住まい方

シックハウスと健康(2)

住宅環境の変化による健康への影響

 前回はシックハウス症候群の概要をお話しましたが、今回は室内空気質の悪化により引き起こされた健康被害、いわゆるシックハウス問題の起きた背景についてお話を進めていきます。


家づくりの変遷


 1970年代のオイルショック以前の住宅に使われていた建材は、木材や土、紙などの天然素材で、室内空気を汚染する化学物質を放散しにくいものでした。また、床下や天井も通気のよいつくりで、夏でも風通しがよく、木の柱や土壁などには調湿作用もあることで、室内の湿度を適度に整えていました。
 しかし、オイルショックを契機に、省エネルギー対策の必要性が叫ばれるようになり、住宅の高気密・高断熱化が推進され、従来の建材からアルミサッシやビニルクロスなど様々な新建材(一般的に天然素材と呼ばれる建材以外の建材)に変わっていきました。
 こうして家づくりの方法が変遷していく中で新建材から揮発(発散すること)する化学物質による室内空気汚染の問題といった新たな室内環境の悪化という問題が生じました。また、本来、湿度が高い気候風土を持つ日本では、カビやダニ、シロアリ対策は欠かせないものですが、その対応として木材への防蟻剤・防腐剤、畳への農薬など様々な薬剤を使用するようになり、さらに高気密・高断熱化を行う上では欠かせない必要換気が適切に行われなかったことも重なり、室内空気汚染が問題となりました。結果、シックハウス症候群という健康被害の問題が引き起こりました。





国の対応


 室内空気質汚染により引き起こされたシックハウス問題の解決に対し、厚生労働省をはじめとする各省庁にて様々な取り組みが行われました。次の表1は各省庁の取り組みをまとめたものになります。
 この他にも農林水産省や経済産業省がシックハウス対策に対応した日本農林規格(JAS)や日本工業規格(JIS)の制定及び改正などに取り組んできました。次回以降は、「各省庁の具体的な取り組み」をお届けします。(つづく)





(集合住宅管理新聞「アメニティ」 2014年4月号掲載)