改修工事情報

工事資金不足時の助け舟!マンション共用部分リフォーム融資/住宅金融支援機構

 大規模修繕工事を行いたいが、修繕積立金だけでは費用が足りない。そんな時に利用できるのが住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」である。


融資の対象工事

 共用部分のリフォーム及び建物の耐震改修工事が融資の対象。また、リフォーム前に専門家に依頼してマンションの劣化状況の調査や、耐震診断を受ける場合も融資の対象となる。ただし、融資対象の修繕工事と一体的に行われるものに限られる。


融資の概要

 修繕にかかる工事費用の80%(1戸あたり150万円が限度額)まで借りられる。また、毎月の返済額は「毎月徴収する修繕積立金の額」の80%以内にしなければならない。
 金利は申込時の金利が借り入れ期間全部に適用される「固定金利」。今年10月の金利は1・29%。耐震工事をあわせて行う場合は引き下げられた金利(10月現在1・09%)が全工事に適用される。
 返済期間は1年から10年まで。1年単位で選択できる。
 返済方法は、毎月の返済額(元金+利息)が一定の「元利均等毎月払い」か、毎月返済する元金が一定の「元金均等毎月払い」のどちらかを選択することができる。


融資の条件

 管理組合が融資を受けるには、総会で共用部分をリフォーム(大規模修繕工事)すること、住宅金融支援機構から資金を借り入れること、修繕積立金を返済金に充当すること、などが決議されている必要がある。
 また、通常の管理費と修繕積立金が独立した会計で管理されていることや、修繕積立金が1年以上定期的に積立てられ、滞納割合が10%以内であることなどが要件となる。
 なお、融資を受けるには理事長(管理組合法人の場合は代表者)等の個人保証か同機構が承認した保証機関の保証を受ける必要がある。
 現在、機構の承認を受けている保証機関は、財団法人マンション管理センターと公益社団法人全国市街地再開発協会(同協会の保証を受けられるのは、耐震改修工事を行うマンションで、避難路沿道等のマンションの補助対象要件を満たすもので、一定の条件を満たすものに限る)。
 保証機関の保証を受けることで、管理組合は無担保・無保証人での融資が可能となる。
 保証額及び保証期間は融資額及び返済期間と同じ。保証料の支払いは一括払い(融資実行前)で、「特定管理組合」(※1)は、保証料が約20%安くなる。


助成制度の利用も可能に

 同センターの保証を受けることで、地方公共団体の助成制度が利用できる場合がある。(浦安市、東京都、千代田区、中央区、港区、墨田区、江東区では、借入金への利子補給等の助成制度を実施)
 例えば東京都の場合、住宅金融支援機構の金利より1%低利になるよう、都が管理組合に利子補給を行う。利子補給期間は住宅金融支援機構融資の場合、最長10年間まで可能。

 大規模修繕工事の積立金が不足する場合以外に、漏水等のため、緊急に工事を行わなければならないケースも考えられる。そんな時のためにも、是非知っておきたい制度である。
 共用部分リフォーム融資についての問合せ先
独立行政法人住宅金融支援機構まちづくり推進部まちづくり業務グループ03(5800)9366まで。



※1「特定管理組合」は、次のいずれかに該当する管理組合。
・マンション管理センターの「マンションみらいネット」登録管理組合
・「マンションすまい・る債」(※2)の残高がある管理組合、又は積立継続を希望する管理組合
・同センターが定める耐震改修、省エネルギー、バリアフリー、いずれかの工事を同時に実施する管理組合
・平成18年度までに旧住宅金融公庫の「公庫マンション維持管理基準」を満たす管理組合として、同センター又は住宅金融普及協会に登録された管理組合
※2「マンションすまい・る債」
 独立行政法人住宅金融支援機構が発行する利付10年債で、一口50万円。利回りは平成25年2月発行債で、満期時の年平均利率が0・459%(税引後0・3658%)。複数口の申込みが可能で、償還期間は10年。



(2012年11月号掲載)