マンションの修繕積立金に関するガイドラインを発表/国交省

 長期修繕計画に欠かせないのが資金確保の計画と実行。4月に国土交通省が「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を発表した。
 これは、新築分譲マンションの購入予定者向けに、修繕積立金に関する基本的な知識や修繕積立金の額の目安を示し、修繕積立金に関する理解を深めてもらうことを目的に同省が長期修繕計画87事例からまとめたもので、分譲事業者から提示された修繕積立金の額の水準について判断する際の参考材料として活用して欲しいとしている。
 また、既存マンションの管理組合においても、現行の修繕積立金額の見直しをする際や見直しの必要性を検討する時の修繕積立金の額の参考にしてもらうことで、区分所有者間の合意形成がより促進することを期待したいとのことなので、以下その概要を紹介します。


修繕積立金の額の目安

 発表された、戸当たり(専有床面積当たり)の修繕積立金の額については下表の通りであるが、額の目安の算出式としては、「下表の平均値(m2当たりの月額)」×「専有床面積」で算出することになる。
 例えば、専有床面積75m2の場合(20階建て未満の建物で、建物の建築延べ床面積が5千m2未満のマンションとして)なら、「@218円(下表から)×75m2」で戸当たり月額16、350円が目安の額となる。1万m2超の大型マンションなら、「@177円×75m2」で戸当たり月額13、275円。
 なお、機械式駐車場があるマンションの場合には、その修繕費用分を加算(算出式略)する。但し、駐車場使用料収入で駐車場の修繕工事費を賄う(通常の管理費等と区分して経理している場合)場合には、加算する必要がない。


修繕積立金の積立て方法

 修繕積立金の積み立て方法には、「均等積立方式(長期修繕計画の工事費累計額を計画期間中均等に積み立てる方式)」と「段階増額積立方式(当初の積立額を抑え段階的に積立額を値上げする方式)」がある。また、分譲購入時にまとまった額の基金(修繕積立基金)を徴収する場合や修繕時に各戸から一時金を徴収する場合、金融機関から借り入れを前提とした積み立て方式を採用する場合、などの方法もある。
 いずれにしろ、将来の各戸の負担増を前提とする積み立て方式は、増額しようとする際に区分所有者間の合意形成に問題ありとして、将来にわたって安定的な修繕積立金の積み立てを確保する観点からは「均等積立方式」が望ましいとしている。


修繕積立金の変動要因

 マンションの修繕積立金の額に影響を与える修繕工事費等の主な変動要因としては、(1)建物等の形状、規模、立地(例えば工事の仮設足場等に影響)、エレベータやプールなど共用施設の有無により修繕工事費が変動、(2)仕上げ材や設備の仕様によって、修繕工事費や修繕周期が異なる、(3)区分所有者の機能向上(生活利便性や防犯性等々)に対するニーズ等によってマンションごとに修繕工事の内容が異なり、修繕工事費も変動する、など、修繕積立金の額の水準もこれらの要因によって変化する性格があることに留意する必要があるとしている。
 なお、ガイドラインに示した額は事例から導き出した「目安」であり、この範囲に収まっていないからといって直ちに不適切であると判断される訳けではないとしている。
(*詳細は国交省HPをご参照ください)


    
専有床面積当たりの修繕積立金の額