マンションの管理費等滞納問題

 マンションで長く建物を保全していくには、日常の管理をきちんと行い、また長期修繕計画を作成して、計画通りに大規模修繕工事を行うことだろう。しかし、資金(管理費、修繕積立金等)の裏付けが無ければ、日常の管理も、計画通りの修繕工事も行えない。そこで管理組合に常に付きまとう管理費等の滞納問題を取り上げる。


管理費等滞納の実態

 国土交通省が平成25年度に行った「マンション総合調査」によれば、管理費・修繕積立金を3カ月以上滞納している住戸のある管理組合は37.0%あり、建物の完成年次が古くなるほど滞納住戸のある管理組合の割合が高くなる傾向にある。
 6カ月以上滞納している住戸がある管理組合は22.7%、1年以上滞納している住戸のある管理組合は15.9%ある。

滞納の理由と傾向

 区分所有者が管理費等を滞納してしまう理由は実に様々である。
 「管理費等をきちんと払いたくても、諸事情でどうしても払えない」というケースもあれば、なかには、そもそも管理費等を払う気のない人もいる。
 また、マンション内のコミュニティも滞納に関係している。
 リゾートマンションやワンルームマンションのように、隣に誰が住んでいるかわからないマンションでは、滞納が多い傾向があり、コミュニティ活動が盛んで、理事会も活発に動いているマンションでは、滞納が少ない傾向にあるようだ。


管理組合の悩み

 発生してしまった管理費等の滞納の督促を行うのは管理組合である。
 督促を行う管理組合の理事会は理事の輪番制を取っていることが多く、一年おきに理事のメンバーが交代するが、管理費等の滞納を引き継ぎ事項として次の理事に伝えるものの、そのままになってしまうケースが多い。
 誰も滞納の回収などはしたくない。ましてや、同じマンション内の住人である。結果、督促が後回しにされたまま、理事の交代時期に引き継がれるというサイクルに陥いる管理組合が多い。



管理費等滞納への一つの対策

 賃貸住宅の場合、家賃滞納を防止するため連帯保証人を付けて契約するが、最近は連帯保証人を付けられないケースも増えている。
 そこで登場したのが「家賃保証会社」である。家賃保証会社は賃借人の連帯保証人を代行し、滞納発生時には賃貸人に滞納家賃を支払い、賃借人に督促を行う。
 保証の対象が家賃から管理費等に代わるが、分譲マンションについても「保証システム」が最近誕生した。管理費インシュア株式会社が行う管理費保証システムだ。
 同社の管理費保証システムは、管理組合と契約を結び、毎月一定の保証料を同社に支払い、滞納が発生した時には同社が管理組合に滞納管理費等を支払い、同社が滞納者への督促を行うことで、管理組合には、確実に管理費等が納入される。同時に、管理組合は、回収業務を行わないで済む。



滞納回避のための複数の予防策を

 どうしても発生する管理費等の滞納。滞納額が大きくならないうちに、管理組合が対処すると同時に、管理費保証システムのような滞納回避の予防策を複数準備することが滞納問題の改善に繋がるのではないだろうか。



(集合住宅管理新聞「アメニティ」2015年2月号掲載)