改修工事情報

一日で工事完了の給・排水管ライニング/施工実績豊富な給水管・排水管更生工事/株式会社きんぱいリノテック(大阪ガスグループ)

乗り遅れていないか改修工事の潮流

 昨年11月末に国交省が平成22年度下期の建築物リフォーム・リニューアル調査報告を発表した。工事が増えた年のせいか、発注者別工事受注高では、管理組合発注の工事金額が前年同期(21年下半期)比12・5%増と大きく伸びている。管理組合が自ら施工方法、発注先を検討し発注する例が増えてきたのではないだろうか。
 マンションの長寿命化は多くのマンションが抱える課題となっている。
 知り合い同士で同じ場所で長く住み続けるには、建替えという方法もあるが、十数年前に比べて好条件の事例は減少しているようで、実現はなかなか困難である。


【ピグ工法(DSL・PIPS工法 ライニング工事】 



まず最初に延命策を検討しよう

 ここ数年来、雑排水管の延命化を図るマンションが増加している。排水管は給水管と違い劣化進行に気づきにくく、悪臭、害虫発生などの被害が顕在化して、はじめて劣化に気づくことが多い。
 築後何年かしたときに古い管を新しい管に交換する更新工事をすれば劣化は防げるが、室内の管周辺の解体が問題で、生活への影響が大きい。住民の合意が得られず先送りになる懸念があった。
 こうした状況に備え、ライニング工事を実施した賢明な管理組合が増えている。最近数年でライニングによる排水管施工実績が2倍以上に増えている。
 ライニングは、劣化したり、しつつある給水管や排水管を撤去せず、その内側を樹脂で覆う工法である。撤去し新しい管を設置する更新工事と異なり、基本的に管周辺を解体せずに工事できる。解体工事、又、標準的には復旧工事が不要なので、家具の移動も当然不要である。
 『改修によるマンション再生手法によるマニュアル』(ぎょうせい)は管理組合の必携書だが、これによると一般的な更生工法として、エポキシ樹脂ライニングによる審査証明工法(既存管内の錆を双方向研磨しエポキシ樹脂を…)がよく用いられていると説明されている。
 居住生活への配慮、費用も抑えたいという要望、給水管における20年来の実績と各社の改良等によって、排水管においても近年採用数が急増している。



朝着工して夕方に終わる即日完了の工法がある

 ライニングであっても室内作業は避けられず、これが残された課題であった。作業は二日間が一般的で、居住者に在宅をお願いしていた。
 作業時間の大幅短縮、一日で終る工法が望まれていた。給水管用には、大阪ガスのグループ会社・きんぱいリノテックの「ASL2.工法」が一日で終る工法として豊富な実績で知られている。同社は排水管も「DSL工法」(ドレン・シャトレ・ライニング)で、一日で厚塗りのライニング工事を完了させている。給水管、雑排水管のいずれも即日復旧を実現した。
 朝8時半頃に入室し準備作業に取り掛かり、午後3時頃ライニング検査後、温水を流す。60〜65℃の温水によってライニング塗膜の硬化が促進され、約2時間後には完全に硬化する。その後完成検査を経て夕方5時頃には引き渡し完了する。


     
ピグの挿入

滑らかで厚い塗膜が形成されるので安心

 居住者の負担軽減を目指して実現させた工法だが、安心感のある厚塗りも大きな特長である。管内部の研磨はスチールグリッド等によるサンドブラスト方式、あるいは先端研磨器具を用いた電動方式を、配管状況により選択し、錆、付着物を確実に除去している。錆等の除去確認は、管内カメラを管端から通して行う。研磨後に気密テスト(流量測定)を実施し、万一の管損傷をチェックする。
 ライニングは、管内にエポキシ樹脂(無溶液型エポキシ樹脂)を充填し、ライニングピグを空気圧で往復させて行う。これにより塗り残しを防ぐと共に、均等で滑らかな塗膜を形成する。
 ピグを通過させているのだから管内に閉塞はないだろうが、更にライニング後に少量のエアーを通して確認している。
 品質を各作業で確保し(1)滑らかな厚膜を形成する、(2)一日でライニングを完成させる、この二つがきんぱいリノテックの二大技術目標であった。給水管についてはASL2.工法、排水管についてはDSL工法で実現している。
 排水管は給水管と異なり、敷設状況がマンションによって異なる。例えば高層になると複雑な継手が使われていることが多い。また、管理組合の要望によっては単一工法で対応できない場合がある。例えば横枝管と竪主管を同時にライニングする場合があるがこの場合には、東京ガスグループが開発した吸引式のDREAM工法で施工している。




【気流工法(DREAM工法)】


性能品質、費用、居住者負担が三大検討項目

 最近、20年近く以前に給水管をライニングした管理組合から、二回目のライニング工事をASL2.工法で同社が再び受注することがあるという。顧客から信頼を得ている証であろう。
 ライングに限らず修繕、改修を検討する際には、性能品質、コストのみならず、居住者の負担についても検討することが重要で、組合員、居住者の意向を最大限反映することに努めることが、管理組合の本来の姿ではないだろうか。先進的な管理組合を目指していただきたい。


【管更生工事施工実績】
(特定非営利活動法人日本管更生工業会調べ)

       (給水管)
17年度:488件 453,483m
18年度:490件 456,896m
19年度:588件 566,468m
20年度:642件 680,760m
21年度:557件 552,791m
22年度:509件 544,717m

       (排水管)
17年度: 42件  28,673m
18年度: 55件  77,841m
19年度: 68件  68,026m
20年度: 94件  69,672m
21年度:103件  73,165m
22年度:120件  81,796m


(2012年3月号掲載)