住まい方

マンションにおける「誘導雷」対策/家電製品やパソコンを誘導雷の被害から守るには

誘導雷対策の勉強会が10月18日NPO日住協主催により行われた。今夏は雷の発生が各所で目立ち、それに伴って「誘導雷」の過電流が電線や電話などの通信回線を通じて伝わり、家電製品やパソコンを壊す被害が急増した。当日の勉強会では、実際に被害に遭った高幡芙蓉ハイツ団地管理組合法人(東京・日野市)前理事長・山口 秀氏(日住協理事)による事例報告、及び誘導雷の発生原理や防止対策について、保護機器メーカーの(株)昭電の担当者から技術的な説明並びに質疑応答があった。
同報告の高幡芙蓉ハイツでは、12棟の中で1棟がエアコン、冷蔵庫、TVが可動しなくなるなどの被害を、出席した管理組合の団地(千葉県八千代市)では8棟のうち5棟で火災報知器、各戸のインターホン等に被害を受けた。また、これら被害を防止する商品については効果があまりないものもあるので、信頼できる商品選びをしたいと注意を呼びかけた。(誘導雷の発生原理や対策については、かなり技術的となるので、以下専門家に寄稿していただいた)


この世で怖いものは「地震、雷、火事、親父」と言われているが、今年は特に『雷』について恐怖を感じた人も多かったのではなかろうか。今年の夏はゲリラ豪雨と呼ばれる非常に激しい雷雨が多発した。気象庁の調べによると、東京都心の雷観測日数は7月が7日(平年2・3日)、8月が8日(平年2・5日)で過去50年間で最多を記録した。また通年でも20日を超えており、その傾向は全国的に見ても同様で、雷観測日数と比例して落雷の被害件数も急増している。

◆拡大する雷の被害

オフィスや工場・家庭で使われている家電製品やコンピュータは集積回路(IC)を使用しているため、雷の被害が起きやすくなっている。さらに被害件数増加の理由として機器のネットワーク化がある。近年被害が急増している監視カメラや火災報知器、構内放送システム、テレビ共聴システムなどは電源線のほかに制御線や通信線などが接続されており、その間に電位差が発生することで機器が破壊される。一般家庭では電話線やアンテナ線が接続されているパソコンや電話機、テレビなどの被害が増えている。

     
           

◆被害を防止するには

雷が近くに落ちると巨大なエネルギーが電源線や通信線に侵入する。これが雷サージと呼ばれる過電圧で、この雷サージが侵入することで電源線や通信線との間に電位差が発生し、機器を破壊する(図1)。最も安全な方法は雷が接近してきたら電源線や通信線をすべて抜くことであるが、現実的な方法ではない。また、避雷針があるから大丈夫!と誤解されている人も多い。避雷針は建物と人命を守るためのもので、機器を守るためのものではない。そのため最も現実的で確実な方法としてSPDもしくは避雷器と呼ばれる雷害対策製品を設置する必要がある。
SPD(避雷器)を設置することで、電源線や通信線から侵入した雷サージはSPDの内部を通過し、機器を安全に保護する(図2)。そして繰り返し使用が可能。
マンション、オフィス等で最も被害を受ける監視カメラや火災報知器の対策には写真(1)〜(3)のSPDが必要となる(価格は数万円〜)。ご家庭の対策としては、電話やパソコンは写真(4)、テレビは写真(5)、LAN回線には写真(6)のようなSPDを接続する必要がある(価格は〜1万円)。
 (資料提供/(株)昭電)

     
   

(集合住宅管理新聞「アメニティ」 2008年11月号掲載)