災害関連死ゼロの社会を目指す⑲(2021年10月)

火山噴火の場合、想定されること

 前回、土砂災害の場合、想定されることについて述べましたが、今回は火山噴火の場合について述べます。我が国は世界でも有数の火山国で、桜島や御嶽山など複数の火山で噴火が発生しています。火山が噴火すると大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流、溶岩流、小さな噴石・火山灰、火山ガスなどが起こります。特に噴火に伴い発生する大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流は、避難までの時間的猶予がほとんどなく、生命に対する危険性が高くなります。

 火山災害時の行動

では火山災害時には一体どのように行動するべきでしょうか。まずは噴火の影響が及ぶ範囲などを地図に示した火山ハザードマップ上に防災上必要な情報を記載した「火山防災マップ」で噴火警戒レベルに対応する危険な場所を確認しておく必要があります。次にあらかじめ、避難場所や避難経路を確認し、気象庁が発表する噴火警報・噴火警戒レベルなどに留意します。噴火の恐れがある場合には、「警戒が必要な範囲」からの事前避難が必要となります。

※「噴火警報」とは、生命に危険を及ぼす火山現象の発生や危険が及ぶ範囲の拡大が予想される場合に、「警戒が必要な範囲」(生命に危険を及ぼす範囲)が、「火口周辺」や「居住地域」などと明示して発表されることです。

火山灰から身を守るための対策

次に火山現象の中で噴石や火砕流の恐ろしさもありますが、火山灰も大きな被害を起こすことがあります。火山灰が降り注いできた場合の対策ですが、まずは火山灰から身を守るために、・防塵マスクを着用するなどし、火山灰を吸い込まない ・火山灰が触れることで皮膚炎症を起こす可能性があるので皮膚を守る ・火山灰により見通しが悪くなるので、車の運転は控える ・コンタクトレンズをはずすなどの対策が望まれます。

 噴火災害軽減のため

噴火災害軽減のため、気象庁では、噴火警報及び噴火予報の発表を開始していますので、特に火山噴火が起こる可能性高い地域の方はいつ、何時起こるかわからない火災噴火に備える必要があります。

・災害関連死ゼロフォーラム
http://zero-forum.jp/
・一般社団法人地域防災支援協会
http://www.boushikyo.jp
・一般社団法人日本環境保健機構
http://jeho.or.jp

集合住宅管理新聞「アメティ」469号(2021年10月)掲載