玄関扉を取り換え防犯性・耐震性も向上:2007年9月号掲載
Rマンション大規模修繕工事(埼玉県・朝霞台)
1.建物概要
「Rマンション」は、東武東上線朝霞台駅及びJR武蔵野線北朝霞駅から徒歩約20分の、住宅・マンション・工場や、立教大学・本田技術研究所・畑が混在している地域に立地しているマンションである。
建物は経年12年で、11階建(4棟・連棟)、陸屋根250戸で、コの字に配置され、ゆるやかに北側に傾斜している敷地にある。
2.管理組合の取り組み
大規模修繕工事を計画し運営管理することを目的として、管理組合の下部組織として、大規模修繕委員会を設立した。設立にあたり、委員会会則を作成し、目的・業務・選任方法、委員の任期と退任・改選、委員会での決議事項、理事会との関係等の規定を明文化した。このため、理事会と委員会との連携が良好に行われた。修繕委員会でコンサルタント候補者を選定し理事会で承認し、建物調査・修繕基本計画・修繕設計・工事監理のコンサルタントを依頼した。修繕委員会には理事長も参加し、工事中の居住者への協力依頼等もスムーズに処理された。
3.修繕工事の特長等
大規模修繕工事を計画し運営管理することを目的として、管理組合の下部組織として、大規模修繕委員会を設立した。設立にあたり、委員会会則を作成し、目的・業務・選任方法、委員の任期と退任・改選、委員会での決議事項、理事会との関係等の規定を明文化した。このため、理事会と委員会との連携が良好に行われた。修繕委員会でコンサルタント候補者を選定し理事会で承認し、建物調査・修繕基本計画・修繕設計・工事監理のコンサルタントを依頼した。修繕委員会には理事長も参加し、工事中の居住者への協力依頼等もスムーズに処理された。
(1)外壁塗装
外壁塗装は、手摺壁外側等の雨掛かり部位に経年劣化による退色やチョーキングが進行していたので、雨掛かり部のトップコートはフッ素塗材、バルコニー内壁等の非雨掛かり部はアクリルシリコン樹脂塗材、バルコニー等上裏は、コンクリートの中性化抑止をはかるため、カチオン型ポリマーセメント吹付の上、複層塗材仕上とした。
(2)開放廊下等床防水
開放廊下の床面は塩ビシート貼りであったが、塩ビシートジョイント部等の浮きや剥がれが見られたので、貼り替えを行い、巾木・排水溝にはウレタン塗膜防水を施し、防水性能の向上を図った。
(3)バルコニー床面
薄塗モルタルの剥がれ・ひび割れ、外壁入隅部のウレタン塗膜防水の剥がれ等の劣化が見られたので、防水性能・美感向上を図るため、防滑性塩ビシート貼り+ウレタン塗膜防水とした。
(4)屋外階段
コンクリート屋外階段は塩ビシート貼り+ウレタン塗膜防水、鉄骨階段床面はPCで あったが、騒音対策としてゴムシート貼りとした。
(5)玄関扉取替
基本計画策定時には、住戸内の結露対策として、アルミサッシ窓ガラスをペアガラスに、玄関扉を断熱性能を向上した扉に取替を計画したが、コスト面でペアガラスは断念。今回の工事では、玄関扉の断熱性能を上げて結露防止を主とし、ダブルロックによる防犯能、対震丁番・対震プレートによる耐震性能、プッシュブル錠によるバリアフリー性能を向上させた。尚、扉の郵便差入口は取り付けないので、新規に、外壁に新聞入れ金物の取り付けを行った。
(6)外構等スロープ改修
1階エレベーター廻りや外構の階段部に設置の急勾配のスロープを、緩勾配のスロープにするため、スロープの位置変更や外構部床面(インターロッキング貼り)の嵩げを行い、バリアフリー性能を向上させた。
(7)ガス給湯能力増強等
本マンションの各戸給湯器は16号で、冬季には、台所で給湯していると風呂の栓から充分なお湯が出ない状況であった。冬季に2水栓を使用しても、充分なお湯が保できる給湯器(24号)に取替が出来る基盤整備を行うと共に、埋設ガス管の老朽化・耐震化対応を行った。このために、敷地ガス引込部から立て系統ガス立て管接続までの 埋設管(土中・床下ピット内)の改修と、既存メーターボックスが小さく給湯器設置スペースが狭い住戸に、新たに給湯器設置用ボックスを新設した。
【設計・監理】
一級建築士事務所
八生設計事務所
【施工】
佐藤工業グループ
佐藤リフォーム(株)
(八生設計事務所 一級建築士 近藤武志)