住まい方

マンションのリフォームトラブル予防のポイント

(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターの相談部には、毎日40〜50件もの電話相談が寄せられてくるそうです。今回はその相談に寄せられた事例を紹介します。

相談事例1 マンションリフォームの契約の解除

【相談内容】

マンションのリフォームをしようと思い、3社から見積もりを取りました。そのうち1社は、見学したショールームで展示をしていた施工事業者で、2日後に自宅に来てもらい見積もりを出してもらいました。他2社よりも金額が安かったため、仮契約のようなつもりで同日契約書にはんこを押しました。

契約書は、1枚目が見積書、2枚目が契約書、その裏面に契約約款が載っていましたが、印紙も代表印もなく、一式見積もりで詳細は明らかにしてありませんでした。

リフォーム内容は3LDKマンション全室にわたるもので、和室1室以外をフローリングにすることと、台所・洗面所・風呂場など水廻りの改修でした。しばらくして、詳細が明らかでないことが心配になり、契約の翌日「発注は待ってほしい」との連絡をしました。

ところが営業担当者は「もう発注したので、解約できない」と怒り出してしまいました。消費生活センターに相談したところ、契約書には違約金の条項はないけれど、違約金を請求される可能性があると言われました。解約しないでこの施工事業者に依頼する方がいいか、解約したほうがよいか迷っています。

【相談回答】

契約締結を急ぎすぎたように思われます。印紙、代表者印がないことから仮契約だという主張も否定はできませんが、後で本契約をすることになっていたことが明確でないと、難しいのではないでしょうか。

この施工事業者との契約を解除した場合、契約書に違約金の定めがないので、違約金を請求される可能性は低いと思いますが、契約を解除したことによる施工事業者の損害を賠償することになると思われます。

この施工事業者にリフォームを頼むのであれば、詳細な見積書を出すことを再度要求してはどうでしょうか。

以上のことをよく考えて、どちらにするかを決めてください。

【コメント】

「仮契約」だからといって不用意に契約書を取り交わしてはいけません。相手方に期待を持たせてしまいます。違約金の定めが契約書の中にない場合は、請求できないのが一般的です。違約金の定めがあるかどうか、よく契約書を確認しておきましょう。

契約書は、取り交わすだけではなく、よく内容を吟味して、注文者にとって大切な条項が抜けていないか確認するようにしましょう。

ポイント1

契約は、契約書の内容までよく確認してはじめて、万が一のトラブル予防に役立ちます。

相談事例2 追加工事費用の名目で見積もりより高額な請求をされた

【相談内容】

マンションの室内リフォームをしました。約束の期日から40日あまり遅れた上、当初の決定より高額な費用を請求されています。

事業者は「奥さんが言ったとおりのことをやったから、工事が増え、費用も余分にかかった」と言います。工事中、家にいるのは私だけだったので、事業者から「これでいいか」と聞かれれば、「いいです」とか「そうしてください」と言った覚えがありますが、それを「追加注文した」と言われるのは納得がいきません。最終金の支払いが残っていますが、事業者の請求どおり払わなくてはいけないのでしょうか。

【相談回答】

未払い金があるようなので、それはまだ残しておき、まずは追加請求された金額の内訳を調べてみましょう。事業者から明細をもらい、内容を検討して、自分が依頼したと思われるものとそうでないものを区別して、交渉してはどうでしょうか。請求金額の不明点については、事業者に算定根拠をきちんと説明してもらえば、納得いく清算ができるのではないでしょうか。

【コメント】

リフォーム工事には、工事を始めてみないと内容がはっきり決められない場合があります。土台や根太、下地など普段は見えない部分が傷んでいたりすると、どうしても工事内容が変わったり、工期が延びたり、追加費用が必要になる場合があります。トラブルを避けるためには、このように変更が出た場合にどうするかを、あらかじめ決めておくといいでしょう。また変更が出るたびに、事業者と内容や金額などをよく話し合って「工事内容変更合意書」を交わしておけば、その工事が合意の上で行われたことがはっきりします。

ポイント2

工事変更や追加工事が出る場合には、簡単に口約束をせず、内容をよく検討しましょう。

事業者から工事が完了したと報告があったら、契約通りに工事が行われたかどうかを確認します。その後「工事完了・確認書」を交わし、署名捺印して双方で保管しておきましょう。

紛争処理支援センター

住宅に関する相談は(財)TEL:03―3556―5147へ。
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(2006年6月号掲載)