災害関連死ゼロの社会を目指す㉗ 2023年2月

交通障害

 交通障害には、道路の穴ぼこ、路肩の崩壊等の道路損傷、落下物など道路の異状等が挙げられますが、今回は年末に起きた強い寒気の流れ込みにより各地で大雪に見舞われた際の、車の立ち往生について述べていきます。

 立ち往生とは、雪道などで滑りやすくなり、軟弱な路面上でタイヤのグリップ力が低下し、アクセルを踏んでもタイヤが空転して前に進まないという状態のことです。一台がこの状態になるとその影響で渋滞になる場合もあります。

雪道で立ち往生した場合
 雪道で立ち往生した場合、まず一酸化炭素中毒に注意が必要です。車が雪に埋まったときは、原則、エンジンを切ります。それはマフラーが雪に埋まると排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒を起こすおそれがあるためです。防寒のためエンジンをかける場合は、マフラーが雪に埋まらないように、こまめにマフラーのまわりを除雪する必要があります。

スタックした場合の対処方法
 仮にスタックした場合、次の方法での対処が考えられます。
 〇新雪に埋もれて動かなくなった場合、まずは周辺の雪を除雪することから始める。
 〇アクセルをゆっくりと踏み、前進とバックを繰り返し、雪を踏み固めながら発進する。
※チェーンをまく。
※駆動輪の下にチェーンや布などを敷き、ゆっくりアクセルを踏む。
 〇FR車の場合は荷物をトランクに積むなどして、駆動輪の荷重を高めてゆっくり発進する。
 〇同乗者などに車を押してもらう。
 〇タイヤの空気を抜いて空気圧を下げ、雪面への接地面積を増やしゆっくり発進する。
 〇スタックしたタイヤの下と、タイヤの外周に砂を振りかけてグリップ力を増加させる。
どうしても脱出できない場合は、JAFやロードサービスに連絡し対応してもらいます。

備えと対策
雪路を走る場合、万が一に備えて除雪用のスコップや防寒着、毛布、寝袋の備えをしておく必要があります。また一酸化炭素中毒以外にもエコノミークラス症候群にも気を付ける必要があるため、車内で同じ姿勢にならないようにし、寒いのを我慢して体を動かしたり姿勢を変えていく必要があります。

災害関連死ゼロフォーラム
https://zero-forum.jp/
一般社団法人地域防災支援協会
https://www.boushikyo.jp/
一般社団法人日本環境保健機構
https://jeho.or.jp/