住まい方

「高齢者の住環境」を考える


 毎年10月は「住生活月間」。全国各地の住宅に関するイベントを通し、一人ひとりが住宅の品質や管理に関する知識を得て、より良い住環境を実現することが目的である。今月号は住環境の中でも、読者の皆様から要望の多い高齢者の住環境について特集する。

老後の住まいへの希望

 不動産団体の調査によれば、高齢者自身の住まいへの希望は、「リフォームして今住んでいるところに住み続けたい」ものの、配偶者との死別や、介護が必要になったときには「高齢者向けの施設や住宅」も考えたいとしており、ひとり暮らしや夫婦二人世帯でこの傾向が強くなっている。


高齢者向け施設と住宅の違いは

 高齢者が将来の住まいとして考える高齢者向け施設と住宅。2つの違いは何だろうか。
 高齢者向けの代表的な施設と言えば、介護付き有料老人ホーム。こちらは「施設」のため、利用にはルールを守る事が求められる。例えば、風呂は週に○回、家族の面会時間は○時〜○時までなど、集団生活が基本となるため、利用者の自由は制限されることも多い。一方、手厚いサービスを受けられるため、本人や家族の安心は高いと言える。

   

 次に高齢者向けの代表的な住宅と言えば、サービス付き高齢者向け住宅。こちらは原則床面積が25m2以上のバリアフリー(段差無、手すり設置等)で、生活支援サービス(安否確認サービスや、家事援助等)が付いている以外は、普通の賃貸住宅と変わらない。ケアが必要な場合は近くの訪問看護ステーションなどからサービスを受ける。

   

 つまり、生活は基本的に自由で、サービスは自分が必要に応じて選択する。また自立した生活が求められるため、本人や家族には不安が残るかもしれない。
 次に利用料金で見てみると、「施設」は入居している限り施設の設備やサービスを利用出来る入居一時金がかかり、0円から数千万、数億円までと様々。他、月々かかる費用に食費、管理費、家賃(一時金で前払している場合は発生しない)などがある。有料老人ホームの場合、15万円以上のことが多いようだが、施設により異なるため確認が必要だ。
 「住宅」は入居一時金は無いケースが多いが、賃貸住宅のため敷金はかかる。家賃3ヶ月分程度が多い。他、月々かかる費用に、家賃や共益費、生活支援サービス費含めて、15万円程度が多いが、こちらも生活支援サービスを増やせば費用がかかるため、確認のうえサービスの選択を。
 どちらが優れているというより、資金計画も含め、老後、自分はどのように生活したいか(例・家事から解放されたい。自分のことは自分でしたい等)を考え、「施設」と「住宅」の違いをよく理解したうえで、希望に見合った選択をすることが重要だ。
 最後に、高齢者向け施設や住宅の探し方だが、施設は自治体の福祉関係部門、住宅は住宅関係部門で教えてもらえる。他に、施設はD全国有料老人ホーム協会(03・3272・3781)、住宅はE高齢者住宅財団(03・3206・6437)または一般財団法人 サービス付き高齢者向け住宅協会(03・5645・3573)までお問合せを。

   

   


(集合住宅管理新聞「アメニティ」 2011年10月号掲載)