住み替え情報

多世代近居で安心な生活

 最近「近居」という言葉を新聞等で見かけたことはないでしょうか。
 国土交通省では、『「同居」ではなく、「車・電車で1時間以内」の範囲まで』と近居を定義しています。
 この近居。親世帯とその子世帯の間で増えてきているようです。
 たとえ親子でも、「同居」では、時には息の詰まる思いをすることもあるでしょう。しかし「近居」なら適度な距離がとれ、親・子世帯それぞれがプライバシーを保つことができます。
 また、それ以外に、親世帯には「自分たちに何かあった時に安心」「孫の成長をまじかに見られる」と言ったメリットがあり、子世帯は逆に、「親に何かあった時に安心」「子どもの面倒を見てもらえる」と言ったメリットがあります。


近居を支援するサービスも登場

 親子二世帯の近居を促進するため、UR都市機構は2013年から「近居割」を始めました。これは、親・子世帯のどちらかが、同じURの賃貸住宅に入居した場合や、親・子世帯の住まい(UR賃貸住宅以外でも良い)から、どちらかの世帯が半径2キロ以内にあるUR賃貸住宅に新たに入居した場合、新たに入居した世帯の家賃を5年間、20%割り引く制度です。さらに昨年から「近居割ワイド」として、どちらかの世帯がUR以外の住宅に住んでいても、「近居割ワイド」対象エリア内のUR賃貸住宅に入居した場合、家賃を5年間、20%割り引いています。
 自治体にも近居を支援する制度があります。
 東京都品川区では「親元近居支援事業」として、区内で親世帯と同居または近居することになったファミリー世帯に対し、転・入居費用の一部を「三世代スマイルポイント」として交付しています。転・入居費用1円を1ポイントとして、10万ポイントが上限。ポイントは、協賛企業が提供する三世代が一緒に楽しめる商品(例・品川区内共通商品券等)と交換できます。
   同様の事業を行う自治体は他にもありますが、いずれも、子ども世帯の子の年齢制限や、居住年数等の条件があり、また、予算措置を伴うため、受付件数にも制限があります。そのため、お住まいの自治体にそのような事業があるのか確認し、あれば利用のための要件や申請方法について確認すると良いでしょう。


空き店舗、空き家を活用した環境整備を

 多世代が近居することは、親・子世帯がともに支えあうというメリットが考えられますが、多世代が住み、街の中に多様性が生まれ、賑わいが生まれることもメリットのひとつでしょう。
 そのためには、多世代近居を支える環境整備が望まれます。
 子世帯にとっては、常に子どもの面倒を親世帯に見てもらう訳にはいかないので、近くに保育園等の子育て支援施設があった方が良いでしょうし、親世帯にとっても、ある程度体の自由が利かなくなった場合の事を考え、高齢者向け施設が近くにあったほうが良いでしょう。
 また、買い物ができる店舗が近くにあった方が、親・子世帯ともに便利です。
 これらの施設整備を、最近住宅団地で増えている、空き家や空き店舗を活用して行うことも、多世代近居を実現するには必要です。




(集合住宅管理新聞「アメニティ」2016年2月号掲載)