マンションの侵入窃盗対策 空き巣・忍込み・居空きに気をつけよう!

 年末年始は犯罪が増える傾向があるので、団地・マンションではとくに侵入窃盗に気をつける必要があります。

 警視庁の資料によると住宅対象の侵入窃盗はベランダ、居室等の窓からの侵入が63.4%で、玄関等の出入口からの侵入は36.4%となっています。マンションの侵入窃盗は大きく3つに分類できます。

  「空き巣」「忍込み」「居空き」を侵入窃盗と言いますが、その手口や対策について示します。

 「空き巣」は、家人等が不在の住宅内に侵入し、金品を盗むこと。

 「忍び込み」は、夜間、家人等の就寝時に住宅内に侵入し、金品を盗むこと。

 「居空き」は、家人等が在宅し、昼寝、食事等をしているすきに住宅内に侵入し、金品を盗むこと。

 手口や手口を知ることで、対策を考えることができますので、それぞれの侵入口と手口及びその対策を警視庁の資料をもとに表にまとめました。

侵入窃盗犯が嫌う3つ

 侵入窃盗犯が嫌うのは「音」「光」「人」と言われています。

 (1)音  とくに1階は侵入しやすい。専用庭のある場合、音を出しやすい石を敷くと抑止になります。 

 (2)光 団地やマンションの入り口、玄関、1階ベランダ周辺に、人感センサーライトを設置することで、抑止になります。

 (3)人 犯人は、多くの場合、日中に下見をすると言われています。侵入しやすいマンションか否か、どこの家が入りやすいかを探るわけです。その時、あいさつをされることを嫌がります。コミュニティが十分だとわかると侵入をためらうのです。ゴミ置場が汚れていたり、出前のドンブリなどがあるようなマンションはだらしないと捉えられ、コミュニティが欠けていると判断し、侵入対象となってしまいます。

 つまり、侵入窃盗犯は人の目を一番嫌うのです。」

 これらからわかるように、コミュニティの力は結構大きいのです。居住者同士のあいさつはもちろん、団地・マンション内でのあいさつはコミュニティの醸成のためだけでなく、犯罪抑止にもつながるというわけです。

人の目をひく環境づくり

 団地やマンションの周辺に花などを植えると、それを愛でる人の目があたかもマンションを守っているかのようになり、その目が侵入窃盗犯は嫌がります。このように人の目をマンションの外周、敷地内にあることが犯罪抑止につながります。

 子どもがワイワイガヤガヤと遊び、そばに付き添いなどのおとながいるだけでも抑止になるのです。高齢者が陽だまりに集まることも同様です。

対象物の強化

 「対象物の強化」とは、丈夫な錠や防犯ガラスなどで対象物を破壊に強く物理的に強化して侵入を未然に防ぐことです。表のとおり、玄関ドアはCP製の鍵やサッシ等には補助錠等を補完したり、ガラスには防犯フィルムを貼りガラス破りに強くしておくなどです。

 サッシのクレセントは単なる留め具であり、鍵ではありませんから、とくに1階の住戸には補助錠は必須です。

侵入盗とは異なる犯罪にも気をつけよう!

 オレオレ詐欺、押し買い、強盗、などが頻発しています。

 オレオレ詐欺は必ず電話で「俺だけど」「還付金」「警察ですが」「銀行協会」「いくら現金を持っているか」といった不可解な内容ですが、多くの高齢者がダマされます。高齢の両親などとしっかりと話し合うことが大切です。

 最初は子どもから意見されることを嫌いますが、「俺は大丈夫だ」と言われても繰り返し事例を話してカラダに染み込ませましょう。

 玄関にはチェーンを掛け、知っている人以外はドアを開けないことも必要です。侵入窃盗は鍵がかかっていない玄関や窓からの侵入も多いのです。

 「自分だけは大丈夫」と言った油断は禁物!

集合住宅管理新聞「アメニティ」2020年12月号掲載