マンションの駐車場は戸数分用意されていることは少なく、使用者は抽選や順番により決まることが多い。しかし、近年の自動車離れなどにより、マンションによっては空き駐車場が生じているところもある。
 管理組合は空き駐車場の有効活用のため、区分所有者以外に使用を認めようとしているが、駐車場使用料の課税関係について明確な規定が無く、税務署により見解も異なっていた。
 そこで、国交省が駐車場の外部使用について国税庁に照会し、2月に見解が示された。


外部使用は想定されず

 法人税法上、マンション管理組合が管理する駐車場は、
1 区分所有者を対象とした共済的事業
2 料金は区分所有者が駐車場敷地を特別に利用する管理費の割増金
3 駐車場使用料は区分所有者に分配されず、管理費又は修繕積立金の一部に充当される
との理由で、駐車場使用料は課税されないとの国税庁の見解がある。
 一方、区分所有者以外の駐車場の貸し出しは標準管理規約上想定されておらず、総会決議により管理規約を変更して貸し出すことは可能であったが、税法上の取り扱いが不明確なため、千葉県では所管の税務署が「全収入に対して課税される」と回答した。
 これに対し、千葉行政事務所にマンションの空き駐車場への課税関係を明確にして欲しいとの行政相談が寄せられ、課税関係を国土交通省と国税庁で協議し、2月に国税庁が見解を公表するに至った。



ケースごとに見解を例示

 国土交通省は、外部使用について実態調査を行い、代表的な3つのケースに分けて国税庁に照会し、国税庁は国土交通省の解釈で問題ないと回答した。
 想定された3つのケースは左記のとおり。
《ケース1》
 空き駐車場の募集を区分所有者と外部者を分けず広く行い、使用も区分所有者であるかを問わず申し込み順とし、使用料や使用期間などの使用条件も区分所有者と同様に行った。



  



《ケース2》
 空き駐車場の募集は区分所有者と外部者を分けず行うが、区分所有者の希望が無い場合にのみ外部使用を認め、外部使用されていても、区分所有者から使用希望があった場合には一定の期間以内に明け渡すという優先条件をつけた。



  



《ケース3》
 空き駐車場は、区分所有者から希望があるまでそのままにしておく予定であったが、近隣の道路工事事業者から、工事期間(約2週間)限定で空き駐車場使用の申出を受け、認めた。



  



 以上のケースに対し、国税庁は、ケース1は区分所有者と外部使用に差が無く、区分所有者のための共済的な事業と言えない(有料駐車場と変わらない)ため、駐車場使用料の全てが駐車場業として収益事業に該当するとした。
 ケース2は、区分所有者の使用は共済的な事業(非収益事業)であり、余剰スペースを利用した事業のみが収益事業(駐車場業)に該当とした。
 ケース3は外部への貸し出しは臨時的かつ短期的な貸し出しで、独立した事業とは言えず、全て非収益事業とした。


課税の明確化は空き駐車場解消に役立つか

 国税庁の見解が示されたことで、課税への懸念が払拭され、今後管理組合による空き駐車場の有効活用が進むとも考えられるが、疑問も残る。
 まず、自動車離れは少子高齢化により、改善されるとは考えにくい。すると空き駐車場は増えていくことが予想される。
 そうなればマンション駐車場の管理費や修繕積み立て金の不足が問題となり将来的に大きな問題を抱えることなる。維持管理に多額の費用がかかると言われる機械式駐車場ならなおさらである。
 そこで、周辺駐車場の価格や立地などから将来の需給を予測し、外部使用を認めても状況の改善が見込めないようなら、駐車場の一部あるいは全部撤去まで考えることも必要ではないだろうか。


(集合住宅管理新聞「アメニティ」2012年4月号掲載)