改修工事情報

排水管改修にマルライナー工法を採用/厚木リバーサイド住宅(神奈川)/株式会社マルナカ

 排水管改修で行われる更生工事と更新工事。更生工事は更新工事と比べて低コストだが、耐久性では劣る。そのため、最初の改修は更生工事、次は更新工事という管理組合もあるだろう。しかし、更新工事と変わらない耐久性で、かつ低コストな更生工法がある。それが株式会社マルナカ(神奈川県茅ヶ崎市・中尾慧理夫社長)が開発した「マルライナー工法」である。
 同工法を排水管改修工法に採用した厚木リバーサイド住宅で、3月31日、日住協主催の工事見学会が開かれた。



  神奈川県厚木市の厚木リバーサイド住宅は、昭和58年入居開始。旧住・都公団分譲の3〜5階建PC造8棟、総戸数199戸、築29年の団地型マンションである。

見学会で説明する理事長
見学会で説明する理事長

 管理組合では平成18年に長期修繕計画の見直しを行い、排水管の劣化診断を行ったところ、劣化が進んでいたため、給・排水管工事準備委員会を平成20年に立上げ、採用工法の検討を行った。
 検討された工法は、
(1)更生工事(塗付工法)、(2)更生工事(パイプインパイプ工法)、(3)更新工事。これらを耐久性・費用面から比較検討し、コストメリットの良い更生工事(パイプインパイプ工法)を推奨する答申が同委員会から出された。
 答申を受け、平成23年の管理組合総会でパイプインパイプ工法を実施する旨を決議後、同工法を持つ2社を比較した結果、(株)マルナカが採用された。

工事の概要

 工事方式は、責任施工方式を採用。
 工事対象排水管は、共用立て管と住戸内横枝管(ともに規約により共用部扱い)で、共用立て管は同社のマルライナー工法により、鋳鉄管中に新たに樹脂配管を形成し、横枝管は鋼管を硬質塩化ビニル管に更新する。

樹脂を芯材に投入       芯材への含浸作業
樹脂を芯材に投入                         芯材への含浸作業

組合員への広報が重要

 管理組合が排水管改修に当って最も力を入れたのは組合員への広報。
 同組合では施工会社決定後、工事請負契約締結のため事前調査を実施したところ、一部の棟で住戸内配管が引渡し図面の塩ビ管ではなく、鉄管と判明。塩ビ管は工事対象外のため、工事内容や金額が変更となり、臨時総会で変更計画を決議する必要があった。この時にも総会議案書配布三日前に緊急広報を発行し事情説明を行い、周知徹底を図ったことで、混乱無く変更計画が決議された。

更新工事と変わらない耐久性と低コストを実現させた更生工法「マルライナー工法」とは

 (株)マルナカの「マルライナー工法」は、ポリエステル繊維製の芯材にエポキシ樹脂を含浸させてできたライナーを、洗浄した排水管内に空気圧で挿入、反転させ、既設管内に圧着。樹脂硬化後は、管内に厚さ1・5mm以上の排水管が形成される。
 そのため、配管に穴があっても施工が可能で、異径管、曲管の施工も可能。施工部位には継ぎ目の無いパイプができるため、排水性能も向上する。耐用年数も約30年と更新工事と変わらないのも大きな特徴だ。
 また、作業に大型機械を使用しないため、狭いスペースでの工事も可能。低騒音で住民への負担も軽減できる。
 施工期間は1系統あたり3日。排水制限は1日目と2日目の工事中のみで、工事が終わればいつもどおり水が使える。



(2012年5月号掲載)


大型団地の共用排水管改修工事に/独自工法「マルライナー工法」が採用/株式会社マルナカ

 古くなった排水管を取り替えず、より更新に近い更生工法として既設配管の中に新たな配管を形成する「マルライナー工法」を手がける(株)マルナカ(中尾慧理夫社長・本社茅ヶ崎市)は、横浜市旭区の大規模高層集合住宅団地、管理組合法人「若葉台くぬぎ」の共用排水管改修工事に同工法が採用され9月より工事を開始した。



若葉台くぬぎ

マンションの概要

 管理組合法人、若葉台くぬぎ(神奈川県横浜市旭区若葉台二丁目)は、神奈川県住宅供給公社が横浜市旭区に開発・建設した、総面積約90ヘクタール、戸数約6300戸の、学校、ショッピングセンター、金融機関、病院、スポーツ施設、交番、消防出張所、防災センターなど生活に必要なすべての都市機能が整った大規模な高層集合住宅団地の中で最大の組合員を持つ団地管理組合。RC造14階建11棟、883戸。入居は昭和56年、築29年。


管理組合の取組み

 同住宅はこれまで、長期修繕計画に基づき過去2回の大規模修繕工事が実施されてきたが、共用排水管の補修はこれまで実施されていなかった。以前行った給排水管劣化診断によって台所系統の竪配水管の劣化が判明。今後の維持管理を考え、本格的な改修工事の実施を検討。
 これに伴い組合では09年に「共用排水管改修検討委員会」を発足した。
 過去の診断結果から工事は、台所系統と浴室・洗面所系統の2系統とし、団地内の管理業務などを行う(財)若葉台管理センターに業者選定の候補企業の紹介を依頼。候補企業4社からプレゼンテーションを行い、更により厳正な選考を行うため、実際に各社施工方法のデモンストレーションを団地敷地内で行った。
 検討の結果、技術面の分析、見積り金額、ライフサイクルコスト等を考慮し、最終的に施工会社を(株)マルナカに決定。
 採用理由のひとつは、同社の工法「マルライナー工法」が、配管はそのままで現在の排水管の中に新しいパイプを作る「パイプインパイプ」方式で、信頼性が高く耐用年数(約30年)、費用対効果の面など他の工法と比べ優れていると判断されたため。
 管理組合では、すでに3回の住民説明会を開催し、周知を徹底。今後も棟別説明会を開催するなど、きめ細かな対応を進めていく予定だ。
 同組合理事長の森野茂三氏は「業者選定には企業規模だけではなく、技術力や担当者の熱意も重視して選考した。また、住民への日頃の説明なども管理組合の仕事と考え全てを業者任せにせず、施工会社には工事に専念してもらい、住民と企業が一緒に工事完成の達成感を味わうことが重要と考えている」と語った。 工事期間は来年3月末までの予定。



排水管に空気圧で樹脂を反転挿入

マルライナー工法とは

 マルライナー工法は劣化した既設配管内にエポキシ樹脂を含浸させた芯材(クロスチューブ)を空気圧で挿入し管内で反転させ、管の中に均質で厚い継ぎ目の無いパイプが形成されるというもの。
   新開発された芯材は三層で構成されその柔軟性により異なる径の管が接続された配管、曲がり管、孔のあいた管などにも適用できる。また管体に柔軟性があるため建物の変動に追従し高い耐久性を持つ。一般に更新までの延命措置的なライニング更生がこの工法により更新工事で想定された長い工期、騒音、費用等の負担を低減し、更にパイプの中に新たなパイプを形成することで更新と同等の25年から30年という耐用年数を得る配管再生が可能になった。
 これまで、多くの集合住宅や国の歴史的建造物、文化施設、商業施設等に施工実績があり、いずれも高い評価を得ているという。





リフォーム博に出展

 この「マルライナー工法」はじめ同社で開発された独自の配管更生工法が、11月12日から東京ビッグサイトで開催される日経住まいのリフォーム博特別企画展「マンション快適ライフ2010」の出展ブースにて紹介される。問合せ先 (株)マルナカ(電話0467・59・0766)



(2010年10月号掲載)


管理の技術者対象に独自工法の研修会/マルライナー工法/株式会社マルナカ(神奈川県・茅ヶ崎市)

古くなった排水管を取り替えず、より更新に近い更生工法として既設配管の中に新たな配管を形成する「マルライナー工法」を手がける(株)マルナカ(中尾朝夫社長・本社・茅ヶ崎市)は、7月に、日本総合住生活(株)(JS)の技術開発研究所にて、同工法の研修会を行った。


研修会
当日の研修会の様子

マンション管理の技術者が多数参加。

今回の研修会は当初、同社の事業所で一部の関係者を対象に行われていた同工法のデモンストレーションを、今回広く知ってもらうため、開催されたもので、管理の技術者や業界関係者など、およそ60名が参加した。
同工法は劣化した既設配管内にエポキシ樹脂を含浸させた芯材(クロスチューブ)を空気圧で挿入し管内で反転させ、管の中に均質で厚い継ぎ目の無いパイプが形成されるというもの。新開発された芯材は、その柔軟性により異なる径の管が接続された配管、曲がり管、孔のあいた管などにも適用できる。また管体に柔軟性があるため建物の変動に追従し高い耐久性を持つ。
一般に更新までの延命措置的なライニング更生がこの工法により更新工事で想定された長い工期、騒音、費用等の負担を低減し、更にパイプの中に新たなパイプを形成することで更新と同等の25年から30年という耐用年数を得る配管再生が可能になった。
これまで、JSが管理する集合住宅や国の歴史的建造物、文化施設、商業施設等に施工実績があり、いずれも高い評価を得ているという。


芯材と樹脂
芯材と樹脂で均一の厚さに施工

排水トラップ処理でJIS規格に適合

同社では同工法を応用し、浴室の排水トラップを一体化して更生する「ショートマルライナー工法」も開発しているが、このほど行われた、性能試験により、国が定める工業標準として制定される、日本工業規格(JIS規格)の床排水トラップ(JIS/A4002)へ、同工法によってライニング処理された後も、JIS規格排水トラップとして適合することが認められた。


排水トラップ
排水トラップもJIS規格適合

処理後10年の状況を追跡調査

現在、同社では同工法で更生処理され、10年が経過した排水管に管内検査カメラを使い配管内部の状況を検査する追跡調査を行っている。
これまで調査を行った配管では管内洗浄後のカメラ検査でほとんど劣化が見られない状況が確認できたという。


処理後10年
処理後10年経った排水管内

工事見学会を実施

千葉県、稲毛区のコープ園生(244戸)では他工法でほぼ決まっていた、施工後約30年経過した雑配水管の更生工事を急遽「マルライナー工法」に変更。
9月から本工事に入り、希望者には工事見学会も実施される。問合せは同社にて対応する。



リフォーム博に出展

これらの「マルライナー工法」はじめ同社で開発された独自の配管更生工法が、9月23日から東京ビッグサイトで開催される「日経住まいのリフォーム博2009」特別企画展「マンション快適ライフ2009」の出展ブースにて紹介される。
出展ブースでは「マルライナー工法」「ショートマルライナー工法」の構造が解り易く展示されるほか、更生処理後10年経った配管内の検査映像なども公開される。
問合せ先 (株)マルナカ(電話0467・59・0766)



(2009年9月号掲載)


古くなった排水管を取り替えずに再生できる/マルライナー工法/株式会社マルナカ(神奈川県・茅ヶ崎市)

集合住宅の修繕工事の中でも特に大変な工事といわれる排水管改修工事。高経年の集合住宅の場合、更新か更生か、又その工法の選択など費用面も含め判断を下すのは容易ではない。

劣化により腐食や孔が開いてしまった配管は更新工事により配管を交換し、漏水の解消やその後の耐久性などが得られるが、費用や工期、騒音、建物の一部解体など居住者にかなりの負担も発生する。一方更生工事の場合、既設配管内を洗浄、研磨し樹脂系塗装を行うライニング工法が一般的で工法も様々だ。
更新工事に比べ費用や工期など居住者の負担を軽減し配管の延命を図るが既設配管の残存肉厚や腐食状況などによっては施工が難しい場合もある。また洗浄方法や塗料の吹付け技術等によっては塗り残しや施工後の剥離などが生ずる場合もあり、工法選択には保証内容や審査証明の有無などを確認することが重要だ。



より更新に近いもう一つの更生工法「マルライナー工法」

多くの工法が開発されているライニング工法だが管内に直接塗布する場合、孔があいた配管には対応が厳しいことや管の形状によって均一なコーティングが難しい場合もあり改善に向け様々な開発が進められている。
そのなかで配管を新しく交換する更新工事に、より近い工法として注目される、既設配管の中に新たな配管を形成する「マルライナー工法」がある。開発元は(株)マルナカ(神奈川県・茅ヶ崎市)で同工法により特許も取得している。
同工法は劣化した既設配管内にエポキシ樹脂を含浸させた芯材(クロスチューブ)を空気圧で挿入し管内で反転させ、管の中に均質で厚い継ぎ目の無いパイプが形成されるというもの。新開発された芯材は三層で構成されその柔軟性により異なる径の管が接続された配管、曲がり管、孔のあいた管などにも適用できる。また管体に柔軟性があるため建物の変動に追従し高い耐久性を持つ。

管内に新たな管を形成   
管内に新たな管を形成

マルライナーの作業工程

基本的な作業工程は1日目に高圧洗浄で排水立て管内の汚れやサビを取り除き一部開口作業を行い、2日目に樹脂を含浸させた芯材を圧縮空気にて反転挿入。加温と加圧を維持しつつ約3時間で硬化させる。3日目に開口部の修復作業を行い1系統の作業が終了。
居住者が排水規制されるのは2日目の午前9時から午後4時頃までだけになる。これまで更新までの延命措置的なライニング更生がこの工法により更新工事で想定された長い工期、騒音、費用等の負担を低減し、更にパイプの中に新たなパイプを形成することで更新と同等の25年から30年という耐用年数を得る配管再生が可能になった。
施工は自社教育の技術者が行い、日本総合住生活が管理する集合住宅や国の歴史的建造物、商業施設等に施工実績があり、いずれも高い評価を得ているという。工法技術に対して建設技術審査証明も取得している。



異径管もなめらかな仕上がり

防水層を壊さず更生ショートマルライナー工法

同社は同工法を応用した浴室の排水口再生工法「ショートマルライナー工法」も開発している。
在来工法の浴室は床排水金物(トラップ)が床スラブを貫通して埋め込まれているため経年劣化したトラップの更新工事は床防水自体も含めた大掛かりな工事が必要だった。この新工法では複雑な形状の排水トラップにも樹脂を含浸させた芯材を使い一体化した更生ができる。これによって防水層に手を付けずトラップ部分のみの更生工事が可能になった。問合せ先 (株)マルナカ(電話0467・59・0766)


排水トラップも一体化

排水トラップも一体化


(2009年4月号掲載)