役員立候補者(468号9月)

 香港で選挙の候補者になるには資格審査委員会の審査に合格しないとダメという法律ができ世界の批判の的となっている★有権者は誰でも立候補できるのがそもそも民主主義の基本だ★ところが最近、マンションの管理組合の役員候補者になるのに理事会の承認が必要だという規約を持つ管理組合が現れて裁判になった★理事会承認を得られなかった人が、このことを決めた理事を相手に裁判で損害賠償を求めたが認められなかった★理事には過失がないという理由だが何だか変だ★一審ではこの規約を有効と判断、二審ではさすがに理由は変わって規約は不適切、決定も正しくないとなったが、規約がある以上理事には過失はないという★これでも変だ★この規約はすでに廃止されたが、役員不足に悩む多くの管理組合にとって全く別の世界の出来事のようにみえる。
集合住宅管理新聞「アメニティ」468号(2021年9月)掲載