タエコマンションライブ 2014(1月~12月)

やはり災害時には
日頃の住民交流が大事
孤独死も防ぎたい

 

 

 師走を迎えました。寒さも厳しくなってきました。
 昨年、奮発して購入した羊毛のブーツを履いて足元暖かで歩くのが楽しくて仕事帰りの疲れも気にならないこの頃です。歳も考えず、ボルドー色にサイドにリボンの飾りの付いたデザインです。こんな事でも気分が高まるのは、まだまだ女心は忘れていません。
 さて、先日の甲信越地方の地震には驚かされた方も多いと思います。深夜だったので被災地の方々は、本当にこわかった事と思います。家屋が倒壊したり被害に遭われた方々には、心からお見舞い申し上げます。
 そんな中でも、犠牲者が出なかった事には良かったと思いました。そして、それが日頃からの地域の人の結び付きの賜物と聞き、人と人との繋がりが命を救うのだなと当然の事ですが、その土地の方々の素晴らしさに感動しました。
 というのも先日、地域で福祉活動をしている友人と会う機会があり、その時、都会では独居世帯が増えており、特に高齢の方の中には地域との繋がりを絶っている人も居て、孤独死の数は、年々増加しているとの事です。そして、今や孤独死を防ぐ対策が間に合わず不幸にも亡くなった方を出来るだけ早く発見しましょうに変わってきたと話していました。
 我がマンションでも、以前、高齢化が進む中、老々介護世帯、独居世帯を住民の間で把握し、災害時に助け合う為に備えようと提案した方が居ましたが、個人情報保護法を唱える住民も居て実現は出来ませんでした。住民一人一人の意識に任せるという事です。
 私自身の事で考えても、築25年以上経過した現在、両隣の方とさえ繋がりがなくなっています。顔を合わせれば挨拶はしますが、子供達が小さかった頃ほど、多くの住民との交流は稀薄になっています。不安といえば不安ですが、これが世の中の流れなのでしょうか。
 でも、せめて管理組合が頑張って、住民の動向をしっかり把握して命を守るべきですね。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2014年12月号掲載)
【つづく】

 

夫が亡くなってから
猫の存在が大きく
心の隙間を埋めてくれます

 

 

 今年も残すところあと2カ月となりました。この時期になると、亡き夫が1回目の手術をした頃のことを思い出します。紅葉の目立ちはじめた道を車で、病院へ通った日々が昨日の事のようです。クローゼットから、冬用の軽めのコートを出す時にもその度思い出します。
 現在は、次男が大学生になったので、彼の卒業までは、仕事を頑張らないと駄目だなと思っているので、淋しいと感じている余裕もないのですが、ふとした瞬間、居ないんだと気付くのです。
 そんな心の隙間を埋めてくれるのは、猫の存在でしょうか。元々は主人の自宅療養の慰めになればと思い、飼い始めました。
 心穏やかに過ごせるようにと飼ったのに、飼い始めてしばらくは、猫との関わり方で、言い争いをしたりしてしまいました。が、猫を間に入れると、言い難いような言葉でも言えるし、辛くて言葉を失ってしまう時には、可愛らしい動作で笑わせてくれたり、まるで全てを悟っているのではと考えてしまう程の振る舞いを猫はしてくれました。
 現在は、仕事で疲れて帰宅して、ソファに座って動けなくなっている私の横に来て、前足で太腿の辺りをしばらくの間、フニフニして眠るのです。そんな様子に、疲れが抜けて行き、さて、掃除、洗濯、夕食の支度と力が湧いて来るのです。不思議ですね。
 我が家で猫を飼うまでは、マンションで犬猫を飼うなんてそもそもルール違反ではないかと思っていました。大切な存在なんだなと理解はしていても、契約違反と怒っている私が居ました。
 でも、今は必要不可欠です。他の所有者に迷惑にならないように飼えるのなら良いのかなと考えます。猫ですが、息子同然ですから。
 そんな訳で、人間の次男と猫なんだけれど三男との生活が、私の全てを支えてくれています。心豊かに過ごせる彼らが居るから。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2014年11月号掲載)
【つづく】

 

テレビの朝ドラで思い出す
本のある環境だった少女時代
親にあらためて感謝!

 

 

 秋も深まり、涼しくなってきました。この頃になるといつにも増して活字を追いたくなるのは私だけではないでしょう。そして、最近子供のころ読んでいた本を処分してしまった事を後悔しているのです。
 先月末で終わった朝の連続テレビ小説を楽しみにされていた方も多かったでしょう。私は久々に夢中になって観ました。少女時代夢中になって読んだ小説の訳者が主人公だったのです。そして、その当時の単行本に必ず金の型押しで、作者のモンゴメリー、訳者の村岡花子の名前が入れられた美しい装丁のものが多く、我が家にもそんな思い出の本があったのです。
 このマンションに越してきた時、実家から何冊か持ってきていたのですが、全集物なので重いのとカビ臭いのとで、狭いマンションを広く暮らすため思い出は胸の中へと処分してしまいました。文庫本になり、書店へ行けば手に入るので、良いと思ったのです。
 戦争中、訳者が命がけで守り、戦後、少女たちを美しい空想の世界へ導いてくれた、そんな大切な物を手元に残さなかった自分に怒りさえ感じています。
 当時、小学校高学年だったでしょうか、どれだけ、〝赤毛のアン〟にはまっていたか、ちゃぶ台に、練炭火鉢の生活だった中で知った外国の生活も新鮮でした。近所の神社の並木道をアンの気持ちになって歩いたりもしたものです。
 〝少女パレアナ〟も夢中になりました。主人公パレアナの「何でも喜ぶ遊び」を私もやってみようと努力したものです。物事が上手く行かない時、思い通りにならない時、考え方を変えるだけで楽しい事に変わるのです。かなりの空想少女だったのです。
 忘れていた、少女の頃の気持ちや、内職をして姉たちや私に本を与えてくれた母への感謝の気持ちがよみがえりました。秋の夜長に再読してみようかと思います。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2014年10月号掲載)
【つづく】

 

災害に強い街づくりを望む
その為の増税だったら納得
来年も花火が見られる街に

 

 

 暑かった夏休みも終わり、元気な笑顔で新学期を迎えた子供達の姿を見ると心温まります。素敵な思い出がいっぱい詰まったランドセルは、ウキウキと踊っているように見えます。
 その反面、今年の8月豪雨の被害の大きさに、楽しいはずの夏休みが、悲しいものになってしまった人達が、日本全国にどれだけいらっしゃるのか考えると胸が締め付けられます。
 それは、自然災害ではありましたが、被害の拡大を防ぐ方法、逃れる道はあったかも知れない。再び悲しい人達が増えないように、自然災害に強い街並みづくりをして行かなければいけません。
 東京オリンピックが、決まっています。それへ向けて、施設の建設が進められています。前回の東京オリンピックの際の建設ラッシュの中、多くの集合住宅が建設されましたが、手抜き工事も少なからずあったと聞いています。華やかな祭典の裏で、本当に大切な事は何か忘れないでほしいと思います。
 スポーツ選手の活躍が、人々に勇気と希望を与えてくれるというのも事実ですが、災害に強い安全な場所で、当たり前の幸せを誰もが味わえる事が大切です。
 こんな事を日々考えるだけで無力な自分自身です。自分自身の生活だけで精一杯で、何も出来ません。しかし、災害現場には必ず、ボランティアの若者達が訪れ、壊れた家の片付けを手伝ったりしています。彼らの行動力には、頭が下がります。誰もが目を覆いたくなるような現場へ、出掛けて行く勇気は素晴らしいと思います。
 そんな若い世代の方々に、自然災害だけでなく、あらゆる災害に強い都市づくりをしてほしいと思います。そのために使うのだったら、消費税率の増税もやむを得ないかなと感じています。
 我がマンションは、高台にあります。近隣の町で行われる花火大会が美しく見えます。来年の夏も美しい花火が見えますように。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2014年9月号掲載)
【つづく】

 

米寿を迎えた父が
自分史を自費出版
私達の人生の参考に

 

 

 

 連日の猛暑には、本当に身の危険を感じます。学校関係は夏休みに入っていますが、日中は、マンション内に子供の遊ぶ声も聞こえないのはこの暑さのせいでしょうか。たまに見掛けても、エントランスホールの片隅で携帯ゲームをしています。風通しが良く、いくらか涼しいのです。
 この暑さで心配なのは、今年米寿を迎えた実家の父の事です。一人暮らしをしていますが、介護サービスや地域の支援を受けて元気に暮らしています。我がマンション内も高齢の方が増えています。私は私で地域の中で何か出来ればと思っています。
 さて、そんな父が〝自分史〟を自費出版する事になりました。母が亡くなった時、実家に来てくださった方々が、母の子供の頃の話しや、親類縁者の繋がりの話しをしてくださった時、自分達の代が居なくなったら子供や孫達に繋がらないなと思ったのがきっかけです。
 それから、父の取材活動が始まりました。
 まず、家系図を作る事から取り組みました。自ら出身地へ行き、兄弟や従兄弟に取材し、遠縁を見つけては話しを聞きに行き慶応まで遡りました。想像を越えた、色々な事を知ることが出来ました。素敵なラブストーリーが出て来たりしましたが、私達の子供である孫の代まで完成させました。
 次は、父の出生から仕事の事です。父は大正生まれですが、海軍の兵学校を経て高等専門学校で学んだ技術職で、公務員となり、その後民間企業へ転職し、発展途上国での海岸援助もしており、単身赴任も経験しました。
 戦中、戦後の激動の日本を生きて来た父の人生を娘である私も全部を知らなかったですし、孫達もそれを知る事でこれから社会へと飛び出して行く時に人生の参考になります。
 先日、出版社との最後の打ち合わせがあり、一カ月後には製本が完了します。母が亡くなってから10年余りのプロジェクトでした。執筆から全て自ら取り組んだ父に乾杯!

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2014年8月号掲載)
【つづく】

 

夏の風物詩、積乱雲
湘南の海を思い出して
30年振りに仲間と再会

 

 

 夏の風物詩である積乱雲の姿は、本当に美しいですね。子供の頃からあのモクモクとした真っ白い様子に、想像力を働かせたものです。空腹の時は、食べ物だったり、淋しい時は、動物の顔や姿になって話し掛けて来てくれたりして、でも、その後に雷、集中豪雨が訪れた時は、呆然として外を眺めたものです。最近は、その頃に比べて雨の降り方が半端ではなくなって各地で被害が広がってしまうのが心配です。積乱雲は美しいのにね。
 我がマンションのバルコニーからの空と日射しを眺めていると夏本番も近いなと感じられます。そんな時、ふと若い頃、湘南の海で遊んでいた事を思い出しました。そして、急に海に行きたくなりました。
 結婚して、子育てに追われて、仕事に夢中になって30年です。あの頃、私はマリンガールだったのです。もう、社会人でしたが、大学生や高校生と一緒に、ウィンドサーフィンをしていました。休みの度に、海に通っていた頃の友人達の顔を、一人一人思い出しました。もちろん、その中には、亡くなった主人も居ます。日焼けした顔で歯だけ白くて。
 たまには、銀座辺りでデートしようかと思って出掛けて行っても、結局、風向きが気になって、電車に飛び乗って海へ行ったかな。
 そんな訳で、その頃の仲間の一人に連絡をとったら、集めてくれました。年齢は重ねてしまったけれど、また、いつかマリンガールに戻る気満々の女性ばかり6人です。
 江ノ電の駅で待ち合わせしました。30年ぶりに会う方も居てドキドキワクワクでした。でも、会った瞬間に時を越えてしまうものですね。見た目は多少変化はあり、「孫が2人も居るのよ!」なんて方も居るけど、そんな事は、皆で砂浜を歩いている時には、すべて忘れてしまうものです。流行の水着で、ビーチサンダルで、海に出ていた頃の自分たちに戻ってしまいました。この再会が、この夏の私を元気にしてくれると信じる最近です。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2014年7月号掲載)
【つづく】

 

主人の遺品を整理しました
広くなった部屋はさびしいですが
私の物も整理していかなくては

 

 

 梅雨の頃となりました。じめじめじとじとと蒸し暑い日々をどう乗り切りましょう。次男が、エントランスホールのガラス扉に、雨蛙が張り付いているのを発見して写メに納めて見せてくれました。思わず笑ってしまうほどの愛らしさです。そうですね。色彩豊かな紫陽花や様々な生き物たち、その時々の楽しみもあるのですから大切にしましょう。
 さて、近頃、雑誌等の編集で物の捨て方とか整理術が多くなっているのを感じます。ある程度の年齢になると、まして伴侶に先立たれたりすると身の回りの種々雑多な物は早い時期に片付けた方が良いと考えます。
 主人が亡くなった後、遺品整理という名目ではありますが、あの世で怒っているかもと思いつつも多くの物を処分しました。
 物を捨てられない人だったというか、思い出を物で残したい性格だったので、結婚生活三十年余りですが、出掛けた先で集めたパンフレット、チラシの類、金銭の授受の書類、紙袋、包装紙、若い頃の洋服、ゲームの景品、古い雑誌、写真、手紙、もう書けない筆記用品、ありとあらゆる物がありました。生前から減らすように言ってはあったので、整理してくれてた訳ですが、洋室を一部屋占領しており、本人はその隙間で眠るのが落ち着くんだと言っていました。
 主が居なくなったので、息子と片付けることにした訳ですが、愛着があったであろう品々も、残された我々にとってはどうしたものか。でも、処分するしかありません。数カ月かけて少しずつ確認しながら、彼の思い出として一部を保管し、ほとんどはゴミ焼却場へ送りました。煙となって天へ昇り本人の元へ届いたと信じるしかありません。
 これらの経験から、私が亡き後、あるいは認知症になった場合、息子達が困らないように少しずつ物の整理をしなくてはと思っているこの頃です。でも、今は広くなってしまった我が家で、寂しさが深まってしまっています。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2014年6月号掲載)
【つづく】

 

今年もマンションに鯉のぼりが
さて、大学生のわが息子は
自転車で転倒、救急車のお世話に

 

 

 風がさわやかな季節になりました。今年もまた、マンションの外階段から外階段へと張られたロープに、地元の青年団と理事達による鯉のぼりが飾られ、五月の空を力一杯泳いでいます。その雄姿を見ると、元気がでます。
 次男が大学へ入学して一ヶ月余り。高校時代とは違うので帰宅時間も遅くなり、外廊下から階下の自転車置き場を見に行ってしまいます。親の手が離れたのを喜びつつも、まだまだ心配なものです。
 とは言っても、もう自分の事は自分で責任を持ってもらいましょう。でないと駄目だよねと決心した矢先です。
 たまたま私が夜勤明けで家に居た時です。入れ違いで出かけて行った息子から電話がありました。「自転車で転んで、路上へ思いきり突っ込んでしまい顔面と頭を打ったので、これから救急車で運ばれるから」とのことでした。寝不足の頭には状況が良く解らなかったのですが、自ら電話をしてきたので大丈夫かなと思い、病院に着いたらまた電話するように言いました。とにかく、待つしかありません。
 眠いけど、眠ったら駄目だなと思いながら待っていると、救急の人より連絡があり、運ばれる病院と、「あわてて来る事も無い様子なので、落ち着いて下さい」と親切な連絡をいただきました。その直後に警察の方から連絡があり、事故の状況とケガの様子を教えていただきました。たまたま交通取り締まり中のパトカーの真ん前で転んだそうです。あんまり派手に転んだので、頭の打ち所が悪かったら大変だからと、救急車を呼んで下さったそうです。
 その後病院へ迎えに行きました。が、顔面は痛々しい絆創膏で覆われているものの、頭の方はとりあえず心配はない様です。歩道の段差でバランスを崩したようです。その日は教材等の荷物が多かったのが原因でした。
 警察の方は翌日も翌々日も電話を下さいました。「社会に支えられてるな、税金はきちんと払っていこう」と改めて感じました。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2014年5月号掲載)
【つづく】

 

我が家も旅立ちの春
長男は新社会人
次男は大学に入学

 

 

 寒い冬で春が待ち遠しい日々でしたが、桜の花は春をしっかり覚えていてくれました。開花の便りが、南の方から順番に届けられました。桜の花は、心までも暖かくしますね。
 そんな春を感じはじめた頃、我が家の長男は新社会人として生まれ育ったマンションを巣立っていきました。高校、大学と寮生活していたので、一緒に暮らしていたのは15歳までと、大学4年の1年間だけでしたが、社会人として自立するというのは、特別な気持ちになります。このマンションに入居した時には、この世に存在していなかったのですから、不思議です。
 今から、24年前に主人と二人で新築で購入し、この海も山にも近い自然豊かな土地で子供を生み育てられたらと移り住んで来たのです。主人の通勤には以前の倍の時間が必要でしたが、結婚して8年間授からなかった子供を得ることが出来ました。思えば、本当に幸せな日々でした。二人の息子との生活は、主人と私にとって宝物のような日々でした。金銭的にも、体力的にも大変なことは多々ありましたが、それを上まわる程の多くのものを子供達からもらいました。
 そんな訳で、長男の旅立ちは感動そのものでした。就職難の中を水泳で培った根性で乗り切りました。そして、主人が天国へ旅立ってしまう直前に、内定の報告をしてくれました。本当に親孝行な息子です。
 きっと主人も、長男の引っ越し、新生活の準備を手伝いたかったと思います。家具の組み立て、電化製品の取り付けなど大好きな人でしたから、私が頑張りました。部屋の照明を取り付け、生活に必要な細々した物を購入しました。私一人でも出来ることだけですが。
 そして、4月、次男と私の新生活のスタートです。次男は大学一年生。第一志望の大学へ合格し、夢いっぱいの日々です。私も、一日一日をしっかりと生きていきたいと思います。主人の分も息子達の人生を見守ります。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2014年4月号掲載)
【つづく】

 

大雪で車は無理。歩きで出勤
でも、皆と雪かきに汗流し
近所との絆の大切さ学んだ

 

 

 記録的な大雪でした。三月を迎えても全国的に、その影響による被害に頭を悩ませている方々がいらっしゃるのでしょう。心よりお見舞い申し上げます。
 降り続ける雪を見て、この地球に何が起こっているのだろうと危機感を持ったのは、私だけではないでしょう。海に近く温暖だと言われている我がマンション周辺が、一夜のうちに豪雪地帯のようになっていたのですから本当に驚きました。まさかこんなに降り積もるとは思っていませんから、何の準備もしていませんでした。車のワイパーを立てた程度です。
 しかし、どんな状況でも仕事へは行かなくてはなりません。24時間の交替勤務ですから。幸いスタッドレスタイヤにはしてあったので、駐車場から車を出せれば、出勤出来るかと思い、息子に雪かきを頼んで、いつもより2時間早く出勤に備えようとしたのですが、タイヤの高さ程積もった雪に阻まれて車を動かす事が出来ません。息子と苦労している様子を見た通りかかった近所の方に、今日は出掛けない方が良いからと説得されましたが、休む訳にはいかないので、かなり遠回りにはなりますが、バスと電車で行く事にしました。が、同じマンションの方とタイミング良くタクシーをひろう事が出来たので、通常の4倍以上の時間で駅には着く事が出来ました。
 ところが、電車は止まっていました。駅員に尋ねるといつ来るかわからないと言います。職場までは、1駅なので歩く事にしました。
 1駅ですから、雪道でなければ20分も掛からない道のりです。辺り一面真っ白で方向はわかるのですが、歩道がはっきり確認出来ません。側溝に落ちたら困るので人の歩いた跡、車の轍をさがして進みました。雪は止んでいましたが、寒風の中、汗ばんでダウンコートを脱ぎたくなった頃、無事到着しました。
 その頃、マンションでは、息子達が近所の方々と駐車場の雪かきに汗を流しました。大雪は、近所の方々との絆の大切さを教えてくれました。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2014年3月号掲載)
【つづく】

 

日の当たるリビングで
猫くつろぐ、そんな日常の中
息子は受験真っ最中!頑張れ!

 

 

 朝起きて、太陽の光が燦燦とリビングに差し込んでいると、今日一日頑張るぞという気持ちになります。で、大急ぎで洗濯機を回して干して、日光の当たっている衣類達を見ると少し幸せな気分になりませんか。でも、我が家のリビングに日光が当たっているのは午前中だけ。そんな時間を、愛しむように猫は日だまりで昼寝を楽しんでいます。
 さて、そんな日常の中、我が家の二男は受験真っ最中です。先日、センター試験を経験して来ました。毎年、試験当日は全国的に寒波が到来し、受験生の方々は本当に大変な思いをしています。私も母として、寒さ対策を色々考えました。が、いつものように通学用の制服で出掛けました。駅のホームや会場へ向かう道で身体が冷えてしまったらと心配してしまいます。実力以上の力を発揮してもらいたいですから、朝から空から白いものがチラチラと降って来るのを見つけて、カイロを持たせてやれば良かったかと、気に病んだりしました。
 ところが、一日目の試験から帰宅した本人は、地下教室だったから暖かくて快適だったとのこと。出来ばえについては、明日があるから聞かないでくれと言っているものの笑顔も見せているので、無事帰宅した事に安心しました。あと一日。私の方が緊張しています。
 二日目、昨日よりは暖かい朝、マンション外廊下から駐車場を見下ろすと、大丈夫、車のフロントガラスは凍っていません。最寄りの駅まで無事送り届け、約一時間後に会場に無事到着のメールを受け取った時には、少しぐったりしてしまいました。本人は、3教科の試験を受けなくてはいけないのに。でも、あとは本人が自分の夢のために頑張る番です。彼にだけ得意な問題が出ますように祈ります。
 思えば、オープンキャンパスに参加し、研究室や教授にたった一人で、臆することなく尋ねて行き、学部研究をして決めた志望大学です。合格させてやりたいです。まだまだ試験は続きます。受験生の皆さん、ファイト!

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2014年2月号掲載)
【つづく】

 

我マンションも高齢化が進み
デイサービスの送迎車が停車
安心して暮らせる社会を望む

 

 

 

 新しい年を迎えました。今年一年、実り多いものでありますようにお祈り申し上げます。
 春には、消費税が引き上げられます。景気はどうなるのでしょう。生活は苦しくなるのでしょうか。心配は、絶えませんね。でも、私は生来楽天家なのか、お金の計算が得意でないので、怒られそうだけど、どうにかなるかな?とも思ってしまいます。
 実際、消費税が初めて導入された時も、5%に引き上げされた時も、どうにか慣れて、それに上手く対応して来ました。確かに、心配すればキリがありません。消費税だけでなく、年金の問題、介護保険の問題は、この先どうなっていくのでしょうか。
 日本はますますの高齢社会になり、13年後には、人口の20%近くが後期高齢者になり、私自身も前期高齢者となり、年金生活者となっているかと予想出来ます。そして、その時、子供達の世話にならずに、自立した生活が出来るかどうかは、国の政策に掛かっています。
 楽天家の私も、子供達に迷惑を掛けずに生活出来るかなと考えると、不安になってしまいますが、起こっていない事を思い悩んでもしかたがないかなぁ。今を着実に幸せに過ごすことも大切です。
 我マンションは、高齢化が進み、平日の朝ともなれば、時間差で何社ものディサービスの送迎車が、エントランス前に停車されます。そして、車イスの住民が乗せられて行きます。
 かつては、働き盛りで、朝には通勤のため、最寄のバス停まで大股で急いで歩いていた方々が着実に年齢を重ね、要介護状態になっているわけです。社会の縮図です。
 この私自身も何年後かは、ディサービスのお世話になっているかも知れませんね。その時まで、元気いっぱい仕事に、趣味に生きて行きたいものです。
 新しい年の初めにいろいろ考えましたが、一日一日を大切に、健康に過ごすために、まずは、努力する事が大切だと思います。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2014年1月号掲載)
【つづく】