高齢化社会とマンションライフ高齢化社会とマンションライフ

29.高齢化と孤独死防止対策

孤独死の防止は社会資源を効果的に活用しましょう


平成19年版高齢社会白書によれば、平成17年現在、65歳以上の高齢者のいる世帯は1853万世帯であり、そのうち一人暮らし世帯が407万世帯、夫婦のみの世帯が542万世帯、あわせると949万世帯が高齢者のみの世帯です。

高齢者のみの世帯数は、実に日本の全世帯数4704万世帯の2割にのぼります。

お住まいの両隣が高齢者世帯という方も少なくないのではないでしょうか。これが現在の日本です。

その中でも、新聞やテレビで取り上げられる高齢者が誰にも気づかれずに自宅で亡くなる、いわゆる「孤独死」の防止は大きな課題です。

日本経済新聞社が平成18年、築20年以上のマンションに行った調査データによれば、過去にマンション内で「孤独死」が発生したと答えた管理組合が全体の13・1%にのぼりました。さらに、うち築30年以上のマンションが69・1%を占めており、建物が古くなるほど住人が高齢化し、孤独死の可能性が高まる傾向があります。

孤独死を防止するには社会資源を効果的に活用していくことが大切です。社会資源とは、社会におけるニーズや課題の解決にむけて使われる施設・制度・知識・技術など物的・人的な資源の総称を指します。

まず、物的資源についてですが、孤独死を防止するツールも増えてきております。従来の緊急コールや人感センサーに加え、生活に欠かすことの出来ない電気の変化を検知し、変化のない状況が一定時間を越えた時に異常を通知する、精度の高い「見守り」のシステムも登場しました。

電気量の変化を検知する見守りシステム例

次に、人的資源についてですが、平成18年4月に介護保険法の改正で新設された「地域包括支援センター」をご存知でしょうか。

地域包括支援センターは、高齢者をはじめとする地域住人の心身の健康維持、医療や財産管理、虐待防止などの多岐にわたる課題に対して、地域での総合的なマネジメントを担い支援していく中核機関です。

また地域包括支援センターには、認知症への対応や権利擁護まで生活相談全般を受ける社会福祉士、健康の維持増進・介護の予防計画をたてる保健師、介護サービスや生活支援の指導・助言を行う主任ケア・マネージャーと専門職が一同に揃っております。

管理組合の中だけで、問題解決を図ろうとするのは無理があります。限られた情報による判断は、選択肢の幅を狭くするからです。

地域包括支援センターをはじめ専門職に意見を求め、解決をはかっていきましょう。

高齢化への対策として、地域にある人的・物的社会資源を最適に組み合わせ、連携することで、合理的に高齢者を「見守る」しくみを各管理組合で構築していくことが孤独死を防ぐ回答です。

65歳以上の高齢者のいる世帯数及び割合の推移

(日本経済新聞06年11月9日付)

(社会福祉士、ファイナンシャルプランナー‖岡崎 勝)

 


(2007年11月号掲載)