改修工事情報

外断熱による屋上防水工事<その1>花見川住宅(千葉市)

 4月14日(土)屋上断熱防水改修工事を施工中の花見川住宅において、日住協主催による工事見学会が開催された。今回の見学会では、これから屋根断熱防水改修を計画している管理組合の参考のために、断熱材料の全般的な内容についての重点的な解説もあった。以下、解説を担当した本工事の設計・監理者の一級建築士・秋葉義廣氏に断熱材料について執筆していただいた。



花見川住宅で開催した見学会
花見川住宅で開催した見学会


建物の躯体を保護する断熱材

 外断熱することにより、躯体に直接温度変化が伝わらない為、躯体の熱膨張・熱収縮の割合が小さくなり、建築物の躯体を保護します。  断熱材には、素材によって大きく分けて3分類あり、それぞれ特性が異なります。  (1)自然系(木質繊維ボード、コットン、ウール等)  (2)プラスチック系断熱材(硬質ウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム等)  (3)鉱物系断熱材(グラスウール、ロックウール) によって、施工目的、施工部位、施工方法等により使用する断熱材を選定する必要が有ります。


屋上の外断熱材

 

 屋上に於ける外断熱材として一般的に使用されている断熱材には3種類あり、防水工法と組み合わせて、その各々の特性により使い分けがなされています。  (1)硬質ウレタンフォーム(ギルフォーム)は、露出アスファルト防水工法と組み合わせて、防水層の下に敷き込む断熱材です。防水層が露出となる為に保護塗装が必要となります。  (2)押出法ポリスチレンフォーム(スタイロフォーム)は、押えコンクリート工法の場合に防水層の上に断熱材として敷き込むか、或いはコンクリート又はモルタルと共に裏打ち成形して断熱ブロックとして防水層の上に敷き込む断熱材です。躯体保護と共に防水層の保護にもなります。  (3)ポリエチレンフォーム(プラストフォーム)は、露出シート防水工法と組み合わせて、防水層の下に敷き込む断熱材です。防水層が露出となる為に、シート防水材の種類によっては保護塗装が必要となる場合が有ります。



屋上の防水工事     
屋上の防水工事              

花見川住宅における断熱材の選定

 花見川住宅(40棟、1530戸)の建物躯体は入居後44年目となる旧公団分譲のRC壁構造5階建で旧耐震構造の為、屋上防水全面改修に当って、躯体の保護のために外断熱化を図りました。選定した材料並びに工法は次の通りです。  (1)断熱工法=ノンフロン耐熱型硬質ウレタン系フォーム〔三星ギルフォーム 厚35mm〕、機械固定工法〔ASディスクTCアンカー〕  (2)防水工法=環境対応型改質アスファルトシート防水(露出工法)、〔ガムクール防水〕機械固定工法  1層目=クールスポットB、ASディスクTCアンカー固定  2層目=ガムクールキャップ(砂付ルーフィング)  トップコート=遮熱塗料〔SPサーモコート〕  (3)防水層端部押え=常温反応型アスファルト塗膜防水、補強用マット挿入〔アスクール防水 PQF160〕  *パラペット外周端部、架台基礎立上り端部  ※なお、花見川住宅における断熱材の選定経緯並びに改修工事の概要等につきましては、本工事完了後に詳細報告の予定です。 (一級建築士事務所 秋設計 代表 秋葉義廣)


『設計・監理=一級建築士事務所秋設計、施工=南海工業株式会社』


 <お知らせ>
 工事見学会の当日はあいにくの雨のため、ご参加いただいた方々には屋上に上がって施工現場を実際に見学することができませんでしたので、後日、個別に見学してもらうことにしました。ご希望の方は施工期間中の5月20日頃までに左記へお申し込みください。
 南海工業(株) 03F3483F7511



(2012年5月号掲載)