株式会社/03・3393・2537まで。



(2012年2月号掲載)