住まい方

シックハウスと健康(5)

法規制をしても今なおシックハウス問題が…

 前回までに室内空気汚染による健康への影響、いわゆるシックハウス問題の解決に対して各省庁の取り組みをお話ししました。
 今回は法規制後、この問題がどのように変化しているのかについて触れていきます。




規制物質の室内濃度は低減

 厚生労働省により定められた13化学物質の室内濃度指針値設定および総揮発性有機化合物(TVOC)の暫定目標値設定、さらに国土交通省によりシックハウス対策の規制が導入された改正建築基準法の施行後、建築業界においては大半がシックハウス問題は解決されたと理解されています。
 実際にシックハウス症候群の大きな要因であったホルムアルデヒドは建築基準法で規制された後、その室内濃度は低減しました。また、その他にもトルエン、キシレンなどVOCも業界団体の自主規制など官民上げての取り組みで室内濃度は低減しています。


規制物質以外の代替物質が登場

 しかし一方で、室内濃度が低減した物質の代替物質としてアセトアルデヒドやアルコール系の室内濃度が高くなっています。このように規制された物質の問題は解決しても、それに代わる物質の問題が現れる結果となります。そこで昨今では室内全体の揮発性有機化合物の総量、いわゆるTVOCを重視する考え方が大きくなっています。
 このように代替物質の問題以外にも、24時間機械換気の重要性、新築・リフォーム後の引き渡しまでのあり方など建築業界が知っておく必要がある、住まい手に説明すべき点が多くあるにもかかわらず、建築基準法のシックハウス対策が施行されたことで建築業界の大半においてシックハウス問題は起こりえない、もしくはすでに解決済みという流れができました。
 それでも今なお室内空気質による健康被害の問題が起きていることから法規制ですべての問題が解決しているわけではないということを理解する必要があります。



リフォーム後に問題が起こることも

 さらにこのような問題は新築物件のみで起きているのではなく、簡易なリフォーム(壁紙貼替、床板貼替など)後に問題が起きていることを知る必要があります。この点については次号で説明をします。


〈シックハウスの予防策〉
*建材や家具、日常生活用品の選定(どのような製品か確かめましょう)
*住まい方の見直しを(不必要な薬剤をむやみに使用しないように)
*普段から換気を(24時間換気は止めないように)
*施工会社のシックハウスへの見識及び相談対応の見極め
*おかしいなと思ったら、まず相談を
・一般社団法人日本環境保健機構
   http://jeho.or.jp/
 TEL:03−6869−8270 FAX:03−6869−8272
・NPO法人シックハウス診断士協会
   http://www.sicklife.jp/index.shtml
 TEL:03−3524−7127 FAX:03−5847−8236
 環境に由来する健康問題であるアレルギー、シッ クハウス症候群、化学物質過敏症のご相談を受け付けております。


(集合住宅管理新聞「アメニティ」 2014年8月号掲載)