東日本大震災以降、電力の供給力不足から、電気料金の値上げが相次ぎ、一般消費者はもちろん、管理組合にとっても頭の痛い状況が続いている。
 そんな中、マンションで1棟あたり年間500万円程度節電が可能なシステムがあり、しかもシステム導入に国から補助金が出るという事業が今年から始まる。


 経済産業省が進める「スマートマンション導入加速化推進事業」(事業費約130億円、導入目標戸数、初年度8万戸)は、共用部・専有部に節電システムを導入するマンション(=スマートマンション)に、必要な設備機器費及び機器の設置・配線工事費の最大3分の1を補助する。導入コストは平均4000万円程度。

大きな電気代削減効果

 同省はシステムの導入により、1棟100戸のマンションの場合、年500万円程度の節電ができると予測している。
 年500万円なら、戸当り年5万円。月約4千円の電気代を削減できる。4千円と言えば、毎月の管理費と変わらない管理組合もあるだろう。
 4000万円のシステムを導入した場合、補助により負担は2400万円で戸当り24万円。月4000円の電気代を削減できるとしたら、5年で元が取れる計算となる。
 では、どのようなシステムを導入するのか。


システムの概要と導入条件

 1棟型マンションでは、共用部・専有部のメーターボックス内に、電気やガスの使用状況を30分単位で表示するメーターや使用状況をモニターに伝える通信機器等(別表1参照)を設置する。電気メーターの大きさは従来のメーターと変わらず、その他の通信機器等を含め、既存のメーターボックス内に収まるようだ。

 管理人室や各住戸には、各部屋や台所等のエネルギーの使用状況がわかる20cm四方の専用モニターを設置。なお、エネルギーの使用状況は各家庭のパソコンやタブレットでも見られるため、専用モニターは必須ではない。これらの機器の設置とメーター等とモニターを繋ぐ配線工事を含めて導入に平均約4000万円程度かかる。
 

 このシステムが「MEMS(マンション・エネルギー・マネジメントシステム)」で、システムを導入し、マンション全体のエネルギー管理を行うのが「アグリゲータ」である。3月、一次採択事業者として「アグリゲータ」には6社が登録(別表2参照)。今後さらに事業者は増える。
 「アグリゲータ」はエネルギー使用状況により、共用部の照明やエアコンに使用する電力を制御。また専有部の居住者に電気の使用状況を知らせ、節電に努めるよう促すなどして、マンション全体で効率的にエネルギーを利用し、10%以上の節電を目指す。
 他に、時間帯別電気料金や節電量に応じて、翌年以降に電気代を割り引くポイントを付与するなど、節電に繋げるインセンティブを用意するアグリケータもある。
 既存マンションでは、管理組合が全戸の同意を得ることが必要。また基本的に1棟あたり100戸以上のマンションが対象(以下でも可能なマンションも)である。
 他にも、既存マンションではアグリゲータにより導入の条件や費用が異なるため、導入にあたっては、詳細を確認する必要がある。

既存マンションこそ導入を

 当面新築マンションを中心にシステム導入が進むと言われているが、さらに家庭の節電を進めるには、既存マンションへの導入が不可欠なため、同省は既存マンションへの導入を積極的に進めていきたいとしている。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2013年5月号掲載)