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有料老人ホームの現状(その1)

3種類ある「有料老人ホーム」

 「有料老人ホーム」とは、(1)有料で老人を入居させ、(2)食事の提供、(3)介護サービス(入浴・排泄・食事)の提供、(4)洗濯・掃除等の家事の提供、(5)健康管理のうち、(1)と(2)〜(5)いずれかのサービスを提供する施設を言う。さらに、施設が提供するサービスに応じて、「介護付」「住宅型」「健康型」の3つに分かれる。
 「健康型」有料老人ホームは数が非常に少ないため、ここでは「介護付」と「住宅型」についてその違いを見ていきたい。


「介護サービス」の受け方が違う

 両施設とも、食事の提供や家事の提供等が行われ、自立から要支援者、要介護者まで幅広く入居が可能だが、「介護サービス」の受け方が大きく異なる。
 「介護付有料老人ホーム」は、介護が必要になったら、ホームのケアマネージャーが介護サービス計画を作成し、入浴・排せつ等の介護やその他の日常生活上のサービスを、ホーム職員が行う。
 一方、「住宅型有料老人ホーム」は、介護が必要になったら、ホーム外のケアマネージャーに介護サービス計画作成を依頼し、その計画に応じて、地域の訪問介護等の介護サービスを利用することになる。
 つまり、「介護付」は、食事提供等の日常生活のサービスから介護まで、すべてを施設が提供するのに対し、「住宅型」では、日常生活のサービスまでとなる。


月々の費用にも違いが

 「介護サービス」の受け方の違いは、月々の費用にも現れている。
 「介護付」では月々の費用に、介護サービス料金が含まれているのに対し、「住宅型」は含まれていない。
 そのため、「介護付」の入居者は、介護サービスが既に必要な80代以降の人が多いようだ。
 一方、「住宅型」は介護費用が掛からない分、月々の費用負担も比較的軽く、まだ介護は必要ないものの、日常生活に不安のある人が入居するケースが多いようだ。
 ただし、「住宅型」で介護サービスが必要となった場合、外部の人に「訪問」してもらってサービスを受けるため、その分費用負担が増える。介護度が上がれば、さらに自己負担も増えていくため、月々の費用負担の違いには注意して、施設を選びたい。


最近は「住宅型」が増える傾向

 両施設の数は、2006年の老人福祉法改正前までは、「介護付」が増えていた。
 有料老人ホームが「介護付」を名乗るには、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受ける必要がある。
 同指定を受けるには、施設職員の配置計画や設備、施設運営等、様々な基準を満たす必要があるが、指定を受ければ、施設は介護保険の給付が受けられ、入居者の費用負担は、介護度に応じて固定になる。
 しかし2006年の同法改正により、介護保険給付の自治体の負担割合が引き上げられたので、自治体は給付を抑制するため、「特定施設」の指定を与えなくなってきている。その結果、2006年以降は、「介護付」より「住宅型」が増えている。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2016年9月号掲載)