災害関連死ゼロの社会を目指す⑮(2021年2月)
大雨の場合、想定されること
前回地震が起きた場合に想定されることについて述べましたが、今回は大雨の場合について述べます。
◇水害・土砂災害
近年では地球温暖化による気候変動の影響により大雨による水害や土砂災害のリスクが高まっています。但し、水害や土砂災害のリスクは、正しく理解し、家庭や地域で準備しておくことで被害を軽減することができ、また危機に際して冷静・適切に対処することで命を守ることができます。
◇想定されること
大雨が続くと、
◎川の水かさが急に増えたり、氾濫する
◎床下・床上浸水が起こったり、道路が冠水する
◎排水溝や下水で処理しきれない水が地下街などへ流れ込む
◎地盤がゆるみ、土石流やがけ崩れが発生するなどが想定されます。
◇大雨時の行動
平時にハザードマップで、災害の発生が予測される範囲や被害程度、さらには避難経路、避難場所などの情報を確認します。但し、ハザードマップで指名されていない場所で被害が生じたり、ハザードマップの情報より規模の大きな現象が生じたりする場合もあります。災害時には、大雨や暴風などによって発生する災害の防止・軽減のため、防災気象情報を確認していきます。大事なことは避難勧告等が発令されたら速やかに避難行動をとることです。なお、突発的な災害では、避難勧告等の発令が間に合わないこともあるため、避難勧告等が発令されなくても、危険を感じたら避難行動をとらなければなりません。
◇適切に避難するために
では、適切に避難するために必要なことをいくつか挙げてみます。
◎近くの避難場所はどこか、予め確認しておく
◎避難勧告等がない場合でも、気象情報に注意し早めの対応を心がける
◎立退き避難が危険な場合、無理に屋外に避難せず、建物の上の階へ避難することも有効である
◎一人では避難できない高齢者など要配慮者を避難させるには時間がかかるため、支援者の手助けにより、早い段階から立退き避難等の避難行動が必要となる(支援者の安全配慮も必要)。
災害はいつ起こるかわかりません。起きてから後悔しないよう備えをしておくことが大切になります。
・災害関連死ゼロフォーラム
http://zero-forum.jp/
・一般社団法人地域防災支援協会
http://www.boushikyo.jp
・一般社団法人日本環境保健機構
http://jeho.or.jp
集合住宅管理新聞「アメニティ」461号(2021年2月)掲載