住まい方

現在テレビでは連日、2011年アナログ放送終了を伝えるCMが流れ、アナログテレビで視聴中の場合、画面隅には「アナログ」の文字が表示されています。2011年7月24日のデジタル放送完全移行までいよいよ3年を切った地デジですがその普及率は当初の目標になかなか届いていないようです。


国内の地デジ普及状況

総務省が今年1月に行なった緊急調査では全国の地デジ対応受信機の世帯普及率が49.1%という結果が出ました。このうち「実際にデジタルテレビを見ることができる世帯」が44.3%、「対応受信機はあるが今は見ることができない世帯」が4.7%となっています。これは地デジ対応のテレビは購入したが、アンテナなどの設備が整っていない家庭があるということです。
当初の目標では今年3月末には受信機普及率62%とし、11年4月までには100%を目指していましたが現時点でアナログ受信のままの世帯が50%を超えており、目標通りの達成はかなり厳しい状況です。
総務省ではこれらの結果を踏まえ引き続き細かな情報提供活動に取り組むとしており、政府は地上デジタル放送への円滑な移行を進めるための対策を検討する閣僚会議を新設することを発表しました。


アメリカのデジタル放送は延期に

同じくアナログテレビの停波を2月17日に予定していたアメリカでは移行を4カ月延期することが決定しました。 その原因は希望家庭に割り当てるデジタル放送を見るための「コンバーター」を購入できるクーポン券の希望者が停波が近づき急増。予定していた予算枠を超え財源不足になり現在もクーポン待ちが100万件を越えているためです。


日本の地デジ化今後の動き

一方、日本の地デジ完全移行の開始時期を遅らせる可能性について政府では「今の時点では考えていない」と強調しており、今後地デジ完全移行に向け、いくつかの推進策を発表しています。


地デジ購入にポイント還元最大13%

その一つに省エネ家電の普及促進を目的として導入される「エコポイント制度」があります。
通常の省エネ家電には購入価格の5%がポイント還元され、地デジテレビの購入時には特別措置として旧型のアナログテレビのリサイクル費用も含め13%を還元。ポイントの利用方法は未定ですが、5月15日の運用開始が発表されました。
その他、公立学校や福祉施設などに地デジ対応テレビを全額国費で設置、マンション・集合住宅などの共同アンテナの改修や一般家庭向けの支援策、電波が届きにくい建物でケーブルテレビに切り替える際の費用支援など、いずれも現在検討中です。またNHKの受信料免除世帯へは地デジチューナーを無償配布することが決まっています。


集合住宅の地デジ改修状況

全国でおよそ52万棟あるといわれる4階建て以上の集合住宅のうち約2万3000棟を調査した結果、40.8%の住宅が地デジ受信に伴う改修計画未定でした。 集合住宅の場合、工事にかかる費用も建物の状況により1戸あたり数千円から10万円以上と幅があり、そのほかにテレビやチューナーの購入費用も合わせて考える必要もあります。
また築年数の経った建物では配線全てを交換するなどの大掛かりな改修になる可能性もあり、改修計画が進まない限りチューナーが手に入っただけではテレビが見られなくなる状況も考えられます。
戸建住宅と異なる特性を持つ集合住宅の地デジ改修ですが、事故や事件、大きな災害時にはテレビが重要な情報インフラであることは間違いありません。
地デジの対応はそれぞれの住宅の状況により異なりますが管理組合としては管理会社、放送関連団体などで、できる限りの情報を集め現在の住宅の状況に応じた対策を立てておくことが重要です。


低価格テレビ、チューナーの登場

以前は1インチ1万円と言われていた液晶テレビの価格ですが、今では1インチ約4000円台となりました。海外メーカーの物では32型の地デジ対応ハイビジョンテレビで5万円を切るものもあります。
より大型のテレビが買い易くなりましたが購入時には設置する部屋のスペースをよく考え実際に視聴する位置と画面との距離をイメージしサイズの選択をしましょう。
また今年に入りアナログテレビでも地デジ放送が視聴できる「地デジチューナー」の販売が好調のようで、低価格のチューナーを使い当面は従来のテレビで節約しようとするユーザーも多いようです。



(集合住宅管理新聞「アメニティ」 2009年5月号掲載)