住まい方

地デジ完全移行/その後を追う


 去る7月24日、58年間続いたアナログ放送が終了(東日本大震災被災地の東北3県を除く)し、地上デジタル放送への完全移行が始まった。本紙6月号では、地デジ移行目前の状況について総務省地上放送課へ取材を行い、若干の問題を抱えつつも準備は順調に進んでいるとお伝えした。そして迎えた24日。一部混乱が起きているとする報道も見られるが、実態はどうなのか、改めて取材した。

品薄が続くチューナーとテレビ
7月下旬、地デジ完全移行後に訪れた都内の大型家電量販店。テレビ売り場には、アナログテレビで地デジが受信できるチューナーについて店員に問合せをする人がいた。店員によれば、地デジチューナーで最も多い4〜5千円前後のものは売り切れが続いており、入荷の予定も立っていない。1万5千円以上する多機能チューナーも入荷した日に売り切れるという。チューナー内蔵のハードディスク録画機なども品薄で、今買っても「お届けは8月中旬」という貼り紙が目に付く。
 また、地デジ対応テレビは、32V型以下で、金額が5万円以下の機種は「お届けは8月中旬」という貼り紙があり「9月上旬」というものもあった。またこの日、持ち帰り用、限定10台の20V型テレビを、高齢の男性が早速買い求める姿が見られた。
 この中には、居間のテレビは地デジ対応済みだが、個室の2、3台目はまだという人も含まれる。よって全員がテレビの視聴が不可能ではないが、品薄は秋まで続くと見られているため、しばらくテレビを見られない人は確実に存在する。



未対応世帯は29万世帯(6月末時点
 総務省によれば、今年6月末時点、被災3県を除いた地域で地上デジタル放送に未対応の世帯は全約5千万世帯のうち約29万世帯。そして迎えた7月24日。総務省の地デジコールセンターに寄せられた問合せは、24日から26日までで累計約22万件に上った。
 問合せの内訳は、「地上デジタル放送移行への苦情」「受信機・リモコン等の操作方法」が26%と、テレビの受信には関わりのない内容が多く見られる一方で、「受信の対応方法」や「アンテナ等に関する相談」など、テレビが受信できないとする内容が21%となった。問合せの中心は高齢者で、地域はアンテナの対応が遅れていた南関東が多いと見られる。
 同省は、電波の受信状況を確認するために確保していた地デジチューナーを未対応世帯に最大3ヶ月貸し出す措置を発表。また、住民税非課税世帯やNHK受信料全額免除世帯には、7月24日までに申し込めばチューナー1台を無償で給付する支援措置を24日以降も続けることが発表された。
 地デジ移行直前の未対応世帯数について、同省関係者は「想定内の結果」と話しており、今後も未対応世帯の戸別訪問を続け、年内には解消したいということだ。

   



マンションはほぼ対応完了
 次に、管理組合での状況を聞いたところ、取材した数箇所の管理組合は数年前から地デジ移行の準備を進めており、すでに対応は完了。地デジ移行後も苦情は寄せられておらず、今のところ問題は生じていないようだ。
 しかし、地デジを全戸受信できる体制は完了したが、各家庭のテレビが、地デジに対応しているかまで管理組合で確認していないというところもあった。また、小規模なマンションで管理組合があまり機能していないところでは対応が済んでいないところもあるかも知れないという指摘もあった。
 仮にそのような管理組合があれば、地デジコールセンター(0570・07・0101または03・4334・1111)まで相談されたい。



残された地デジ対策CATVは要注意
 7月24日の地デジ完全移行前後に、何もしていないのに写っているテレビもある。アナログ放送が実はまだ続いていると思われるかも知れないが、実態はまるで異なるので注意が必要だ。
 電波の受信障害などの理由で、CATVでテレビを見ていたところでは、CATV会社がデジタル信号をアナログ信号に変換して送信する「デジアナ変換」サービスを行っている。そのため、買い換えなくてもテレビを見ることができるが、同サービスは2015年3月に打ち切られる。
 対象となる世帯はCATV加入の2409万世帯。画面右上に「デジアナ変換」(写真)の文字が出ていれば対象のテレビだ。打ち切りまで3年8ヶ月あるが、直前にあわてる事のないよう注意したい。

 

   

(集合住宅管理新聞「アメニティ」 2011年8月号掲載)