災害の多かった2011年が終わり、2012年が始まった。今年の住宅政策はどうなるのか。国交省の来年度概算予算要求や昨年末に具体化した新住宅エコポイント、来年度税制改正大綱から読み解く。


住宅の省エネ・耐震化の促進が焦点に

●民間空き家を活用した住宅セーフティネットを確立

 厳しい雇用環境で住宅確保が困難な者が増加しているなか、受け皿となる公営住宅が財政の制約で減少していることから、民間の空き家を活用することで、住宅のセーフティネットを構築する。災害時には被災者向け住宅としても活用。
 対象となる空き家には耐震、省エネ、バリアフリー改修いずれかのリフォーム費用の3分の1を補助する。限度額は1戸あたり100万円。
 来年度予算に200億円を要求した。

●エレベーターの安全確保を推進

 侵入窃盗事件はマンションでは全国年間約8千件発生。
 侵入犯の侵入経路は、「窓からの侵入」が55・3%と最も多く、(「表出入り口」は35・9%)窓でも掃出し窓が多い。
 次に侵入手段は「ガラス破り」が35・3%でガラス対策が重要なことが分かるが、「無施錠」が36・1%と最も多く、基本的なことではあるが戸締りを確実に行うことも重要だ。
 また、ベランダが連続するマンションは、横の移動も容易なため、一度侵入を許してしまえば、被害が拡大し易い。どんな時でも施錠するという基本に忠実なことが求められる。


●エコリフォームに30万ポイント。耐震改修は別に15万ポイント

 エコポイントは昨年11月に「復興支援・住宅エコポイント」として復活。
 エコリフォームには上限30万ポイントが発行される。窓の断熱改修(ガラス交換、内窓設置、外窓交換)または、外壁、屋根・天井又は床の断熱改修を行うことが前提となる。
 リフォームの際、耐震改修も行うときは、別枠で一律15万ポイントが発行され、計45万ポイントまでポイントが付く。
 対象となるのは昭和56年5月31日以前に着工された住宅で、現行の耐震基準に適合しない住宅を、現行の耐震基準に適合させる工事。
 ポイント発行に、持家、借家、一戸建ての住宅、マンション等の区別はなく、マンションの場合、管理組合が一括して申請可能。
 また原則、国の補助金を受けた断熱等のエコ改修工事は、ポイント対象工事でもポイントは発行されないが、耐震改修は補助金との併用が可能となっている。
 エコリフォームは平成23年11月21日〜平成24年10月31日に工事着手したものが対象となるが、予算を使い切った時には、前回同様前倒しして終了する。


●税制では、省エネ・耐震住宅は更に優遇へ

 住宅取得資金の贈与税の非課税枠は、親や祖父母から自己居住用の住宅を新築・購入・増改築のため、贈与を受ける際の非課税枠が3年間延長された。平成24年は1000万円、25年700万円、26年500万円。
 一方で、省エネルギー性、耐震性を満たす住宅の贈与税の非課税枠は1500万円(24年)に拡大する。
 対象となるのは省エネ等級4、耐震等級2以上で、省エネ・耐震性能が長期優良住宅並の住宅。


 


 さらに認定省エネ住宅(仮称)制度が創設された。
 認定省エネ住宅とは、現行の省エネ基準よりも高い環境性能を満たす住宅で、認定されれば、住宅ローン減税の控除対象借入限度額を、通常より1000万円引き上げ4000万円とする。また登録免許税は一般住宅の特例をさらに優遇し0・1%とされた。
 これらの施策から読み取れるのは、新築・既存住宅の省エネ化、耐震化に政策的インセンティブをつけることで、災害に強く、持続可能な社会の構築を目指すこと。
 2012年は、この流れをどの程度取り入れて、建物の維持管理をしていくのか問われるだろう。


(集合住宅管理新聞「アメニティ」2012年1月号掲載)